音楽ナタリー Power Push - 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015
佐藤タイジ×Char 中津川に向けて大放談
テクノロジーをどう利用するか
佐藤 ギターのボリュームのコントロールできるのすげえっていうのはエンジニアも言ってて。
Char そういう時代に育ってるから。4チャンネルとか8チャンネル時代のレコーディングやってるから。
佐藤 その場でミックスってことだもんね。
Char できるだけ卓を触んなくていいようにね。
佐藤 それ実はすげえことで。今全部コンピューターに入れてやれちゃうけど、Charさんが言ってることも技術じゃん? とても大事な技術だったのに、テクノロジーの進化とともになくなっていくという。うちの親父が徳島新聞に務めてたんだけど、昔は活版印刷といって活字を1つひとつ並べて印刷してたわけですよ。
Char 大変だよね。何百、何千文字と並べて。
佐藤 サイズの違いもあるしさ。それをバーッとはめる人がいたわけ。うちの親父もそれを見てるのが楽しかったって言ってた。すごい技術だし……それってなんかいいじゃん? そういうのがどんどんなくなっていいんだろうかって思うときはある。Charさんのボリュームコントロールも含めて。
Char ただ、それは難しい問題でさ。例えば、今のテクノロジーがあるからソーラーであんだけ蓄電できるっていうのがあるじゃん?
佐藤 まあ、確かに。
Char そこはお互い現時点でのテクノロジーをどう利用するかっていうさ。俺なんかはデジタルで何かものを作るってなったときでも、素材は生なものしか使わない。あとはどう作ってくかっていうのは、そいつのセンスなんだけど、ライブっつーのはそういうややこしいことの塊じゃん?
佐藤 そうだねえ。
Char あいつ間違えたとか、音でかいとか、人の音聴いてねえとか。女の顔しか見てねえとか。
佐藤 いるいるいる(笑)。
Char それが面白いんじゃないの? 気が付きゃタイジもいい年齢になってるとはいえ、この世代がこういうフェスを主催してやってるってことに俺は意味があるんじゃないかなと思う。俺ぐらいの歳のやつらがNPOとか組んでやるっつーのはどこにでもある感じがするんだけど、一番「お前がやるなよ!」っていうようなのがやってるとね(笑)。
佐藤 ははははは!(笑) ああ、確かにそうだね。
Char 俺に言われたくないよね、そんなことね(笑)。
シアターブルックとCharのセッションは“日本のロックの財産”
──今年の中津川は「LOVE CHANGE THE WORLD」という大きなスローガンが掲げられてます。そしていろんな試みも行われます。
Char これ、挑戦じゃん? 俺、やってることが最先端だと思うんだよ。それと結局「人が集まって、興が乗ったら音楽」というのは人類の得意技だから。その基本を大事にしたフェスであり続けてほしいし、お互いのソロのライブもそういうもんでありたいなと思うよね。
──当日はさまざまなセッションも楽しみです。1日目のCharさんのステージでは、シアターブルックがバックを務めるとか。
Char そうなんです。1曲2曲とかはやったことあるけど、1時間のセットをやるってことは初めてなんで。どんな曲をやるか……さっきも打ち合わせしてたんだけど。
佐藤 がんばります!
──そして2日目はシアターブルックが大トリを飾ります。
Char 俺は東京に帰るけどね。暇じゃないもんで(笑)。
佐藤 でもまあ、中津川に残ってもらえるかどうかは、1日目の夜のアテンドにもよりますよね。きっとね。
Char 60のおっさん捕まえて、夜のアテンドってお前さあ(笑)。
佐藤 そこは手厚く。Charさんが「帰りたくない」っていう空気を作って。2日目は泉谷しげるさんもいますし。
Char さっさと帰る理由ができたわ(笑)。
佐藤 いやいやいや! いてくださいよ。
Char なんつって、帰んなかったりしてな。
佐藤 でしょ?
Char 違う違う。演奏が終わんないの。今年はCHABOに気を遣う必要ないから、とりあえずRIZEが始まるまでやって(笑)。
佐藤 RIZE、次の日のトップバッターじゃないすか(笑)。とにかく、シアターブルックとCharのセッションは日本のロックの財産ですから、1人でも多くの人に見届けてもらいたい!
