「負けたな」と思った初の武道館
──今回の特集でもバンドのオフィシャルサイトに掲載されている年表をもとに、ストレイテナーの歩みを振り返られればと思います。今回は大山さんが加入した2008年10月からですね。
- 2008年
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- 8月1日 "ROCK IN JAPAN FES. 2008"にてメインステージのヘッドライナーを務める。
- 8月 東名阪広にて対バンツアー ストレイテナーpresents"BROKEN SCENE TOUR"を行う。
- 10月1日 GUITARIST大山純加入。4人での初音源となる「Black Hole」を配信限定で発表。
- 11月26日 メジャー9thシングル「Little Miss Weekend」をリリース。
同日より、全国9ヶ所にてツアー"Hello Miss Weekend Tour"を敢行。
- 2009年
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- 1月14日 メジャー10thシングル「Lightning」をリリース。
- 2月4日 自主企画ライブイベント ストレイテナーpresents"BROKEN SCENE"開催。
- 2月11日 メジャー5thアルバム「Nexus」をリリース。オリコン・ウィークリーチャート初登場5位にチャートイン。
ビデオクリップ集DVD「Emotion Picture Soundtrack 2」を同時発売。 - 3月~ 全国ツアー"Nexus Tour"を敢行。ファイナルを初の日本武道館で行う。
- 8月5日 メジャー11thシングル「CLONE / DONKEY BOOGIE DODO」、ライブDVD「NEXUS TOUR FINAL」をリリース。
- 11月~ the HIATUSとのスプリットツアー"BRAIN ECLIPSE TOUR"を敢行。
日向 こうやって年表で見るといろいろ思い出しますね。「Black Hole」は純ちゃんが入って最初にリリースした曲だから、いろんな反応を見て回ってた気がする。
ホリエ 「Black Hole」はミュージックビデオにけっこう苦労したんですよね。
ナカヤマ 砂絵のやつね。
ホリエ 僕らけっこうMVで苦労することが多いんですよ。だから結局いつもお願いしている小嶋(貴之)監督に頼んじゃう。付き合いが長いですから。
日向 小嶋監督に撮ってもらった「Lightning」とかカッコよかったね。
大山 僕が入ってから2枚目のシングルに当たりますけど、「Lightning」みたいな曲をシングルで出せるバンドって素敵だと思いますね。
ナカヤマ よく当時のレーベルサイドがGOを出したよね。これ、当時も言ってた気がする。
──2009年5月にはバンド初の東京・日本武道館公演がありました。
ホリエ 「NEXUS」ツアーのファイナルですね。それまで僕らって武道館に対して特別な思い入れがなかったんです。でも2009年に武道館でライブをしてからは、「もう一度ここでライブをやらないと気が済まないな」と思って。
日向 もちろん当時の全力は出しているわけなんですけど、いい意味でも悪い意味でも若かったと言うか。地に足が付いていないままライブが終わった感じがある。
ホリエ なんだろう。「負けたな」って思っちゃったんです。「武道館、モンスターだったな」って思いました。
ナカヤマ 9年前だもんね。若かったよ。
東日本大震災を経て
──2010~11年の間は2枚のオリジナルアルバムとセルフカバー集「STOUT」がリリースされました。
- 2010年
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- 1月13日 メジャー12thシングル「Man-like Creatures」をリリース。
- 3月3日 メジャー6thアルバム「CREATURES」をリリース。オリコン・ウィークリーチャート初登場10位にチャートイン。
- 4月3日~ 全国27ヶ所にてツアー"CREATURES PARADE TOUR"を敢行。
- 7月31日 4人編成としては初となる"FUJI ROCK FESTIVAL '10"出演。WHITE STAGEにてアクトを務める。
- 10月27日 ライブDVD「The Parade of Creatures」をリリース。
- 2011年
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- 1月12日 新曲+セルフカバー集「STOUT」をリリース。
- 2月~ 各地ゲストを迎えた対バンツアー"Tour STOUT"を敢行。
- 4月13日 メジャー13thシングル「VANDALISM / SILLY PARADE」をリリース。
- 7月13日 メジャー14thシングル「YOU and I / 羊の群れは丘を登る」をリリース。
- 8月3日 メジャー7thアルバム「STRAIGHTENER」をリリース。
- 9月22日~ 全国28ヶ所にてツアー"LONG WAY TO NOWHERE TOUR"を敢行。
ホリエ 「CREATURES」を経て「STRAIGHTENER」を作っている時期ですね。
日向 「STRAIGHTENER」の1曲目「A LONG WAY TO NOWHERE」は、カッコいい曲だよね。
ホリエ 「STRAIGHTENER」は最も苦悩して作った作品だと思う。2011年3月の東日本大震災の影響は強いですね。「STOUT」のツアーでTHE BACK HORNと一緒に北海道で対バンをしたんですけど、そこらへんの記憶が曖昧なんですよ。理由を考えてみると、その直後に震災があったからなんですよね。
日向 そっか。
ホリエ 震災のインパクトが大きすぎて、それ以前の記憶が消し飛んでるんだと思います。僕ら自身の活動もどうあるべきか、すごく考えていた時期ですね。結果として僕らは音楽しかできないわけですから、音源を作ってツアーを回るってことをすることにしたんです。
