ナタリー PowerPush - 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013
佐藤タイジ×高野哲 盟友2人の太陽ロック対談
9月21、22日に岐阜・中津川公園内特設ステージで野外ロックフェス「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013」が開催される。これは佐藤タイジ(THEATRE BROOK)が企画した、「太陽光から生まれた電気でライブを行う」という趣旨のイベント。2012年12月に東京・日本武道館で第1弾が、2013年4月に「THE SOLAR BUDOKAN IN SHIBUYA」と題して東京・WWWにて第2弾が行われた。3回目となる今回は岐阜・中津川が舞台。日本で初めて野外フェスが開催された地に、バラエティに富んだアーティストたちが集結する。
ナタリーでは、このイベントの主催者であり大トリを務めるTHEATRE BROOKのフロントマンの佐藤タイジと、初日のトリを務めるZIGZOの高野哲との対談をセッティング。インディーズ電力の専務と常務という間柄でもある2人にフェスにかける意気込みを大いに語ってもらった。
取材・文 / 秦野邦彦 撮影 / グレート・ザ!歌舞伎町
日本初の野外フェスの地で開催する“3世代型フェス”
──「太陽光から生まれた電気で野外フェスを!」という思いから生まれた「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013」、いよいよ本番直前ですね。
佐藤タイジ 会場すごくいいとこっすよ。でかい芝生の上にステージをドーンと組んで。キッズエリアも充実してるし。
高野哲 もともと中津川市の公園だから、THE SOLAR BUDOKANチームが会場設営する前から素晴らしく整備されていて。
──中津川といえば、日本初の野外フェス「全日本フォークジャンボリー」の開催地としても有名です。
佐藤 第1回が1969年だから何年前だ?
高野 44年前ですね。俺らも最初「フォークジャンボリーのあの町か!」っていう印象でした。地元にそういうパワーがあるイメージ。
佐藤 去年の12月に日本武道館で1発目の「THE SOLAR BUDOKAN」をやったとき、電池とかソーラーパネルを最初に持ってきてくれたのが中津川にある中央物産という会社だったんです。そこの人から「次は中津川でやりましょうよ」って言われて。「それすごいやん! だとしたらぜひフォークジャンボリーのチームと合流しよう。エンケン(遠藤賢司)さんは絶対呼ぼう」っていう話になって。泉谷しげるさんも出てくれるし、小室等さんなんて今回フォークジャンボリーチームと一緒にやるからね。小室等さんとOKAMOTO'Sなんて、おじいちゃんと孫が一緒にステージ出てるぐらいの感覚でしょ? 3世代型フェスといっても過言ではないよね。
──タイムテーブルも大変なことになって。
佐藤 ギッチギチでしょ? これオンタイムで終わったら、すごいことよ?
高野 相当ハードル高いですよね。たぶんバンドチームはわかってると思うんですけど。
佐藤 弾き語りチームは抑えが効かない人多いからノッたら最後(笑)。だから、ひょっとすると伝説の3時間押しとかあるかもしれない。お客さんには心の準備をしてもらって。
──でも、当日はなんだかんだでうまいこといくと。
佐藤 その通り! なんだかんだでこういう舞台はうまく終わるもんなんです。
ライジングサンのステージでまさかの電池切れ
──当日晴れると、太陽のパワーも実際に肌で感じられるでしょうね。
佐藤 天候も大丈夫。晴れますから。今回、中津川の会場にソーラーパネル500枚並べるんだって。500枚つったら、ちょっとした発電所だよね。
高野 こないだのライジング(RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO)で何枚でしたっけ?
佐藤 165枚。それでもけっこうあったよね。やっぱ電源が独立してるって、すげえ気持ちいいですよ。今年のライジングの「BOHEMIAN GARDEN」は2日間全部THE SOLAR BUDOKANのシステムでやったんですよ。ソーラーパネルで発電したものをリチウムとか鉛の電池に溜めて、ステージに送るという。
高野 ライジングは天気悪かったんですよ、それで2日目のステージの大トリのTHEATRE BROOKのときに、モニター用の電気がなくなっちゃって。でも、それがリアルで。
佐藤 面白かったよね。「今から電池換えるんで、音一瞬止まります!」みたいな。
高野 電源が独立してるからこそ起こることが目の前であったから、俺もすげえ面白かったですね。お客さんも「あ、こういうことなんだ」ってわかったと思うし。
佐藤 天気悪いと電気なくなんねんって(笑)。
──普通に今までのライブと同じ形できれいに終わっていたら、何も体感できないままだったかもしれない。
高野 そうなんですよ。
佐藤 ライジングであれをやれたのはデカいよね。今回初めてPAをリチウム、ステージを鉛の蓄電池で使い分けたんですけど、電源チームは「このシステムは世界最強!」ってすごく興奮していて。詳しくはわからないけど、リチウムは安定して長時間供給することができるPA向きで、鉛はいっぺんにドーンと出せるから楽器向きらしいんですよね。だから今後続けていくうちに、ここはリチウム、ここは鉛っていうふうになっていくと思うよ。やっぱ音よかったもん。
高野 THEATRE BROOKがやってるときも、照明があったかい感じがしたんですよ。
佐藤 それ絶対あるよね。たぶん何かが違うんだよね、それが何かはよくわからんけど。
高野 俺らがそう思える力ってすごいですよね。これからシステムを作っていく側とか演奏する側としては、そう思えることってすげえパワーだと思うし。
──まだまだ試行錯誤の第一歩ですもんね。
佐藤 まだまだこっからだから。
高野 裏方チームがワタワタしてるの面白いすもんね。
