ナタリー PowerPush - 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013

佐藤タイジ×高野哲 盟友2人の太陽ロック対談

石橋凌と初顔合わせ

──今回の出演者の中で初めて顔を合わせる方もいらっしゃるんですか?

佐藤 俺、石橋凌さんとはちゃんと挨拶したことがないんですよ。だから、こないだ藤井一彦と一緒にライブやったときに「石橋凌さん紹介してくれよ」って言っておいた。石橋凌さん会ったことある?

高野哲

高野 ないですけど、今年の2月に行われたKEITHさんの62歳の誕生日イベントでARBのナンバーを歌ったことはありますよ。最後に「After'45」を歌ったんですけど、その前の曲で俺、歌詞飛んじゃって。「やばい、このままじゃ終われねえな。どうしよう」と思って、振り返ってドラム叩いてるKEITHさんの前にマイクスタンドをドンと置いて歌ったんですよ。

佐藤 そんなやらしいことようできるなあ、お前(笑)。

高野 そしたら終わったあとで「ロックやってきてホントよかった!」ってハグしてくれて。俺も感激して「こちらこそです! KEITHさん」って。でもそれから2時間後、KEITHさん酔って上機嫌になって、ひどい下ネタで盛り上がって(笑)。俺の中で余韻がまだ残ってたのにそんな感じだから、思わず「おい、KEITH! 俺の『After'45』返せーっ!」って言ったら、「ごめーん、てっちゃーん」(笑)。

佐藤 すごいなあ(笑)。そういう人なんや。

高野 とても優しくて大きな心を持った人。

「THE SOLAR BUDOKAN」に来れば子供や孫に自慢できる

──当日は石橋さんと一緒にセッションもされたり?

佐藤 いや、さすがにそれはないと思うなあ。

高野 全部に飛び入りやってたら、タイジさん1発目の「THE SOLAR BUDOKAN」と一緒で出ずっぱりになりそう(笑)。

──お2人はインディーズ電力での出演もありつつ、それぞれZIGZO、THEATRE BROOK として両日のトリを務めるわけですが。

左から佐藤タイジ、高野哲。

佐藤 俺、ZIGZO観るの初めてだから楽しみ。哲とはZIGZOが復活してからの出会いだからね。それで今こういうふうになってるのは、すっごい地殻変動だよね。

高野 そうなんですよ。だから俺の音楽人生としては3.11は分岐点ですよ。あの日以降、エンタテインメントと思想との共存のバランスをすごく考えるようになって、タイジさんと社長(インディーズ電力 代表取締役社長・うつみようこ)とインディーズ電力を結成するきっかけになったので。

佐藤 インディーズ電力×THEATRE BROOKでやったとき、沼澤尚が哲に「哲くんのアコギ、すげえいいよ」とか言ってんのを横で見てると気持ちいいわけ。だって接点なかったわけでしょ?

高野 なかったです。

佐藤 そういう光景を見るのが、俺としてはすげえ気持ちいい。

──ZIGZOとしては当日どういうステージになりそうですか?

高野 普通にいくしかないなと思ってます(笑)。普通にいい演奏をしたいですね。俺、いつもはツアーとかフェスに出ますってときに、「来いよ」とかあまり自分の口から言わないほうなんですよ。でも、今回は声を大にして言います。「来なさい」と。「家族で来なさい」(笑)。去年の「THE SOLAR BUDOKAN」はインディーズ電力として参加させてもらいましたけど、あの第1回に参加できたことを誇りに思ってるんですよ。あの記念すべき場に俺、いたぞと。だから今回も参加すれば、「ウッドストック行ったもんね」って自慢できたのと同じように子供や孫に自慢できますから。

佐藤 うちらさんざん先輩方から伝説のライブを自慢されて育ってきたもんね。「俺は箱根アフロディーテのPink Floydに行ったぞ」とか「後楽園球場で嵐の中、Grand Funk Railroadを観た」とか。

──その大トリがTHEATRE BROOKということで。

高野 MIYAVIとのセッションがあって、インディーズ電力あって、TAIJI at THE BONNETTもやってのトリですもんね。

佐藤 そう。だから俺、むちゃくちゃ忙しいよ。会場のパトロールもせなあかんし。「ケガしとるやつおらんかー」言うて(笑)。

音楽好きは音がよければそれで充分!