──その後、2012年10月発売のシングル曲「From Noon Till Dawn」で初のドラマタイアップを獲得しました。
- 2012年
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- 2月29日 ライブDVD「LONG WAY TO NOWHERE TOUR」をリリース。
- 6月13日 新曲+アコースティックセルフカバー集「SOFT」をリリース。
- 6月下旬~ 初のアコースティックツアー"SOFT ACOUSTIC TOUR"を敢行。全国8カ所、ファイナルを渋谷公会堂で行う。
- 10月17日 メジャー15thシングル「From Noon Till Dawn」をリリース。
テレビ東京系ドラマ「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」オープニングテーマに決定。
ホリエ 若い頃はタイアップのこととかなんとも思ってなかったんですよ。テレビで注目されるのとかはちょっとおっかないと思っていたくらいで。
ナカヤマ テレビで流れている音楽と僕たちがやっていることが同列にあるとは思ってなかったもんね。
ホリエ むしろどういうつながりがあったらテレビで曲が流れるのか、それすらわからなかった。別世界のことだと思ってましたから。
──「From Noon Till Dawn」や「The Place Has No Name」といったタイアップ曲は、ドラマの制作サイドからの要望があって作られた曲ですよね。タイアップを受けて曲を作ることに対して、やりにくさみたいなものを感じることはありましたか?
ホリエ 何かに向けて曲を書くことってそれまで全然やってこなかったんですけど、実際にやってみると作りにくいどころか、むしろ作りやすかったんですよね。僕らのことをよくわかってくれてる人が依頼してくれたのもありましたし、外の人たちが自分たちだけではできない光を当てようとしてくれてることは、素直にうれしかったので。ただ「ファンクにしてくれ」って言われて、ちょっと苦労しましたけど(笑)。
日向 「From Noon Till Dawn」は「ファンクっぽくしたい」って要望があったんですけど、なんとかスカっぽいサウンドで納得してもらって。とりあえずスカっぽくするならホーンを呼ぶしかないと思って、ゲストプレイヤーに参加してもらいました。
──ストレイテナーがホーンを入れた曲って「From Noon Till Dawn」だけですよね。
ホリエ はい。普段やれないことにチャレンジできたのはこういうタイアップがあったからこそだと思いますし、僕ら自身も楽しんでやれたのでよかったと思っています。
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2013年 やりきった2度目の武道館
- ストレイテナー「Future Soundtrack」
- 2018年5月23日発売 / Virgin Music
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初回限定盤 [CD+DVD]
5184円 / TYCT-69128 -
通常盤 [CD]
3240円 / TYCT-60117
- CD収録曲
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- Future Dance
- タイムリープ
- After Season
- Boy Friend
- 灯り(ストレイテナー×秦 基博)
- もうすぐきみの名前を呼ぶ
- The Future Is Now
- Superman Song
- Last Stargazer
- 月に読む手紙
- Our Land
- 初回限定盤DVD収録内容
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ONE-MAN LIVE テナモバ presents 'STRAIGHTENER MANIA' 2018.02.20 at STUDIO COAST
- REBIRTH
- Stilt
- STAINED ANDROID
- Dead Head Beat
- AFTER THE CALM
- WHITE ROOM BLACK STAR
- 星の夢
- BLACK DYED
- KINGMAKER
- LOVE RECORD
- 放物線
- TRIBUTE
- BERSERKER TUNE
- ストレイテナー
- 1998年にホリエアツシ(Vo, G, Piano)とナカヤマシンペイ(Dr)の2人で結成。2003年のメジャーデビューのタイミングで日向秀和(B)が加入。さらに2008年には元ART-SCHOOLの大山純(G)が加わり、4人編成に。2009年2月には4人編成となってから初めてのフルアルバム「Nexus」を発表し、同年5月にアルバムを携えてのツアーファイナルとして初の日本武道館公演を開催した。ホリエはソロプロジェクト・entとして、日向はNothing's Carved In Stone、EOR、killing Boyのバンドメンバーとしても活動するなど、各メンバーがさまざまなバンドやプロジェクトで活躍している。2016年5月にアルバム「COLD DISC」を発表。同年6月より計26カ所の会場を回る全国ツアー「Step Into My World TOUR」を開催し、ツアーのライブ映像を収めたライブBlu-ray / DVDを2017年3月にリリースした。バンド結成20周年のアニバーサリーイヤーとなる2018年には4月にニューシングル「The Future Is Now / タイムリープ」を、5月にニューアルバム「Future Soundtrack」を発表した。
2018年9月18日更新