過酷だったMV撮影
──2日間にわたるMVの撮影を終えたばかりとのことですが、たった数日で振り入れをするのは大変だったんじゃないですか?
石田 「風を待つ」と同じく、ダンサーの辻本知彦さんに振り付けていただいたんですが、辻本さんのチームの方に「振りを自分のものにするのが早くなったね」と言っていただいて。最初は難しそうなダンスだなと思ったんですけど、みんな順調に振りを覚えていって、グループとしての成長を実感できました。
瀧野 「風を待つ」とはまた全然違う、静と動がはっきりしている振り付けになっているんです。ダンスシーンが多いMVと聞いて構えていたんですけど、STUという文字を表現する振りがあったり、ペアになる場面があったり、踊っていてすごく楽しかったです。
岩田 あと、腕を突き出すような振りが多くて。ツアーの直後だったのもあり、みんな筋肉痛になっていましたが「もう腕がちぎれてもいいや!」くらいの勢いで一生懸命がんばりました。
──撮影は香川の父母ヶ浜と岡山の牛窓オリーブ園で行われたそうですね。
石田 父母ヶ浜では潮が引いた瞬間に、もと海……って言うんですかね(笑)、少し前まで海水があった場所で踊ったので、砂が濡れている状態だったんですよ。バランスを取るのが大変で、特に片足になる振りが難しかったです。
瀧野 砂が冷たくて休憩中は足湯に浸かってました。明るいシーンは干潮のタイミングの朝早くに撮影したんですが、踊っているうちに潮が満ちてきちゃうので、そのたびに場所を移動していって。
石田 移動する導線も気付いたら海になってしまっていて、スタッフさんがずぶぬれになりながら椅子で仮の橋を作ってくれました。
瀧野 撮影は大変だったんですけど、完全に潮が引いたときの風景がきれいで、自然のすごさを実感しましたね。
岩田 私たちの姿が潮だまりに反射して、自分がもう1人いるかのような映像が撮れていて、すごく感動しました。
──一方の牛窓オリーブ園での撮影はいかがでしたか?
岩田 このシーンは澄ました表情で撮影して、ダンスもルールに囚われていることを表した無機質な感じになっていて。その表現が意外と難しかったです。
石田 普段歌うときは笑顔だからね。でも、寒さで自然と口角が下がっていきました(笑)。
──なるほど(笑)。最後には雨にぬれた瀧野さんが額縁を蹴り飛ばすシーンがありますね。
瀧野 撮影で使用した額縁を蹴って壊しました。これからSTU48は2期生を迎えてどんどん新しいことに挑戦していくだろうし、このシーンにもその決意が込められているんじゃないかなと思います。これまでのイメージやルールに縛られず、次へ進んでいくっていう。このシーンの撮影もすごく寒かったですが、解放感があって楽しかったです。
精神的に成長できた1年
──2期生を迎えることについては、正直どんな心境ですか?
岩田 STU48は1期生のあとにドラフト3期生が入ったんですけど、加入の時期にそんなに差がないので後輩という感覚がなくて。みんな同期という空気感で活動してきた中、「これからどうなるんだろう?」という気持ちもありつつ、2期生の見本となれるようにがんばりたいですし、今まで自分が感じてきたことをしっかり伝えられたらいいなと思います。
石田 2期生のオーディションはファンの方の投票で結果が決まるという、小さな総選挙みたいなシステムだったんですよ。入る前からそういう試練を経験してきた分、みんな頼もしい子たちなんじゃないかなと思います。みんなでSTU48を素敵なグループにしていきたいです。
瀧野 STU48は新しいことに挑戦させてもらえるグループだと思うので、どんどんいろんなことにチャレンジしてほしいですね。
──2019年も多くの挑戦があったと思いますが、皆さんにとってどんな1年でしたか?
岩田 2019年はSTU48がいろいろと進歩した1年だったと思っていて。大変なこともありましたが、そのたびに「周りの人の支えがあって今の私がいるんだな」と実感して、精神的に成長できました。
石田 2019年はアイドルになって3年目で、ホップステップジャンプのジャンプの年だったと思うんです。自分としてはずっと目標にしていたAKB48さんの選抜メンバーに入ることができたり、ソロコンサートの開催が決定したりと飛躍の年になったので、2020年もこのまま上を目指していきたいです。
瀧野 やっぱり2019年は船上劇場というホームができたことが一番大きかったです。今村ねずみさんに演出していただいた劇場公演を通して、みんな技術面でも精神面でも大きく成長できたのかなと。また大変なことがあっても「あれを乗り越えられたんだ」と思えるくらいに自信が付きました。あと私は初めて舞台やバラエティ番組に出させていただいて、個人としても活動の幅が広がった1年でもあったので、2020年は身長を生かしたモデルのお仕事とか、たくさんのことに挑戦していきたいです。そして1つずつ夢を叶えていって、STU48を多くの人に知ってもらうきっかけになりたいです。
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