──原発事故以降、電気を使うミュージシャンに否応なしに突きつけられた問題に対する、ひとつの回答が「THE SOLAR BUDOKAN」だと思うんです。

高野哲

高野 3.11があって、俺とタイジさんが4月くらいから一緒にやるようになったんですけど、最初は完全に電気を使わずに生音だけで福島とか宮城でライブをしてたんです。それでこの先どうすべきだろうって意識することができたんですけど、バンドマンとしてそういう経験ができたのは大事だったと思います。

──そして「THE SOLAR BUDOKAN」の発想につながっていくわけですよね。

高野 よくタイジさんが「だって、ソーラーだと音がいいんだもん」って言うんです。とにかく「THE SOLAR BUDOKAN」を続けることで、みんな「こっちのほうが音いいよね」って気付くと思うんです。どんどん人が寄ってくるイメージが膨らむので、この先楽しみで仕方ないです。

──確かに未来に向けて楽しそうなイメージを持てるところが素晴らしいですよね。

佐藤 ギターの音が格段によくなるのとか、やっぱうれしいもん。音楽好きは音がよきゃそれで充分。そこが音楽の力だよね。思想もイデオロギーも軽く超えて「音がいいからオッケーです!」と言えるという。政治とか軽ーく飛び越えてますよ。

高野 でも、エンタテインメントと思想とのバランスに困った人というか、今も困ってる人がたくさんいると思うんですよ。

佐藤 まあ、そうやろね。俺とか自分の精神をまともに保たんがためにアホしながら真面目なことを言っていくみたいなとこあるもんね。やっぱおもろくないとやってられへんから。だから、なるべくおもろくしていきたい。

高野 タイジさん見てると、バランスすっごくいいもん。

佐藤 でも、それは業界向けやねん。一般にはわかりにくいんだなあ、このバランスのとり方は。……どうなんだろう? 10代、20代のナマ足女子にちゃんと伝わってるのかなあ?

高野 ハハハハハ!(笑)

佐藤 生足女子も絶対考えてると思う。絶対このままでいいわけはねーだろと。でもどうすりゃいいかわかんないみたいな。

──彼女たちが原発の問題を将来負の遺産として継いでいかなきゃいけないとなると他人事じゃないですもんね。

佐藤タイジ

佐藤 でしょ? 生足出しながらも考えてる子は絶対いると思うんだよね。そういう子たちに「おいでおいで」したい。当日は生足のまんま中津川にいらっしゃいと(笑)。万が一、虫に刺されても看護婦の格好した方が薬を塗ってくれますから。

──そんなサービスも!?

高野 格好だけですけどね。要はイメクラです。ソーラーイメクラ(笑)。

佐藤 下ネタ入れてきた!(笑)

高野 インディーズ電力の3人でいると、ようこさんとタイジさんが熱く今の政治について語るもんだから俺だけ会話に入れなくなるときがあって、つい下ネタぶち込むんですよ。そうすると、すぐ2人ともノってくるんです。

佐藤 ソーラー下ネタ(笑)。そういうのも、ちょいちょい入れてかないとあかんよね。

高野 どんどん趣旨が変わっていって、いつの間にか「THE SOLAR BUDOKAN」の太陽のマークの真ん中に線が1本入っちゃったみたいな。

──安産祈願のサインじゃないですか(笑)。

佐藤 安産祈願したいねえ!

高野 神社とか作っちゃって。ちゃんとソーラーパネル付けて、「ご開帳ー」つって。

佐藤 それ秘宝館やん! ソーラー秘宝館(笑)。

高野 ソーラーで溜めた電力でいろんなのが動くわけです。ウイーンウイーンって(笑)。

佐藤 あかんあかん! 話がズレてきたから仕切り直そ!(笑)

中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013
中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013