佐藤 何事も初めてのことやから、てんやわんやでパリッパリになんねん(笑)。
高野 でも、みんな音楽好きが集まってるから、すごくムードがよくて。
佐藤 ライブ終わったあとは「イェーッ、カンパーイ!」みたいな。
高野 裏方チームが盛り上がってる声が聞こえてきて、きっと何かすごい発見があったんだろうなって思いながら。
- 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013
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中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013
2013年9月21日(土)、22日(日)
岐阜県 中津川公園内 特設ステージ -
9月21日(土)出演者
REVOLUTION - 16:00~ a flood of circle
- 17:40~ MIYAVI × 中津川JAM(佐藤タイジ、中村達也)
- 19:20~ 髭
- 21:00~ ZIGZO
REDEMPTION - 16:50~ FLiP
- 18:30~ KENJI JAMMER & Dachambo Rhythm Section
- 20:10~ 堂珍嘉邦
RESPECT - 16:00~ the Canadian Club
- 16:45~ Leyona
- 17:20~ 曽我部恵一
- 17:55~ 浜崎貴司
- 18:40~ CHANGE ENERGY'S
- 19:20~ インディーズ電力
- 20:00~ 中津川ソーラーフォークジャンボリー(小室等、我夢土下座、土着民)
- 21:00~ 遠藤賢司
Village Of illusion - DJ:冷牟田竜之 / DJ吉沢dynamaite.jp
- Acoustic:佐々木亮介(a flood of circle) / iCas & tae(オレスカバンド) / EIJI (from Dachambo) / theSing2YOU with 堀嵜ヒロキ
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9月22日(日)出演者
REVOLUTION - 11:00~ OKAMOTO'S
- 12:20~ SOIL & "PIMP" SESSIONS
- 14:10~ BUCK-TICK
- 16:00~ ACIDMAN
- 17:40~ 仲井戸"CHABO"麗市 with THEATRE BROOK
- 19:20~ MANNISH BOYS
- 20:20~ THEATRE BROOK
REDEMPTION - 11:35~ 黒猫チェルシー
- 13:20~ TAIJI at THE BONNET
- 15:10~ TRICERATOPS
- 16:50~ 泉谷しげる
- 18:30~ 子供ばんど
RESPECT - 11:00~ Saigenji
- 11:45~ ダイノジ(DJ)
- 12:40~ OBANDOS
- 13:25~ YAOAO
- 14:10~ bird
- 15:00~ 石橋凌&藤井一彦&伊東ミキオ
- 15:50~ 山口洋(HEATWAVE)
- 16:40~ 宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))
- 17:25~ 武藤昭平 with ウエノコウジ
- 18:25~ THE MAN
- 19:25~ 畠山美由紀
- 20:10~ 岡本真夜
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チケット インフォメーション
2日通し券 11690円
21日入場券 5500円
22日入場券 7900円
キャンプサイト+2日通し会場内駐車券+2日通し入場券 15690円
キャンプサイト+2日通し入場券 12690円
2日通し会場内駐車券+2日通し入場券 14690円
※小学生(12歳)まで、チケットを持った保護者の同伴に限り入場無料。
チケットについて詳しくはこちらから
THEATRE BROOK(しあたーぶるっく)
佐藤タイジ(Vo,G)を中心に、1986年に結成されたファンクロックバンド。インディーズでの活動を経て、1995年6月にミニアルバム「CALM DOWN」でメジャーデビュー。ファンクやヒップホップ、ロックといったありとあらゆるブラックミュージックの要素を取り入れたサウンドが、好評を博す。1997年にはクリストファー・ドイルの映画「タイフーンシェルター」のサウンドトラックを担当。その後も精力的な活動を展開するが、2007年12月のライブツアーをもって2年間ライブ活動を休止。2009年末に満を持して活動を再開し、2010年2月ニューシングル「裏切りの夕焼け」をリリース。2012年12月には加藤登紀子をゲストボーカルに迎えた「愛と死のミュゼット」や、代表曲である「ありったけの愛」のセルフカバーを収録したオリジナルアルバム「最近の革命」を発表した。現在のメンバーは佐藤タイジ(Vo,G)、中條卓(B)、エマーソン北村(Key)、沼澤尚(Dr)。
ZIGZO(じぐぞ)
高野哲(Vo, G)、岡本竜治(G)、大西啓之(B)、櫻澤泰徳(Dr)の4人によって1999年に結成。同年7月にシングル「血と汗と涙の裏側のハッピー」でメジャーデビューする。2002年3月に解散するまでに8枚のシングルと2枚のアルバムを発表。解散後、メンバーは個々に音楽シーンで活躍していたが、2011年11月に再結成を発表。2012年3月に東京・赤坂BLITZでワンマンライブを行い、本格的に活動を再開した。2012年10月には復活第1弾アルバムとして「THE BATTLE OF LOVE」をリリース。2013年11月よりZIGZO主催の対バン形式のライブシリーズ「ZIGZO meeting "SKY HIGH! Vol.1"」がスタートする。