スペースシャワーが誇る良質な音楽動画コンテンツが集結した、音楽専門動画配信サービス「スペシャオンデマンド」。昨年始動したこのサービスでは、スペースシャワーTVで放送された過去の番組のアーカイブやオリジナルコンテンツを約400本楽しむことができる。
音楽ナタリーではスペースシャワーTVプラスでレギュラー番組「真田・森田のローカルデリバリー」を持つ7ORDERの真田佑馬と森田美勇人に、「スペシャオンデマンド」の魅力やオススメの番組を語ってもらった。
取材・文 / 中川麻梨花写真 / 関口佳代
フェスの楽しみ方は「ラブシャ」で学んだ
──昨年から7ORDERとスペースシャワーTVの関わりが増えましたよね。
真田佑馬 そうですね。去年の9月から僕たち2人で「真田・森田のローカルデリバリー」という番組をやらせてもらっていて。7ORDERとしても撮り下ろしの特番を組んでいただいたり、スペシャさんには本当にお世話になっています(2021年7月に「7ORDERの始まりテレビ」、2022年2月に「7ORDER / QUESTION?」が放送された)。もちろんそれまでもスペースシャワーTVの番組を視聴者として楽しませてもらっていましたし、ほかにも「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」の公開収録を観に行ったり、「SWEET LOVE SHOWER」に遊びに行ったり、一方的にスペシャさんには馴染みがあったんです。「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」は美勇人とモロ(諸星翔希)と3人で観に行ったんですけど、すごく豪華な祭典だったなあ。
──その年を代表するようなアーティストさんが集う祭典ですよね。
真田 僕たちが行ったときはRADWIMPSやWANIMAが出演されていました。
森田美勇人 星野源さんやあいみょんさんも出演されてたよね。
真田 うん、4時間たっぷりと観させてもらいました。個人的には、「BEST VIDEO DIRECTOR」としてミュージックビデオの監督さんも取り上げているところが素敵だなと思ったんです。その年はKID FRESINOの「Coincidence」などを手がけている山田智和さんが受賞されていて。
──真田さんは大学時代に映像関係について学んでいたからこそ、やはりそこは気になりますか。
真田 そうですね。僕はメジャーもインディーズも関係なく、素晴らしいものは世に出て評価されるべきだとずっと思っていたので、当時アワードを観覧しながら「こういう賞があるのは素敵だなあ」と感じていました。
──7ORDERも今後「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」の表舞台に立つことがあるといいですよね。
真田 どの部門なら受賞できるんだろう?
森田 7ORDERに有利な部門を作っていただきたいですね。“なんでもやる賞”とか。
真田 “幅広いで賞”とかね。ダジャレになってきちゃってる(笑)。
──「SWEET LOVE SHOWER」もメンバーの皆さんで行かれたんですか?
森田 僕、真田、モロ(諸星翔希)、やっさん(安井謙太郎)、ながつ(長妻怜央)の5人で行きました。
真田 レンタカーを借りてみんなで代わりばんこで運転しながら山梨に行ったよね。あの旅は伝説しかない(笑)。まず、行く途中で海老名のサービスエリアに寄ったら、ヒッチハイクをしている大学生がいて、「乗せてください」と言われて。
森田 あったあった(笑)。
真田 僕らもフェスに行くモードでテンションが高くなってたから「乗ってけ!」って(笑)。「俺らは『ラブシャ』に行くんだけど」って言ったら、「山梨には行きたいから、山梨で降ろしてください」ということで。「君は何してるの?」とか話しながら、海老名から山梨まで乗せていきましたよ。
森田 (笑)。会場に着いたあとはひと通り回って、いろんなアーティストさんのライブを観ましたね。SiMのMAH(Vo)さんに「座れ!」って言われて、慌てて座ったり(SiMの代表曲「KiLLiNG ME」ではオーディエンスが一度座って、MAHの合図で一斉に跳ぶ)。
真田 当時、僕たちはロックフェスの作法があまりわからなくて。周りのお客さんがみんな「ウォウウォウ」って歌ってるから、僕たちもとりあえず手を上げようみたいな。
森田 みんなでやったね(笑)。
真田 そういうフェスの楽しみ方は「ラブシャ」で学びました。それまでみんなでフェスに行ったことはなくて。「いいなあ」「こういう曲があったらいいよね」みたいな話をしたのは覚えています。お客さん側でライブを観るのはすごく大切だなと思いました。
森田 それこそフェスでお客さんがやってるツーステップという動きを、自分たちのダンス曲に入れてみる?ということになって。7ORDERの「Perfect」のダンスは、実は「ラブシャ」のお客さんが踊ってたツーステップからきているんです。
──「Perfect」のシャッフルダンスのようなサビのステップはとても印象的ですが、まさかツーステップが起源になっていたとは。
森田 僕たちはバンドもやるので、バンドのファンの方々の動きをダンスに取り入れられないかなって。
真田 まず「ツーステップってどうやってやるんだ?」というところに3時間くらいかかったよね。
森田 うん、めっちゃ調べた。
真田 みんなでSiMの曲を流しながら1回やってみるという(笑)。
──(笑)。7ORDERもフェスに似合う曲が増えてきてるので、出演者として「ラブシャ」に参加する機会があるといいですね。
真田 「Love shower」という曲もありますしね。思い出深いフェスなので、ぜひ呼んでいただけたらうれしいです!