2013年9月21日(土)、22日(日)
岐阜県 中津川公園内 特設ステージ

9月21日(土)出演者
REVOLUTION
  • 16:00~ a flood of circle
  • 17:40~ MIYAVI × 中津川JAM(佐藤タイジ、中村達也)
  • 19:20~ 髭
  • 21:00~ ZIGZO
REDEMPTION
  • 16:50~ FLiP
  • 18:30~ KENJI JAMMER & Dachambo Rhythm Section
  • 20:10~ 堂珍嘉邦
RESPECT
  • 16:00~ the Canadian Club
  • 16:45~ Leyona
  • 17:20~ 曽我部恵一
  • 17:55~ 浜崎貴司
  • 18:40~ CHANGE ENERGY'S
  • 19:20~ インディーズ電力
  • 20:00~ 中津川ソーラーフォークジャンボリー(小室等、我夢土下座、土着民)
  • 21:00~ 遠藤賢司
Village Of illusion
  • DJ:冷牟田竜之 / DJ吉沢dynamaite.jp
  • Acoustic:佐々木亮介(a flood of circle) / iCas & tae(オレスカバンド) / EIJI (from Dachambo) / theSing2YOU with 堀嵜ヒロキ
9月22日(日)出演者
REVOLUTION
  • 11:00~ OKAMOTO'S
  • 12:20~ SOIL & "PIMP" SESSIONS
  • 14:10~ BUCK-TICK
  • 16:00~ ACIDMAN
  • 17:40~ 仲井戸"CHABO"麗市 with THEATRE BROOK
  • 19:20~ MANNISH BOYS
  • 20:20~ THEATRE BROOK
REDEMPTION
  • 11:35~ 黒猫チェルシー
  • 13:20~ TAIJI at THE BONNET
  • 15:10~ TRICERATOPS
  • 16:50~ 泉谷しげる
  • 18:30~ 子供ばんど
RESPECT
  • 11:00~ Saigenji
  • 11:45~ ダイノジ(DJ)
  • 12:40~ OBANDOS
  • 13:25~ YAOAO
  • 14:10~ bird
  • 15:00~ 石橋凌&藤井一彦&伊東ミキオ
  • 15:50~ 山口洋(HEATWAVE)
  • 16:40~ 宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))
  • 17:25~ 武藤昭平 with ウエノコウジ
  • 18:25~ THE MAN
  • 19:25~ 畠山美由紀
  • 20:10~ 岡本真夜
チケット インフォメーション

2日通し券 11690円

21日入場券 5500円

22日入場券 7900円

キャンプサイト+2日通し会場内駐車券+2日通し入場券 15690円

キャンプサイト+2日通し入場券 12690円

2日通し会場内駐車券+2日通し入場券 14690円

※小学生(12歳)まで、チケットを持った保護者の同伴に限り入場無料。

チケットについて詳しくはこちらから

THEATRE BROOK(しあたーぶるっく)
THEATRE BROOK

佐藤タイジ(Vo,G)を中心に、1986年に結成されたファンクロックバンド。インディーズでの活動を経て、1995年6月にミニアルバム「CALM DOWN」でメジャーデビュー。ファンクやヒップホップ、ロックといったありとあらゆるブラックミュージックの要素を取り入れたサウンドが、好評を博す。1997年にはクリストファー・ドイルの映画「タイフーンシェルター」のサウンドトラックを担当。その後も精力的な活動を展開するが、2007年12月のライブツアーをもって2年間ライブ活動を休止。2009年末に満を持して活動を再開し、2010年2月ニューシングル「裏切りの夕焼け」をリリース。2012年12月には加藤登紀子をゲストボーカルに迎えた「愛と死のミュゼット」や、代表曲である「ありったけの愛」のセルフカバーを収録したオリジナルアルバム「最近の革命」を発表した。現在のメンバーは佐藤タイジ(Vo,G)、中條卓(B)、エマーソン北村(Key)、沼澤尚(Dr)。

ZIGZO(じぐぞ)
ZIGZO

高野哲(Vo, G)、岡本竜治(G)、大西啓之(B)、櫻澤泰徳(Dr)の4人によって1999年に結成。同年7月にシングル「血と汗と涙の裏側のハッピー」でメジャーデビューする。2002年3月に解散するまでに8枚のシングルと2枚のアルバムを発表。解散後、メンバーは個々に音楽シーンで活躍していたが、2011年11月に再結成を発表。2012年3月に東京・赤坂BLITZでワンマンライブを行い、本格的に活動を再開した。2012年10月には復活第1弾アルバムとして「THE BATTLE OF LOVE」をリリース。2013年11月よりZIGZO主催の対バン形式のライブシリーズ「ZIGZO meeting "SKY HIGH! Vol.1"」がスタートする。