「What is Love」を聴くと覚醒して眠れなくなる

──MOMIKENさんの作詞作曲による「What is Love」は、濃密でアグレッシブなロックチューン。この曲もめちゃくちゃ個性的ですね。

MOMIKEN　ありがとうございます。自分の中の“中二感”をモリモリに詰め込んだ曲ですね。

KENTA　リズムも詰め込み過ぎてて、デモを聴いたときは「これ、人間じゃ叩けないよ」という状態だったんですよ（笑）。

IKE　リズムもすごいことになってるし、この曲を聴くと覚醒しちゃって、眠れなくなるんですよ（笑）。MOMIKENらしさがすごく出てるし、ドSな曲だなって。

UZ　ドSなんだ？（笑）

IKE　メロディラインもそうなんだけど、休むところがないんだよね。サビのメロディも一発大きいのが来るんじゃなくて、最後まで押し寄せてくる感じがあって。

KENTA　キーも高いしね。

MOMIKEN　もちろんIKEのトップのキーは知ってるんだけど、「ただそこに合わせて作ればいいってもんじゃないんだな」と学びました。一番高いキーでこのメロディを歌い続けるのは無理だったんですけど（笑）、それもわかってなかったんですよ。

──作曲してみて初めて気付いた？

MOMIKEN　はい。今まではUZが送ってくれたメロに言葉を乗せて、それをIKEが歌って。全部ナチュラルにやれてたんですけど、自分で作ってみると「これじゃダメなんだな」と気付くこともありましたし。学びましたね、ホントに。

UZ　すごくいい曲だけどね。最初に聴いたとき「ロックなヤツが来た」と思ったし、そういう曲を求めてたところもあったので。これがSPYAIRの新しい“らしさ”になったらいいなと。

曲への口の出し方は子育てみたい

──そして「La la la...」は、IKEさんとMOMIKENさんの共作ですね。

IKE　ちょっとだけ参加させてもらいました（笑）。サビのメロディを作ったんですよ。

MOMIKEN　オケとコードを渡して、トップのメロディをつけてもらって。

IKE　少しでもいいから曲作りに関わりたかったんですよね。さっきも話に出てたけど、全員が作詞作曲に参加することが、このアルバムの意義でもあったので。ただ、俺はやっぱり歌うのが好きなんですよね。作るのはもういいかな（笑）。

MOMIKEN　ホントに作るのが苦手みたいなんですよ。「La la la...」のオケを渡してから数カ月経ってもメロができなくて。「どう？」って聞くたびに落ち込むという（笑）。

UZ　前はすごく言ってたんですけどね、「制作に参加したい」って。

IKE　無理でした（笑）。さっきUZが「誰でも作れる」みたいなことを言ってたけど、そんなのウソです。音楽は魔法です（笑）。

──（笑）。この曲はすごくロマンティックなラブソングですよね。

IKE　MOMIKENにデコレーションしてもらいました（笑）。

MOMIKEN　以前にも一緒に歌詞を書いたことがあったので、IKEがどういう感じで書いてきて、どこまで手を貸せばいいかもだいたいわかっていて。とにかく生き生きと曲を作って歌詞を書いてほしかったので、「ここまでやってくれたら、あとは手伝うよ」という話をして。

IKE　超優しいんですよ、MOMIKENは。

MOMIKEN　（笑）。UZみたいに口を出さないのも正解だとも思うし、自分のやり方が正しいとは思ってないんですけどね。

UZ　確かに考え方はまったく違いますね。俺は1mmも手を出さず、自分でやり切るほうがいいと思っていて。でも、自分で歌詞を書いたときにMOMIKENの優しさに救われたこともあるし、どっちも間違ってないんですよ。

KENTA　MOMIKENとUZの違いって、子育ての話みたいだね（笑）。

IKE　ホントだね（笑）。口を出すのも正解、出さないのも正解っていう。

──（笑）。でも、しっかりIKEさんの色が感じられる曲になってますよね。

IKE　最高ですね。こんなに素敵に仕上がって、“ありがとう”という感じです。曲が生まれると、自分の中で新しい感情が増える感覚があるんですよ。今回のアルバムでもいろんな感情がパッケージできたし、ライブで歌えるのが楽しみです。ステージでやってみないと、その曲の実力はわかんないですからね。配信ライブ（1月31日に開催された「SPYAIR digital LIVE RE:10th Anniversary〜KICK OFF〜」)で「One Day」「轍〜Wadachi〜」の実力はわかったけど、まだライブでやってない曲も多いので。

──「One Day」「轍〜Wadachi〜」のライブでの盛り上がり、すごかったですよね。

UZ　特に「轍〜Wadachi〜」はよかったですね。ファンが待ってた感じも伝わってきたし、テンポ的にもやりやすくて。もちろん「銀魂」の力も大きいんでしょうけど、この先もライブでやっていきたい曲になりました。

