音楽ナタリー PowerPush - SWEET LOVE SHOWER 2014
クロージングDJが語る「ラブシャ」の魅力
DJやついいちろう
ピエール中野
スペースシャワーTVが主催する野外ライブイベント「SWEET LOVE SHOWER 2014」の模様が、同局にて10月17~19日にオンエアされる。
今やすっかり山中湖の風物詩として定着し、今年はスペシャ開局25周年を記念して計3日にわたって行われた「ラブシャ」。計9時間にわたる特別番組では、富士山の麓で繰り広げられた各出演アーティストたちの熱演をたっぷり紹介する。
今回ナタリーはイベントの魅力を伝えるべく、クロージングDJを務めたDJやついいちろうとピエール中野の対談を企画。「ラブシャ」の魅力を出演者ならではの視点で語ってもらった。なお特集内ではフォトギャラリーも展開中なので、こちらもチェックしてみてほしい。
取材・文 / 中野明子 対談撮影 / 上山陽介
念願の「雨あがりの夜空に」
──今年の「SWEET LOVE SHOWER」を振り返っての感想を教えていただけますか?
DJやついいちろう 「SWEET LOVE SHOWER」はいつ行っても、空気も景色も気持ちいいですね。僕がDJをやった時間帯は富士山は見えなかったんですけど、今年も最高のロケーションを堪能できました。ただ僕、今年でクロージングDJを務めるの5年目なんですけど、そのうち3年くらいは雨なんですよ(笑)。
ピエール中野 「爆裂★エレキングダム!!」のイベントで出たときは晴れてた気がしますね。あれは5年前でしたっけ?
やつい そうだった気がする。今年は、最終日の夜に雨が降ってたけどDJを始めたら晴れてきたっていうのがあって。それでRCサクセションの「雨あがりの夜空に」からスタートしたんですよ。毎年、雨が止んだらかけようと思って音源を持っていってたんですけど、いつも雨があがらなくて(笑)。だから3年越しくらいでやっとかけられた。
中野 いい話だなあ。俺はクロージングDJとして出演するのは初めてで。andymoriのラストライブのあとにクロージングDJをやるのはプレッシャーだったんですよ。実際はラストライブではなくなったんですけどね(※ライブのアンコール中に小山田壮平がもう一度ライブを行いたいと言ったことを受けて、10月15日に日本武道館公演が開催されることになった)。andymoriの余韻を大事にしてDJをやったほうがいいのかなと思ったんですけど、“ピエール中野のDJ”を楽しみに来てくれた人がブースの目の前にたくさんいてくれて。いつものスタイルできちんと盛り上げました。
やつい 僕も最後に一番盛り上げようとは思ってるんです。僕は今年、3日間のイベントの最終日のDJを担当したんで、イベントの名場面を切り取っていくイメージで出演アーティストの曲を中心にかけましたね。3日間を振り返りながらバーンと盛り上がって、帰りのバスでよく寝れるようにとか考えて。
中野 僕は初日だったんで、2日目以降の出演者のパーティチューンやキラーチューンを流すようにしてましたね。翌日の予告というか。
やつい 「明日これ聴けるんだ」って楽しみになるもんね。
中野 そうそう。
──ちなみにやついさんは恒例ともいえる諸葛亮孔明の衣装も印象的でしたが、あの格好には何か意図があるんでしょうか?
やつい あれもオーディエンスを盛り上げるための手段の1つですね。前にDJをやったときに着たら、なんかハマったんですよね。そもそもあれ、コント用の衣装だったんですよ。まあそのコントはスベったんですけどね。ヤンキーに絡まれてる人のところにUFOが来て、そこから諸葛亮孔明が出てきてダンスしながらヤンキーを倒すっていう内容だったんですけど……。
中野 インパクトありそうですね、そのコント(笑)。
やつい インパクトだけはあったけど、全然受けなくて。せっかく衣装を作ったのに着る機会がないから、じゃあDJするときに着てみるかと。でもなんの格好か誰も知らないんですよ。曲かけながら「東南の風よ吹け!」とか「どこだー関羽! いるかー!」とか叫んでたら、「ウォー!」って返ってきましたけど(笑)。後付けですけど、あの衣装を着ると盛り上げなきゃなって気持ちになるんです。あれでメロウなトラックとか流してもしょうがないでしょ? 決意の表れじゃないですけど、これから盛り上げるぞっていう気持ちの表れですね。逆にあの衣装じゃないときは、わりと自由に曲をかけてます。
永ちゃんはヤバかった
──お2人は、ほかのアーティストのライブはご覧になりました?
やつい 観ました、観ました! 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団がよかったなあ。湖の近くで焼き魚とか食べながら楽しんで。音楽と景色がぴったりハマってるんですよ。これはホントに“できた空間”だなって(笑)。KANA-BOONも勢いがあってすごかったし、THE BLUE HEARTS世代だからっていうのもあるけどザ・クロマニヨンズが個人的に感動しましたね。ヒロトとマーシーってもう50を超えてるのに、27年前に僕が初めて観たときと印象が変わらないんですよ。クロマニヨンズって多くを語らないし、特に言葉でアジテーションしないじゃないですか。コンスタントにアルバムを出して、長いツアーをやって、またアルバムを出してっていうオーソドックスな活動を長年やってることに感動して。ライブで受ける印象も偉ぶってなくて。ライブを観てるだけで勝手に自分のストーリーとつながるんですよ。僕も変わらないでやっていきたいなって思うんです。あと、トリのウルフルズはちゃんと観られなかったんですけど、1曲目の「ガッツだぜ!!」で心を持ってかれましたね。お客さんを楽しませるんだっていう決意を感じました。ところでピエールさんは、初日は何を観たの?