気負わず、ナチュラルに収録してました
──レギュラー番組「真田・森田のローカルデリバリー」のお話もぜひ聞かせてください。昨年InterFM897で放送されていたお二人のラジオ「真田・森田のPIZZA WAVE」を、スペースシャワーTVの関係者の方がたまたま聴いていらっしゃったことがきっかけで声がかかったんですよね(参照:コラム「7ORDER真田佑馬&森田美勇人が日本に笑顔を届けるための記録 ~PIZZA WAVE'S NOTE~ 音楽ナタリー編」)。
真田 そうなんです。スペースシャワーTVのプロデューサーの方がラジオを聴いてくださっていて、それで番組をやらないかとお話をくださったんです。
森田 InterFMの現場までプロデューサーさんが来てくださって、その場で打ち合わせをしました。
──「真田・森田のローカルデリバリー」はお二人がさまざまな土地を訪れて、地方創生に取り組む方々の様子を発信するという地域応援バラエティ番組です。「PIZZA WAVE」も「地域活性化」をテーマにした番組だったので、ラジオからの自然な流れでテーマが決まったんでしょうか?
森田 そうです。プロデューサーさんからも地域を応援できるようなことがしたいというお話があって、ちょうど僕らとマッチして。
真田 ラジオからのつながりで、実際にいろんな地域に行けたらいいなというところで、「ローカルデリバリー」という名前も決まりました。
──先日、ナタリーの「スペシャオンデマンド」の特集にマキシマム ザ ホルモンのダイスケはんさんとナヲさんにご登場いただいたのですが、ダイスケはんさんがオススメの番組に「ローカルデリバリー」を挙げていらっしゃいました(参照:「スペシャオンデマンド」の魅力をマキシマム ザ ホルモンのダイスケはん&ナヲが熱弁)。
真田 えー! ダイスケさん!
森田 うれしい!
──特に千葉県富里市のベジフルファームでメタル曲を浴びながら育てられた“メタル小松菜”にスポットを当てた第1回がとても面白かったとのことで。
森田 メタル小松菜、最高ですよね。僕らは東京生まれということもあって、それまで農業の世界を知る機会があんまりなかったんです。だけど実際に現場に行ってみて、農業の大変さや実態、メタル小松菜が生まれた背景を知って、僕自身すごく勉強になりました。
──笑えるようなバラエティ要素がありつつ、学びの多い番組ですよね。ダイスケはんさんも「毎回訪れた先の方々にどんな思いでやってるかといったお話を伺っていて、すごく感銘を受けました。特に1回目はバカバカしさもありながら、メッセージ性もちゃんとあって、いちいち頷きながら観てました」とおっしゃっていました。
真田 そんなふうに言ってもらえて、逆に恥ずかしい(笑)。ダイスケさんは優しいなあ。
森田 僕らが刺したい視聴者層にダイスケさんがいました(笑)。
真田 メタル小松菜もオススメなんですが、この記事を読んでくださった人には大阪府阪南市にある牡蠣の養殖を営む会社・漁師鮮度を訪れた第5回もぜひ観ていただきたいです。この回には牡蠣好きのモロも参加していて。モロの魅力があふれる回になってるんじゃないかなと思います。彼は「牡蠣小屋で働こう」って本当にセカンドライフを考えていましたから。
森田 真剣に考えてたよね。
真田 僕は大阪で牡蠣を養殖していることも知らなかったので、そういう意味でもいろんなことを知れて面白かったです。個人的にはオススメの回ですね。
──全8回ということで、番組は4月に最終回を迎えますが、振り返ってみていかがですか?
森田 バラエティ番組となると普段は張り切ることもいっぱいありますけど、「ローカルデリバリー」は気負わず、ナチュラルに収録してました。純粋に楽しめましたね。
真田 うん、「面白くしよう」ってあんまり考えずに自然に収録できたよね。あと、地域の方々のおしゃべりがすごく上手でびっくりしました。バラエティやってました?というくらい。キャラクターも素敵で、逆に僕たちが助けていただきました。静岡県浜松市で不動産事業を手がける会社・365BASE outdoor hostel Hamamatsuを訪れた第6回の撮影では、なぜか会社の方にカメラのレンズをいただいたりもして。僕、ずっと探しているレンズがあったんですけど、それが中古でも売ってなくて。その話をしていたら、会社の方が「持ってるからあげるよ」と言ってくださって、今も使わせていただいています。人間って優しいなあと言いながら帰った記憶があります(笑)。
森田 地方の方々、本当に優しいよね。
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