ナタリー PowerPush - Sound Schedule

デビュー10周年を機に再結成 独占取材ですべてを語る

再結成プロジェクトの始まり

──再結成の話が持ち上がったのはいつ頃、どんないきさつで?

川原洋二(Dr, Key, Cho)

川原 言い出したのは僕です。「もう一度やってもいいかな」と思えた一番のきっかけは1年ぐらい前、沖が昔在籍してたバンドの解散ライブに出演して、それを僕が観にいったこと。

 そのバンドは僕が脱退した後も続いていたんですけど、解散するタイミングで「最後のライブ、いい機会だから一緒にやらない?」と言われてOKしたんです。そしたら当日なぜか川原くんが来ていて、ビックリしました(笑)。

川原 このインターネットが進んでる世の中なのに沖裕志情報ってホントにわからなかったんですけど(笑)、ごくわずかなところからライブに出るらしいという情報をキャッチしたので、これは観に行かなと思って。あ、これは別に再結成云々ではなく単に観たいと思って行ったんですけど、相変わらずなベースを弾いてる彼を見てどこか安心したんです。で、それをすぐ大石に報告しましたね。

大石 僕は自分のライブがあって行けなかったんですけど、ライブ直後に電話がかかってきて、川原くんが真っ先に言った言葉が「沖裕志は、やっぱりいつまで経っても沖裕志やったわ」(笑)。

 それ、100%ほめてないよね(笑)。まあ当たり前なんだけど、音楽やってなかったからそりゃあ成長してないんだけど。

大石 いやいや、ほめてると思うで? 確かその一言だけ言って切ったんですよ。

──それは名言ですね(笑)。そもそも、川原さんはなぜこのタイミングで再結成を考えたんですか?

川原 理由は先程話したとおり、まだ思ってくれている人のために何かをお返ししたいなっていう気持ちがあったからです。時期は、今年がメジャーデビュー10周年なので。僕ら1999年に結成して2001年にメジャーデビューしたんですけど、2009年の「結成10周年」か2011年の「デビュー10周年」を逃してしまうと、おそらく3人で演奏することはもうないやろうなと思って。で、2009年は逃してしまったので今回しかないと思い、2010年の末ぐらいに「っていうことを考えてるけど、どう?」って2人に電話で話しました。

川原からの電話を受けて

──電話を受けたお2人はいかがでしたか?

大石 僕は普通に頭に入ってきましたね。というか、ぶっちゃけ前々からそんな空気を感じていて、川原くんからもチラッと話を聞いていたんです。さらにファンの方からも、今年に入って以来「サウスケデビュー10周年ですね」みたいなメッセージをたくさんもらっていたし、何か動きたいなとは思っていたので、変な話準備はできていたというか。

──先程おっしゃっていたコンプレックスの部分は大丈夫だったんですか?

大石昌良(Vo, G)

大石 確かにちょっと前だったら「まだ僕はそのタイミングじゃないんで」と言って断っていたかもしれないんですけど、自分の中である種のボーダーラインを超えたような気がして。というのも、ここまで成長できた今の自分なら、別の場所で音楽活動をしたり、もう一度バンドに戻ることも受け入れられるなと思ったんです。躍起になって家を飛び出したあとって帰るのが怖かったり、ためらったりしますけど、もう家を出てそこそこ旅してきたんで、お土産話を持って堂々と帰れるなと。そういう意味では、さっき言ったようなコンプレックスはなく自然に戻ってこれた気がします。

──じゃあ同じ家でも昔とは違う心持ちでいられるわけですね。

大石 はい、全然違いますね! 前はバンドが僕のアイデンティティだったけど、今は自我をしっかり持ってる。だから何をやっても、大石昌良という1人の人間を照らすスポットライトが変わるだけだと思うんです。Sound Scheduleというバンドだったり、ソロだったり、ほかのミュージシャンとのセッションだったり。そうやってスポットライトが違うことで自分のシルエットもどんどん変わって、いろんな形を人に楽しんでもらえたらいいなあと。そう思えるほどの自信が身に付いて、周りの囲いは関係ないという気持ちも強くなったのかな。

──沖さんはどうでしたか?

 僕は話を聞いた後、「全然できますけど、僕の技術力は低いですよ。一般人ですよ?」って答えましたね(笑)。「大丈夫やで」と返されましたけど。

川原 ただ、その「大丈夫やで」の裏に「けど練習はしとけよ」っていう雰囲気は感じたと思いますけどね(笑)。「人の前に出んねんぞ」っていう。

大石 そしたら、3人で久々にスタジオ入ったときに一番演奏できたのが沖くんだったっていう(笑)。

──あははは(笑)。練習されたということですか?

 いやあ、普通にシングル曲とかをさらっておいたぐらいですよ。

大石 俺らが「ここコード何やったっけ?」「ここのフィル何やったっけ?」とか言ってる最中、沖くんだけベベベベンッ!! って弾きまくってましたよ(笑)。

ニューアルバム「PLACE」 / 2011年9月14日発売 / 価格未定 / YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS / YCCL-10008

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CD収録曲
  • 新録曲
  • ピーターパン・シンドローム(remix)
  • 恋い焦がれ
  • 君のためにできること

ほか全10曲収録予定

復刻配信リリース「ここからはじまるストーリー」 / 2011年7月13日発売 / アルバム1800円 / 1曲200円(ともに税込) / YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS

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CD収録曲
  1. スパイス
  2. ゴールデン・ナイト
  3. HANABI
  4. きっととどかないだろう
  5. 竜巻
  6. 愛のかたち
  7. Out side way
  8. 太陽の国
  9. 傷だらけの少年
Sound Scheduleライブツアー「PLACE」
  • 2011年9月17日(土)
    東京都 WWW
    OPEN 17:30 / START 18:00
  • 2011年9月19日(月・祝)
    大阪府 心斎橋JANUS
    OPEN 17:30 / START 18:00
  • 2011年9月23日(金・祝)
    愛知県 名古屋ell.SIZE
    OPEN 17:30 / START 18:00
Sound Schedule(さうんどすけじゅーる)

大石昌良(Vo, G)、沖裕志(B, Cho)、川原洋二(Dr, Key, Cho)による3ピースロックバンド。1999年、大学の軽音楽部で知り合い結成。アマチュア時代は神戸や大阪を中心に活動。2001年にシングル「吠える犬と君」でメジャーデビューを果たす。関西のラジオ番組で人気を獲得し、デビューイベントには1500人が集まり話題となる。以降シングル8枚、アルバム3枚をリリースし、2006年に惜しまれながら解散。その後大石はソロアーティストとして活動する。2011年、デビューから10年を機に期間限定で再結成。ニューアルバム「PLACE」リリースのほか全国ライブツアーを行う。