ナタリー PowerPush - ソノダバンド
コンセプトなし&勢い重視で「火の玉」完成
ロックフェスやジャズフェスで自分たちの音を鳴らしたい
──そういう楽曲のテイストも含めて、ソノダバンドは独特の立ち位置にいますよね。ソノダバンドっぽいバンドがほかにいない。
園田 そうですね。
──ある意味孤高の存在と言いますか。
園田 “孤高”ならいいんですけどね。“孤独”は勘弁してほしい。
一同 あははは(笑)。
──もしソノダバンドを中心とした“シーン”みたいなものがあれば、もっとわかりやすく世間に受け入れられるのかな、という気もするんですが。
園田 うーん、そうなったらもちろんいいですけど、だからと言ってインストバンドが流行ったらいいなとかはあんまり思わないっていうか。インストバンドをやってるっていう感覚はあんまりないんですよね。
──じゃあフュージョンの人たちとの対バンなんかは……。
園田 ああ、俺は絶対したくないです。
──あはは(笑)。
熱田 インストバンドばっかりのイベントとかもちょっと違和感を感じるしね。
──確かに普通のロックフェスやジャズフェスみたいな場のほうがハマりそうですね。
牧瀬 このバンドって捕らえどころがないって言われたりするんですけど、だからこそ逆にロックフェスに出てもジャズフェスに出てもやれるっていうか。演歌の人とやってもいいし。どんな場所でも100%自分たちの音を出せるようになりたいんですよね。
──捕らえどころがないというのは、イメージが限定されないということですしね。
園田 だから僕はやっぱりこのアルバムを指して「こういうアルバムです」ってことは言えなくて。自分たちのコンセプトをリスナーの方に押し付けるつもりもないし。逆に、アルバムを聴いてもらって、1曲だけでも深く愛してもらえたらいいな、くらいのイメージなんです。
──1曲でいいんですか?
園田 僕自身、正直な話このアルバムに収録した全ての曲を10年後も愛せるかどうかはやっぱりわからなくて。もちろん愛したいし、そういうつもりで作ってはいますけど。ただそんな中でも、誇れる曲はやっぱり書けてるはずだっていうのは思うんです。例えばそれは1曲目の「火の玉」っていう曲であったり。
──特に自信作だということですね。
園田 レコーディング中から何回も聴いてたのに、今もまだ聴いてますからね。そういう意味でも、やっぱり強い曲がひとつ書けたんだなっていう気がしてるんです。
火の玉【PV】/ ソノダバンド
収録曲
- 火の玉
- Royal Straight Flush
- 幸せはぬるま湯
- 討入前夜
- きえてなくなりたいぼくたちのために
- The Coast Session
- Ringojuice
- トーキョー=ストロール
- 沈む瀬
- 浮かぶ瀬
ソノダバンド
園田涼(Key)、熱田哲(Violin)、橋本怜(Cello)、赤股賢二郎(G)、牧瀬崇之(B)、小山田和正(Dr)からなる6人組インストゥルメンタルバンド。2006年に大学の音楽サークルで結成。都内ライブハウスを中心に活動を開始し、インディーズで2枚のミニアルバムを発表。2010年3月に米テキサス州オースティンで開催された「SXSW」に出演し、現地の音楽ファンの熱狂的な支持を得る。同年5月に初のフルアルバム「shiftrise」をリリースし、10月にはFlyingStar Recordsよりアルバム「ルネサンス」でメジャーデビュー。その後も精力的なライブ活動を重ね、2011年11月にはEMIミュージック・ジャパンからアルバム「疾走(はしれ はしれ)」を発表。2012年には自主レーベル・C7 Recordsを設立し、同年12月にアルバム「火の玉」をリリースした。