ナタリー PowerPush - 曽根由希江
恋愛成就のセツナソング 3rdシングル「君のとなりに」
昨年10月にシングル「ギンモクセイ」でメジャーデビューした曽根由希江。近年はTBS系「王様のブランチ」のレポーターやラジオのパーソナリティとしても認知度が高まりつつある中、多くの女性から共感を集めること必至の3rdシングル「君のとなりに」がリリースされる。
この曲は既に「レコチョク着うたフル」デイリーランキングトップ10入りを果たしている話題のナンバーで、すれ違い始めた恋人との距離を埋めようとする切ない恋心がテーマ。これまでとは大きく作風の異なる歌詞に加え、R&B調のアレンジや4つ打ちのサウンドも彼女にとっては新境地といえる仕上がりだ。この冬、さまざまな恋愛をしている人に聴いてほしいこの1曲について、自身の恋愛感も交じえながら語ってもらった。
取材・文 / 川倉由起子
歌詞のテーマは女子会で出た恋愛トーク
──3rdシングル「君のとなりに」は、過去2枚のシングルと大きく印象の異なる仕上がりですね。
雰囲気はガラッと変わりました。なので聴いてくださる方がどんな印象を受けるか最初は不安だったんですが、イベントで先日披露したとき、「いい曲ですね」と言ってくださる方が多くて、めちゃくちゃうれしかったです。そして、ホッとしました(笑)。
──個人的には“切ないラブソング”という簡単な言葉で表現してしまうのが申し訳ないほど、女心を深く描いた歌だなって。心が引き裂かれるほどのつらい心象描写で、疑似体験したみたいに一緒に胸が苦しくなりました。
それはうれしいです!
──ズバリ聞いちゃいますが、これは実体験?
似たような経験は少しありましたね(笑)。そもそもこの曲のテーマは友人との女子会がきっかけなんですけど、恋バナで盛り上がって、彼氏の不満やグチとかも出てきて。すると友達の中の1人が「彼氏が浮気してるっぽいんだよね」って打ち明けて、「どうしてそう思ったの?」「どの行動が臭った?」って、みんな興味津々。私もそういう話題には共感するし、相手が浮気してるしてないにかかわらず、好きな人だからこそ不安になっちゃう気持ちは誰でも持ってるんだなっていうのを感じて。なので、今回はそういうところを歌詞のテーマにしてみました。
──ちなみに、話題に出た彼の“臭う行動”も歌詞には入ってるんですか?
参考にしつつですが、自分の過去の経験とかも合わせながら書きました。実は今回、最初に書いたものに一切直しを入れてないんです。彼の行動や主人公の気持ちを、あまり言葉を選ばずストレートに書いてみたいっていう思いがあったので、わりとスムーズに書き上がりましたね。
客観的に見ると結構ウザい女の子なんですけど(笑)
──先程「この歌詞と似たような経験がある」とおっしゃいましたが、曽根さん自身も、もし彼の浮気に感づいたら見て見ぬフリをするタイプですか?
そうですねー。以前は絶対問いただしたりできませんでしたが、それはこの主人公のように「とにかく彼の隣にいたい」という気持ちがあって、必死に恋をしていたから。でもそれは、ただ好きだっていう感情があふれすぎて、自分と向き合うことにまで気が回っていなかったのかなと。
──なるほど。それが今は?
臭ったら迷わずスパーンと言っちゃうかも(笑)。あと、以前は相手の女の子を責めたくなったけど、今は「それになびいちゃったアンタも悪いでしょ?」って思える。だから、今はこの歌手の主人公より少しは成長できてるのかなって。
──確かに20代も後半になってくると、だんだんそういう器の広さみたいなものが出てきますよね(笑)。この曲はこういう恋をしているド真ん中の世代にはすごく響くと思います。自分の気持ちを代弁してくれた!って思う方も多いでしょうね。
そうだとうれしいです。客観的に見ると結構ウザい女の子だったりするんで(笑)、書くときは少し勇気がいったんですけど、どこか信じたい気持ちがあって。みんな絶対1回は、歌詞に出てくる黒い感情みたいなものを持った時期があるんじゃないかって。
──“黒い”っていうのは、わざと泣いたりしようとする打算的なところ?
そうですね。ただみんな、そんなことをしたら嫌な女だって思うからしないだけで、本当はそう感じちゃうのが本音なんじゃないかと。私は人生で初めて「曲を書きたい!」という衝動に駆られて作ったのが切ない恋愛ソングだったんですが、そのときも人には言えない思いを音楽にぶつけたところがあって。以降、曲作りには一貫してそういう部分が根本にあるので、今回もそこに重点を置いた歌詞になっていると思います。
収録曲
- 君のとなりに
- New days
- あおげばとうとし -弾き語りバージョン‐
- 君のとなりに -Vocal-less Track-
- New days -Vocal-less Track-
DVD収録内容
- 君のとなりに(PV)
- 君のとなりに(PVメイキング映像)
曽根由希江(そねゆきえ)
1985年東京都生まれのシンガーソングライター。3歳からピアノを始め、2007年にラジオ番組の企画ユニット「音野菜」を結成しオリジナル曲を配信リリース。2010年10月に「ギンモクセイ」でCDソロデビューを果たす。2011年5月に発表した2ndシングル「HOME」がテレビ朝日系ドラマ「おみやさん」の主題歌に起用。同年11月リリースの3rdシングル「君のとなりに」はテレビ東京系ドラマ「ここが噂のエル・パラシオ」のエンディングテーマとしてオンエアされている。音楽活動以外にも、TBS系「王様のブランチ」のレポーターやラジオパーソナリティとしても活躍中。