ナタリー PowerPush - ストレイテナー
ライブDVDとニューシングルから浮き出るストレイテナーの“今”と“これから”
紆余曲折あったからこその絆の深さ
──DVD「NEXUS TOUR FINAL」にはツアーのドキュメント映像も入っていて、各地のライブや移動中の姿が映ってます。この映像を観て改めて思ったんですが、4人は本当に仲がいいなと(笑)。
大山 みんな寂しがりだよね。俺の見た感じだと、誰かひとりいないだけで寂しがる(笑)。
──この4人が本当に集まるべくして集まったということを、実感させられる映像ですよね。
ホリエ 奇跡と言ってもいいかもしれませんね(笑)。もちろんこれまでに紆余曲折あったからこその、絆の深さなんですけど。
──今回のDVDはドキュメント映像までを含めて、“今のストレイテナー”をうまく表しているなと思いました。実際のツアー中、特に印象に残ってることはありましたか?
ホリエ ドキュメント映像の中にも出てくるんですけど、高松を4人で散歩したんですよ。いつもはスタッフが誰かしら一緒にいて写真を撮ってくれるんだけど、そのときは本当に4人だけで、ほぼ純くんひとりがビデオカメラを回して。自分たちでカメラを回して電車に乗ったり、あのときの感じは面白かったですね。
──確かにあの場面の雰囲気が、今のストレイテナーを一番象徴してる気もしますね(笑)。
ホリエ ツアーで地方に行っても、メンバー散り散りなバンドが多いみたいだし。
大山 「今日は俺、別行動」というのを1回試みたんです。そのときに松山城を登ったんだけど、結局上で合流しちゃって(笑)。
──はははは。
大山 「いるし!」って。
ホリエ 僕ら3人は先に行ってたんですけど、「ここで4人で記念撮影したかった」という話をしてたら、まんまと来ちゃって(笑)。
新曲は「ストレイテナーを使って遊んでやろう」
──DVDと同時にニューシングル「CLONE / DONKEY BOOGIE DODO」も発売されます。今回の2曲はいつ頃できたんですか?
ホリエ 「CLONE」はツアー中に作って。「DONKEY BOOGIE DODO」は以前からあった作りかけのアイデアがもとになってます。
大山 「Nexus」の曲作りのときに、セッションだけは始めてたんですよ。
ホリエ 今回はアルバムのときよりも、もっと遊んでやろうという気持ちが強かったですね。「Nexus」がどっぷりストレイテナーの世界に浸かって作ったところがあったので、何にも囚われずに自然に湧いてくるものを形にしていきました。
──「DONKEY BOOGIE DODO」の作曲クレジットはホリエさんと大山さんの共作になってます。今までのストレイテナーとは、ちょっと違った雰囲気の楽曲ですよね。
大山 「ストレイテナーを使って遊んでやろう」みたいなイタズラ心から、ちょっと違ったことをやってみたんです。
ホリエ 曲の構成からアレンジまでを純くんが指揮して、僕はメロディを考えました。
──なんとなく「『Nexus』以降」がこの2曲から見えてくるような。今後の方向性だったり次の一歩というのは、もう見えていたりしますか?
ホリエ そうですね……なんでもアリだなという感じですね。
──思いついたらなんでもやってみよう、みたいな?
ホリエ 今はとりあえずやってみてっていうモードかな。
──そういえば、今回のシングルにはインストバージョンが初めて収録されてますよね。
ホリエ ストレイテナーは僕の中で、今までは歌ありきで聴かせるロックだったけど、最近は歌が入ったことでよく聴こえなかったパート/フレーズも聴かせたいと思うようになって。それと、若いバンドキッズたちが一生懸命コピーするときに、このインストがあるとコピーしやすいと思うんですよ。
新曲がライブを重ねてどう変化するのか気になる
──新曲作りではもっと遊んでやろうという話でしたが、もう次のアルバム用の曲は着々とできているんですか?