- 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015
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2015年9月26日(土)、27日(日)
岐阜県 中津川公園内特設ステージ
OPEN 10:00 / START 11:00 -
<2015年9月26日(土)出演者>
- REVOLUTION STAGE渋さ知らズオーケストラ / EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX / 斉藤和義 / ACIDMAN / 藤井フミヤ with シアターブルック / Char
- REDEMPTION STAGE東京カランコロン / Nothing's Carved In Stone / OKAMOTO'S / NAMBA69 / ストレイテナー
- RESPECT STAGE子供ばんど / 黒木渚 / the band apart / 勝手にしやがれ / MY LIFE IS MY MESSAGE(山口洋[HEATWAVE]、三宅伸治、Leyona、斉藤和義)/ 麗蘭
- Village Of illusionegoistic 4 leaves / オレスカバンド / The SunPaulo / THE BLACK COMET CLUB BAND / GAKU-MC / 沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)/ DJ吉沢dynamite.jp / Buppa.9+SEIYA / DJ PAIPAI / yasuhiroyonishi / SWEET RAVE (DANCE)
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<2015年9月27日(日)出演者>
- REVOLUTION STAGERIZE / BRAHMAN / 吉川晃司×中津川JAM / The Birthday / Dragon Ash / シアターブルック
- REDEMPTION STAGEROTTENGRAFFTY / SCOOBIE DO / MONOEYES / GRAPEVINE / TRICERATOPS
- RESPECT STAGEbird / 憂歌兄弟 / LIVE FOR NIPPON(高野哲、堂珍嘉邦、Rei) / the LOW-ATUS / 泉谷しげる
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チケット インフォメーション
- 通し入場券 13900円
- 1日入場券 8900円
- プレミアムキャンプ付き 通し入場券 21,460円(※完売)
- キャンプ付き 通し入場券(場内駐車なし)17,140円(※完売)
- 駐車場付き 通し入場券 プレミアムキャンプ券 18,220円
- 駐車場付き 1日入場券 11,600円
佐藤タイジ(サトウタイジ)
シアターブルックのフロントマンにして、作曲家、プロデューサー、俳優など数多くの肩書きを持つアーティスト。1967年に徳島県で生まれ、14歳のときにギターを購入したことをきっかけに音楽の世界にのめり込む。1986年にシアターブルックを結成し、1988年にアナログ盤「Theatre Brook」をリリース。以降、日本随一のファンクバンドの顔として活躍する一方、MCUや清春、tobaccojuiceなどさまざまなアーティストのプロデュースを手がけその手腕を発揮している。2008年5月にはキャリア初となるソロアルバム「The Divorced Rockstar」をリリースした。東日本大震災後、太陽光発電による電力で運営するライブイベント「THE SOLAR BUDOKAN」を企画。2012年12月に東京・日本武道館、2013年9月と2014年9月に岐阜・中津川市で開催して大成功を収めた。
Char(チャー)
1955年東京生まれ。日本を代表するギタリストの1人として、世界的にも高い評価を獲得している。8歳からギターを始め、中学生時代からスタジオミュージシャンとして音楽活動を開始。1973年に金子マリらとともにSMOKY MEDICINEを結成する。バンド解散後、1976年にシングル「NAVY BLUE」でソロデビューを果たす。代表曲は「気絶するほど悩ましい」「smoky」「闘牛士」など。1978年からはジョニー吉長、ルイズ・ルイス加部とJOHNNY,LOUIS & CHAR(のちのPINK CLOUD)を結成し、ソロと並行して精力的な活動を展開。1989年には石田長生とのアコースティックデュオBAHOを結成する。2009年にはWeb主体のレーベル・ZICCAを設立。還暦を迎えた2015年5月に、泉谷しげる、布袋寅泰、奥田民生、松任谷由実、福山雅治ら干支が異なる12人のアーティストたちが参加したアルバム「ROCK十」を発表。同年6月には東京・日本武道館にて13組のゲストを招いてアルバム発売記念公演を開催した。