──アルバム「UNITE」が起点となって、次のフェーズに進めそうですね。

IKE　そうですね。アルバムができて、ツアーも決まって。前進の兆しですよね。

KENTA　ツアー、楽しみですね。去年から今年にかけては「お客さんが声を出せない」という壁があったんですけど、次のツアーは新しい曲が増えるし、また違う壁が立ちはだかると思うんですよ。状況も変化するだろうし、しっかり準備したいなと。

MOMIKEN　お客さんを入れられる数も徐々に増えてきて、やれることも広がって。1つひとつが“今しかない”ことばかりだし、悲観しないで、全部を楽しんでやりたいと思ってます。

UZ　夏には「JUST LIKE THIS」（毎年恒例の富士急コニファーフォレスト野外ライブ）もやりたいし。ゆっくりでもいいから、1つひとつの活動を楽しみたいですね。

ツアー情報

SPYAIR ALBUM TOUR 2021 -UNITE-

2021年4月4日（日）東京都 Zepp Haneda
2021年4月11日（日）大阪府 Zepp Osaka Bayside
2021年4月18日（日）愛知県 Zepp Nagoya
2021年4月25日（日）福岡県 Zepp Fukuoka
2021年4月29日（木・祝）北海道 Zepp Sapporo
2021年5月1日（土）宮城県 SENDAI GIGS
2021年5月4日（火・祝）東京都 Zepp DiverCity TOKYO

SPYAIR「UNITE」: 2021年3月31日発売 / Sony Music Associated Records; 初回限定盤 [CD+DVD]
税込6900円
AICL-4038～9

Amazon.co.jp; 通常盤 [CD]
税込3000円
AICL-4040

Amazon.co.jp

収録内容

CD収録曲

I Wanna Be...［作詞：MOMIKEN / 作曲・編曲：UZ］
轍～Wadachi～［作詞：MOMIKEN / 作曲：KENTA / 編曲：KENTA、tasuku］
PRIDE OF LIONS［作詞：MOMIKEN / 作曲：UZ / 編曲：UZ、tasuku］
INSIDE OF ME［作詞：MOMIKEN / 作曲：UZ / 編曲：UZ、tasuku］
iris［作詞・作曲：MOMIKEN / 編曲：MOMIKEN、tasuku］
B-THE ONE［作詞：MOMIKEN / ラップ詞：TEEDA（BACK-ON） / 作曲：UZ / 編曲：UZ、tasuku］
We'll Never Die［作詞：MOMIKEN / ラップ詞：UZ / 作曲：UZ / 編曲 : UZ、tasuku］
Get over it［作詞：KENTA、MOMIKEN / 作曲：KENTA / 編曲：KENTA、tasuku］
One Day［作詞・作曲：MOMIKEN / 編曲：MOMIKEN、tasuku］
STORY［作詞・作曲：KENTA / 編曲：KENTA、tasuku］
What is Love［作詞・作曲：MOMIKEN / 編曲：MOMIKEN、tasuku］
La la la...［作詞・作曲：IKE、MOMIKEN / 編曲：MOMIKEN、tasuku］

初回限定盤DVD収録内容

SPYAIR digital LIVE 2020.7.18

現状ディストラクション
WENDY ～It's You～
イマジネーション
BEAUTIFUL DAYS
My Friend
INSIDE OF ME
LIAR
ジャパニケーション
RAGE OF DUST
サムライハート（Some Like It Hot!!）
SINGING

Music Video & Making of Music Video

I Wanna Be...
One Day
轍～Wadachi～
I Wanna Be...［Making of Music Video］
One Day［Making of Music Video］
轍～Wadachi～［Making of Music Video］

SPYAIR（スパイエアー）: 2005年に愛知県で結成された、IKE（Vo）、UZ（G, Programming）、MOMIKEN（B）、KENTA（Dr）の4人からなるバンド。地元名古屋の野外ライブでキャリアを重ね、2010年8月にシングル「LIAR」でメジャーデビュー。数多くのアニメとのタイアップ曲を発表し、2012年12月には初の日本武道館ワンマンを成功のうちに収めた。2014年5月にIKEの喉のトラブルにより活動を停止するが、同年12月に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて行ったワンマンライブで本格的に活動を再開。以降はアリーナおよびホールツアーのほか、山梨・富士急ハイランド・コニファーフォレストで野外ワンマン「JUST LIKE THIS」を毎年開催するなど、精力的にライブを行っている。2018年には初のワールドツアーも行った。2020年に結成15周年、メジャーデビュー10周年を迎え、11月にテレビアニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」第2クールエンディングテーマのシングル「One Day」を、2021年1月にアニメ映画「銀魂 THE FINAL」主題歌を含む新作CD「轍～Wadachi～」をリリース。3月にニューアルバム「UNITE」を発表する。