ホリエ まだですね。別のことに集中してるときはあまり新曲のことは考えないようにしていて、あるとき自然とアイデアが降りてくるんです。逆に純くんは家でギターを弾いているときにアイデアが出てくるみたいだけど。まだなにが起こるかわからないけど、「Nexus」というアルバムの後だけに、自由にやっていいんじゃないかなという気がしてます。
──今回の新曲2曲は期待感やワクワク感を煽るような内容ですしね。
ホリエ ぜんぜん理解不可能なところに行こうともしてないし、ある程度普遍的な音を作りたいと思っているので、逆にものすごくキャッチーな曲がいきなりできるかもしれないし、もしかしたら実験的なものになるかもしれない。自分たちで面白いと思うものは、みんなが聴いても面白いはずだと勝手に信じてやっていきます。
──この2曲が今までの曲とライブで混ざり合うことで、また違ったストレイテナーの姿が見えてきそうですね。
ホリエ 夏フェスでこの2曲を披露して、夏が終わった後にどういうリアクションが返ってくるのかな。リリース前に新曲を演奏するときって、お客さんは「どんな曲なんだろう?」とじっくり聴いてる感じなんです。そんな曲がフェスシーズン中にリリースされて、ライブを重ねていくとどう変化するのか気になりますね。
──フェスの場合は、ストレイテナー目当てじゃない不特定多数の人たちが目にする機会が多いですよね。そういう人たちにこの2曲がどういう感じで届くか、興味深いですね。
ホリエ 僕はもう「ストレイテナーってこういうバンドですよ」みたいな挨拶的なセットリストじゃなくてもいいんじゃないかと思ってたんですけど、よくよく考えたら4人になって初めての夏なんですよね。(ナカヤマ)シンペイ(Dr)とも「まだまだ挨拶なんじゃねぇか?」って話になったし。
大山 でも、あえて置き去りにする挨拶もあると思うけどね。せっかくだし、自分らが楽しめる方向がいいかな。
ホリエ 自分が別のバンドを観に行ったときに、ストレイテナーを観に来たお客さんの立場で観ちゃうときがあるんですよ。そうすると、「『KILLER TUNE』やってほしいよね」と思っちゃうし。
──はははは。
大山 俺だったら、やんなきゃちょっとキレるよ(笑)。
CD収録曲
- CLONE PV視聴はこちら
- DONKEY BOOGIE DODO
- CLONE -instrumental-
- DONKEY BOOGIE DODO -instrumental-
- CD-EXTRA VIDEO CLIP [Magic Blue Van]
DVD収録曲
- クラッシュ
- Ark
- Melodic Storm
- TODAY
- AFTER THE CALM
- PLAY THE STAR GUITAR
- Stilt
- FREE
- DISCOGRAPHY
- Lightning
- 奇跡の街
- LIVES
- 蝶の夢
- Black Hole
- POSTMODERN
- KILLER TUNE [Natural Born Killer Tune Mix]
- Little Miss Weekend
- Magic Blue Van
- ROCKSTEADY
- TRAIN
- SIX DAY WONDER
- イノセント
- ネクサス
- REMINDER
- YES,SIR
- MARCH
- Nexus Tour ドキュメント映像
CD収録曲
- DISCOGRAPHY
- The Novemberist
- STILT
- 泳ぐ鳥
- FREEZING
- Sad Code
- AGAINST THE WALL
- Black Hole
- Electricity
- ETRERNAL
ストレイテナー
1998年に結成。下北沢を中心にライブ活動を精力的に行う。ギター&ドラムというユニークな編成とUKロックやオルタナなどからの影響が伺えるサウンドが話題となり、2000年にはインディーズから音源をリリース。2003年からはベースに日向秀和が加わり、さらに広がりのあるサウンドへと進化を遂げる。同年10月にシングル「TRAVELING GARGOYLE」でメジャーデビュー。以後、多数のライブを続けながら、数々の名作をリリース。また、2007年の全国ツアーではバンド史上初となる規模の会場・幕張メッセで公演を敢行し、話題を集めた。2008年10月1日に新メンバー・大山純(G/ex.ART-SCHOOL)の加入を発表。新たに4人編成での活動をスタートさせた。