ナタリー PowerPush - ストレイテナー
ライブDVDとニューシングルから浮き出るストレイテナーの“今”と“これから”
昨年10月、大山純(G/元ART-SCHOOL)が加入し、新たに4人編成バンドとして生まれ変わったストレイテナー。今年2月のフルアルバム「Nexus」に続くアイテムとして、8月5日にライブDVD「NEXUS TOUR FINAL」と両A面シングル「CLONE / DONKEY BOOGIE DODO」がリリースされる。ライブDVDには「NEXUS TOUR」のファイナル公演となった5月8日の日本武道館公演が完全収録され、バンドの現在の姿を思う存分堪能することができる。また、ニューシングルにはアルバム「Nexus」以降のバンドのスタイルを投影。ストレイテナーのこれからを占う重要な1枚といえる。
今回ナタリーでは、メンバーのホリエアツシ(Vo,G)と大山純にインタビューを敢行。4人になって約1年を経た現在の心境や初の武道館ワンマンライブの感想、そしてニューシングルから見え隠れする“ストレイテナーの未来”について、じっくり語ってもらった。
取材・文/西廣智一 インタビュー撮影/中西求
過去の曲も4人になったことでより新鮮に
──4人になってツアーを2回経験しましたが、当初思い描いていたバンドのイメージに近づけましたか?
ホリエ レコーディングに関しては、思い描いていたものはクリアできたかな。4人になった最初の頃は「すげぇっ!」と自分たちでも思ってたけど、それが当たり前になると今度は自分たちでさらにハードルを上げていって、その都度「すげぇ!」「ダメだ」の繰り返しですね。
──大山さんはストレイテナーとして一緒にやってみての手ごたえはどうですか?
大山 「Nexus」ツアーのときは特に、自分は本当にストレイテナーでやってるんだなという実感が強かったですね。
──ライブではギターが2本になったことで、過去の曲でもアレンジを変えたりしていますよね。それによって、バンドがさらにひとつ高いステージに到達したなという気がしました。
ホリエ 俺がひとりでギターを2本ダビングしたのとはぜんぜん違った感触で、新鮮ですよね。ただ音源どおりに再現できるようになった以上の変化があるし。
──曲によってホリエさんがキーボードを弾いたり、あるいは大山さんが弾いたりしてましたが、そういう役割分担はどうやって決めたんですか?
大山 その曲で自分が何をするべきなのかということを、思いつきで決めてます。
──その結果、バンドサウンドに広がりが生まれて、いい影響が出てますよね。
ホリエ 今のところはいい感じですね。
武道館ライブは「おめでとう」に直結している
──ストレイテナーが武道館でワンマンライブを行うのは今回が初めてでしたが、感慨深いものがありましたか?
ホリエ 武道館ライブが決まったときは、周りの人からの祝福がすごかったですね。そういう意味では、武道館は記念的な意味合いが強いかな。
大山 うちの親が喜びましたね。
──そうか、武道館はみなさんの親御さん世代でも知ってますものね。そういう人たちからすると、武道館でライブをすることがステータスみたいなイメージがあるし。
ホリエ 俺もいろんなバンドを武道館で観てきたけど、憧れという感じじゃないんですよね。バンド始めた頃の夢は渋谷CLUB QUATTROだったし(笑)。武道館ライブは、イコール「おめでとう」に直結してるんですよ。普通は大きい会場でのライブが決まっても、なかなか「おめでとう」とは言われないですからね。
──確かに、横浜アリーナや幕張メッセでやるといっても「おめでとう」には直結しないかも。
ホリエ 「そこってデカイんでしょ?」くらいで。
大山 幕張だと「すごいね」だけど、武道館は「おめでとう」なんですよね。
ホリエ 特に俺よりも上の世代の人からは、握手を求められたし(笑)。
──はははは。
ホリエ 3つ年上の人に永ちゃんファンがいて、すごい興奮してましたよ。
クラシックのコンサートみたいな余韻
──実際にステージに立って、いつもと同じようにライブをすることができましたか?
大山 武道館ライブであると同時にツアーファイナルでもあったので、気合いを入れて「ツアーを完璧に終えるぞ、いいプレイするぞ」という気持ちが強かったですね。でも、ステージに立って壁のような客席を観たときにガチガチになって、中盤までは必死だったような気がします。
ホリエ 演奏に関してはツアーのうちの1本ということで、セットリストの流れも小さいライブハウスと基本的には同じなんです。でも、今の4人のストレイテナーが見せることができる風景と聴かせることができる音が、武道館にすごくハマって。だからまったく一緒ではないだろうし、このライブにしか出せないものが出てると思いますよ。
──確かにこの武道館の映像は、観ていて引き込まれる説得力や魅力があって。それは映像のパワーやみなさんの演奏力もありますが、やはり武道館ならではの独特な雰囲気も大きいのかなという気がします。DVDでもエンドロールが流れた後にもう1曲、「MARCH」が演奏されて。あの構成は本当に映画のエンディングみたいですよね。
ホリエ すごくいい映画を観たときって、エンドロールが流れ終わって電気が点くまで余韻に浸っちゃうじゃないですか。それくらいのライブを自分たちもできてたらいいなと、つねに思ってます。今回は「MARCH」が終わった後、歓声ではなくて拍手だけがサーっと響いたのがクラシックのコンサートみたいで、個人的にはしてやったりという感じでした。
CD収録曲
- CLONE PV視聴はこちら
- DONKEY BOOGIE DODO
- CLONE -instrumental-
- DONKEY BOOGIE DODO -instrumental-
- CD-EXTRA VIDEO CLIP [Magic Blue Van]
DVD収録曲
- クラッシュ
- Ark
- Melodic Storm
- TODAY
- AFTER THE CALM
- PLAY THE STAR GUITAR
- Stilt
- FREE
- DISCOGRAPHY
- Lightning
- 奇跡の街
- LIVES
- 蝶の夢
- Black Hole
- POSTMODERN
- KILLER TUNE [Natural Born Killer Tune Mix]
- Little Miss Weekend
- Magic Blue Van
- ROCKSTEADY
- TRAIN
- SIX DAY WONDER
- イノセント
- ネクサス
- REMINDER
- YES,SIR
- MARCH
- Nexus Tour ドキュメント映像
CD収録曲
- DISCOGRAPHY
- The Novemberist
- STILT
- 泳ぐ鳥
- FREEZING
- Sad Code
- AGAINST THE WALL
- Black Hole
- Electricity
- ETRERNAL
ストレイテナー
1998年に結成。下北沢を中心にライブ活動を精力的に行う。ギター&ドラムというユニークな編成とUKロックやオルタナなどからの影響が伺えるサウンドが話題となり、2000年にはインディーズから音源をリリース。2003年からはベースに日向秀和が加わり、さらに広がりのあるサウンドへと進化を遂げる。同年10月にシングル「TRAVELING GARGOYLE」でメジャーデビュー。以後、多数のライブを続けながら、数々の名作をリリース。また、2007年の全国ツアーではバンド史上初となる規模の会場・幕張メッセで公演を敢行し、話題を集めた。2008年10月1日に新メンバー・大山純(G/ex.ART-SCHOOL)の加入を発表。新たに4人編成での活動をスタートさせた。