中野 9mm、矢沢(永吉)さん、サカナクション、それからandymoriかな。
やつい いいねえ。矢沢さんどうだった?
中野 ヤバかったですよ! 「レイニー・ウェイ」を歌ってるときに雨が降ってきて、そのあとに「2~3分で雨止ますから、ごめんね」って言ってホントに雨が止みましたから。
やつい すごいねえ、それ!
中野 セットリストを含めて、お客さんの期待に全部応えてましたね。ホントにすごかったです。あと9mmもandymoriもよくて。andymoriは自分のDJがあるから最後まで観れなかったけど、しみじみいいバンドだなって。アンコールで「もう1回やろう」って発言が飛び出して、びっくりしましたけど(笑)。
やつい あれは本当にポロッと出たみたいだね。
中野 みたいですね。打ち上げのときに小山田(壮平)くんとも挨拶して、「素晴らしいライブでしたよ」って握手をして。
やつい 実は僕、2日目は出演してないけど、山下達郎さんを観に行ったんですよ。仕事が早めに終わったから、東京から車を飛ばして。達郎さんを堪能してから東京戻って、次の日また山中湖に行きました(笑)。
中野 いいなあ。
やつい しかも達郎さんのときに富士山が見えて。ラストが「さよなら夏の日」なのもよかったですね。景色と音楽がハマってて。
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- 「SPACE SHOWER TV 25TH ANNIVERSARY SWEET LOVE SHOWER 2014 Day1/Day2/Day3」
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- Day12014年10月17日(金)20:00~23:00
- Day22014年10月18日(土)20:00~23:00
- Day32014年10月19日(日)20:00~23:00
- EYESCREAM12月号別冊「SWEET LOVE SHOWER 2014」/ 2014年10月17日発売 / 1200円 / 株式会社スペースシャワーネットワーク
- EYESCREAM別冊「SWEET LOVE SHOWER 2014」
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- SLSならではの対談&インタビュー
- 細美武士(the HIATUS)×菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)
- キュウソネコカミ×SHISHAMO
- ROY(THE BAWDIES)×川上洋平([Alexandros])×サイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)
- 川谷絵音(ゲスの極み乙女。/indigo la End)
- 岡村靖幸
- KEYTALK×赤い公園
- ウルフルズ
- やついいちろう(エレキコミック)×ピエール中野(凛として時雨)
- 3日間、計57アーティストのライブフォト&レポート
- あなたも写っているかも?──SLS参加者スナップ集
- バックステージ写真集
──などなど、スペースシャワーTV開局25周年を記念し、3日間開催となった2014年のSWEET LOVE SHOWERがこの一冊に!
- SLSならではの対談&インタビュー
- スペースシャワーTV「スペースシャワーTV開局25周年特別番組“25時間テレビ”」
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2014年11月29日(土) 23:30~11月30日(日)24:30
<出演者(予定)> [Alexandros] / いとうせいこう / KANA-BOON / ガリガリガリクソン / きゃりーぱみゅぱみゅ / 越野アンナ / 清水富美加 / ダイスケはん(マキシマム ザ ホルモン) / ナヲ(マキシマム ザ ホルモン) / 武井壮 / 千原ジュニア / チュートリアル / ニコル / ハマ・オカモト(OKAMOTO'S) / フラワーカンパニーズ / THE BAWDIES / 真心ブラザーズ / 三原勇希 / 森山直太朗 / YOUR SONG IS GOOD / ユースケ・サンタマリア / 渡辺祐 / and more(50音順)
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DJやついいちろう
お笑いコンビ・エレキコミックのメンバー。芸人としての活動の一方で、DJとしても活躍しており「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「COUNTDOWN JAPAN」といったロックフェスに出演し、人気を博している。自身でもお笑いと音楽を融合させたフェス「YATSUI FESTIVAL!」を主催するほか、フェスと同時期に毎年ミックスCDも発表している。現在、エレキコミックでの単独ライブを開催中。
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ピエール中野(ピエールナカノ)
凛として時雨のドラマー。高度なテクニックに裏打ちされたドラムプレイやステージで見せる独自のマイクパフォーマンスで多くの音楽ファンの支持を獲得している。CHAOTIC SPEED KING、玉筋クールJ太郎のメンバーとしても活躍するほか、DJやコラム連載でもその才能を発揮。2011年より自主イベント「ピエールナイト」を開催している。2011年9月にドラム教則DVD+BOOK「Chaotic Vibes Drumming 入門編」「Chaotic Vibes Drumming 実践編」をリリース。2014年6月にさまざまなアーティストとのセッションを収録したミニアルバム「Chaotic Vibes Orchestra」を発表した。