ストレイテナー 結成20周年企画 第1弾 ホリエアツシ×ナカヤマシンペイインタビュー|まっすぐ歩き続けたバンドの原点

「Melodic Storm」より明るい新曲

──最新シングル「The Future Is Now / タイムリープ」についての話も聞かせてください。「The Future Is Now」はアプリゲーム「デジモンリアライズ」の主題歌に決定している曲ですが、タイアップ用に書き下ろした曲ですか?

ホリエ 歌詞は書き下ろしてるんですけど、曲自体は去年のけっこう早い時期から作ってたものですね。4人でアレンジしながら何度もアップデートを重ねていた曲の1つです。

ナカヤマ ストレイテナーとしていろんなことをやってきている中で、こういう明るい曲って実はあまりなかったんですよね。

──確かにここまでわかりやすく明るい曲は少なかったかもしれません。

ナカヤマ 「Melodic Storm」より明るいですから。

ホリエ キャッチーなんだけどアッパー過ぎず、ダンスミュージックに寄りすぎてもいない。エモーショナルな感じとダンスミュージックの要素を融合した、いい落としどころの曲にしたくて作った曲ですね。

──ストレイテナーがゲームとタイアップするのは今回が初めてですよね。

ホリエアツシ(Vo, G, Piano)

ホリエ アニメやゲームとのタイアップは、ずっと前から「あったらいいな」と思っていたんです。僕以外のメンバーはゲームが好きだし、僕はアニメを創作意欲の原点みたいな存在だと思っているので。特に最近は音楽に力を入れたアニメ作品が増えていて、バンドマンとは違うタイプのアーティストの方々が作る楽曲から刺激をもらうことが多いんです。そういう分野に自分が関われたら面白いなと思ってきたし、単純にバンドのためだけに曲を作るのはもう長年やってきたことなので、何かのためにバンドで音を鳴らすことはすごく貴重な経験として受け入れています。やればやるだけ学ぶことがあるし、今まで自分にない扉が開く感覚があって。

──「デジモンリアライズ」のために書き下ろした歌詞は、どういうメッセージを込めようと考えたんでしょうか?

ホリエ 改めて「デジモン」のゲームやストーリーと向き合ってみたんですけど、大人が思っている以上に現代の子供たちはそれぞれの悩みだったり、僕らが思いも付かないようなストーリーだったりを背負っているんじゃないかなと思って。そんな子供たちに対してただ単に「未来は明るいぞ」って歌うことは僕にはできないんですけど、1人ひとりが持っているポジティブなものやネガティブなもの、それら全部が未来につながってるんだということなら歌えるかな、と思って。自分が悩んでいることとか、挑戦して届かなかった経験はきっと何か別の形で自分自身に還元される。君の未来はもう今とつながってるんだぞっていうポジティブなメッセージを歌にしたかったから、サウンドも突き抜けて開けた曲になったんだと思います。

今のストレイテナーが描くエモーショナルなダンスチューン

──シングルにはカップリングとして新曲「タイムリープ」と「CLARITY」の“DECADE ELECTRO MIX”が収録されています。新曲「タイムリープ」はどういう取っかかりでできた曲ですか?

ホリエ タイアップとかが付いてない曲だから、最初から最後まで作りたいように作ったのが「タイムリープ」です。シンプルにギターを弾きながら作った曲なんですけど、構成とかも全部頭の中でできあがっていて。それをメンバーに伝えながら作った曲ですね。今回のシングルは3曲とも打ち込みの音が多くて、生音と打ち込みの音が半々くらいの割合で入っているんです。言葉にするならば、今のストレイテナーが描くエモーショナルなダンスチューン3曲を詰め込んだのが今回のシングルですね。

──「CLARITY」は2007年にリリースされたアルバム「LINEAR」の1曲目に収録されていた楽曲です。なぜこのタイミングでこの曲にスポットを当てたんでしょうか?

ホリエ シンペイが「『CLARITY』をダンスアレンジにしたらどうだろう?」って2年くらい前から言ってて。

ナカヤマシンペイ(Dr)

ナカヤマ すごくいい曲なんだけど、ライブでやった回数が圧倒的に少ない曲なんです。

ホリエ 原曲の形はね、どうしてもライブではやりにくかったから。

ナカヤマ ずっと「もったいないな」と思っていて。「テナマニ」のアンコールではシングルに収録されてる新しいバージョンで演奏したんですけど、すごく反応がよかった。

ホリエ 原曲の「CLARITY」が収録されていた「LINEAR」は、僕らの中では転機となるアルバムだったんです。ただ意欲作であるがゆえに、波紋を呼んだアルバムでもあって。外からみたストレイテナーのイメージや当時のライブのスタイルからちょっと離れていた曲が多かったこともあって、ファンが付いてきにくかったアルバムだったんです。僕らの希望と結果が結び付かなかったのが「LINEAR」なんですけど、すごく大切な作品ではあるし、最近になって「『LINEAR』からストレイテナーを好きになりました」って人が意外と多いことを知るようになって。こうやって曲をブラッシュアップしてライブでまたやれるのはうれしいですね。

ストレイテナー
「The Future Is Now / タイムリープ」
2018年4月11日発売 / Virgin Music
ストレイテナー「The Future Is Now / タイムリープ」

[CD]
1080円 / TYCT-30073

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収録曲
  1. The Future Is Now
  2. タイムリープ
  3. CLARITY(DECADE ELECTRO MIX)
  4. The Future Is Now -instrumental-
  5. タイムリープ -instrumental-
  6. CLARITY(DECADE ELECTRO MIX) -instrumental-

ストレイテナー「Future Dance TOUR」

  • 2018年6月12日(火)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2018年6月14日(木)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2018年6月15日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2018年6月17日(日)新潟県 NIIGATA LOTS
  • 2018年6月23日(土)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2018年6月24日(日)大阪府 なんばHatch
  • 2018年7月7日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2018年7月14日(土)宮城県 Rensa
ストレイテナー
ストレイテナー
1998年にホリエアツシ(Vo, G, Piano)とナカヤマシンペイ(Dr)の2人で結成。2003年のメジャーデビューのタイミングで日向秀和(B)が加入。さらに2008年には元ART-SCHOOLの大山純(G)が加わり、4人編成に。2009年2月には4人編成となってから初めてのフルアルバム「Nexus」を発表し、同年5月にアルバムを携えてのツアーファイナルとして初の日本武道館公演を開催した。ホリエはソロプロジェクト・entとして、日向はNothing's Carved In Stone、EOR、killing Boyのバンドメンバーとしても活動するなど、各メンバーがさまざまなバンドやプロジェクトで活躍している。2016年5月にアルバム「COLD DISC」を発表。同年6月より計26カ所の会場を回る全国ツアー「Step Into My World TOUR」を開催し、ツアーのライブ映像を収めたライブBlu-ray / DVDを2017年3月にリリースした。バンド結成20周年のアニバーサリーイヤーとなる2018年には4月にニューシングル「The Future Is Now / タイムリープ」を、5月にニューアルバム(タイトル未定)を発表する。

2018年6月13日更新