「心做し」の対となる曲
──蝶々Pの書き下ろし曲「証として」は、Souさんの“歌ってみた”の人気曲の1つである「心做し」の“対となる曲”と紹介されています。
今回のアルバムを作るに当たって、「心做し」は思い入れの強い曲なので、絶対に入れようと思っていて。「心做し」を入れたうえで、もし可能であれば蝶々Pさんに「心做し」のアンサーソングというか、続きのような曲を書いてもらえないかなと思い付いたんです。「心做し」という曲はいろんなボーカリストが歌っている曲だし、僕なんかが書き下ろしでそんなお願いをしていいか悩んだんですけど、「断られたら断られたでいいや」と思ってオーダーしてみたら……。
──蝶々Pさんは“対となる曲”を書いてきた。
快く引き受けていただいて、本当にうれしかったですね。「証として」という曲を最初に聴いたとき、ちょっと驚いたんですよ。「対となる曲」ですからアプローチが違うのはわかりきっていたんですけど、「心做し」のイメージとかなりかけ離れていて。
──「心做し」のサウンドを思い浮かべながら聴くと、いい意味で裏切られる感じがありますね。
僕も最初は「心做し」の別目線のような曲なのかな、と思っていたんですよ。もちろんいろんな解釈があるので、あくまで僕の解釈ではあるんですけど、「心做し」では描かれていなかった“救い”が描かれた曲なのかな、と僕は思いました。肯定の曲というか、前に進んでいけるような曲を書いていただいて、なんだか僕の背中を蝶々Pさんに押していただいたような気がしたんです。最強の曲を書いていただいて、胸が熱くなりましたね。
──アルバムには「心做し」も収録されています。この曲は、Souさんのキャリアを語るうえでも重要な曲ですよね。
はい。「心做し」で僕のことを知ってくれた人がすごくたくさんいますし、こんなにたくさんの方に聴いてもらえるとは思っていなかった1曲でもあります。最初に “歌ってみた”をアップした頃の自分は、あまり曲の解釈を考えすぎず、直感的に歌っただけだったんです。でもそれが注目されて、イベントでも歌うようになり、ある意味「心做し」で一人前だと認めてもらえた部分が大きいと思うんですよね。おそらく最初に歌ったときとは、曲の解釈がかなり変わったと思います。
作風がないのが強み
──8月には初のワンマンツアーが控えていますが、どんなライブになりそうですか?
そもそもワンマンツアーを開催するのが初めてだし、アルバムを携えたワンマンをやるのも初めてなんですよ。だから自分でもどういうライブになりそうかよくわかってなくて(笑)。
──アーティストさんによってはライブでの表現や演出にものすごくこだわる方もいますが、Souさんはライブではあまり難しいことを考えずに、単純に自分の知ってる曲で盛り上がってほしいんですよね。
今回はアルバムのツアーなので、アルバムさえ聴いてもらえればきっと楽しんでもらえると思います。なので、アルバムで予習してきてください。
──今後の活動について、Souさんはどういうビジョンを持っているんですか?
「誰々みたいなアーティストになりたい」というのはあまりないんですよね。1つ思いとして強いのは、「愚者のパレード」「ノイド」のような、自分の曲をどんどん作っていきたいということ。ただ、だからといって“歌ってみた”を辞めるようなことはしたくないんです。“歌ってみた”を続けながら、そこにプラスして自分の曲もどんどん増やしたい。今まで曲を作ってきていない分、今の僕にはまだ作風のようなものがないので、もしかしたらそこが強みになるかもしれなくて。いろんな曲が作れるぞって意気込んでます。
──オリジナル曲に対する思いはかなり強いんですね。
作ってるときはすごく悩んで「もうダメだ」って思うんですけど、完成すると「最高の曲になった」と感じるんですよ(笑)。
──ライブと同じでSouさんは達成感に弱いかもしれないですね(笑)。
そうかもしれないです。「終わりよければすべてよし」と思っちゃうんですよね。ツアーに向けても今は心配事が多いんですけど、きっと終わったら「次のツアーはどうしようかな」と考えてると思います。
ツアー情報
- Sou 2019 Summer Tour「深層から見た景色」
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- 2019年8月1日(木)愛知県 THE BOTTOM LINE
- 2019年8月6日(火)大阪府 BIGCAT
- 2019年8月19日(月)東京都 ステラボール
※特集公開時、リード文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
- Sou「深層から」
- 2019年7月31日発売 / Virgin Music
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初回限定盤A [CD+DVD]
2916円 / TYCT-69156 -
初回限定盤B
[CD+ブックレット]
2916円 / TYCT-69157 -
通常盤 [CD]
2484円 / TYCT-69158
- CD収録曲
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- 愚者のパレード
- トーキョーゲットー
- ハングリーニコル
- 鯰
- flos
- ノイド
- シンソウ
- 波に名前をつけること、僕らの呼吸に終わりがあること。
- エリカ
- グレイの海
- Q
- 心做し
- 証として
- 初回限定盤A DVD収録内容
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- 「愚者のパレード」MUSIC VIDEO
- 「ノイド」MUSIC VIDEO
- Sou(ソウ)
- 2013年に動画共有サイトに歌唱動画を投稿し、シンガーとしての活動をスタートさせる。 2015年に投稿した動画「【爽快に】右に曲ガール 歌ってみた ver.Sou」は、ニコニコ動画内で222万回以上再生(2019年7月現在)されるなど、大きな注目を集める。同年12月にはデビューアルバム「水奏レグルス」を、2017年9月にはボカロP・ナユタン星人とのコラボアルバム「ナユタン星への爽快列車」を、2018年2月にはEveとのコラボアルバム「蒼」を発表した。2019年3月には初めて作詞作曲に挑戦した楽曲「愚者のパレード」を配信リリース。5月には東京・マイナビBLITZ赤坂にて初のワンマンライブ「Salir」を開催した。また7月にはニューアルバム「深層から」を発表し、8月にはアルバムを携えた東名阪ツアー「深層から見た景色」を行う。
2019年8月1日更新