仮タイトルの横にローマ字で「ICHIOSHI」
──今回リリースされたアニバーサリーシングル「Every Kiss, Every Lies」の表題曲は、久保田利伸さんが手がけたナンバーですね。
TAKE 僕らの憧れの人である久保田利伸さんに曲を書いていただけたことは20周年の一番大きなプレゼントだと思います。今回、候補曲を3ついただいたんですけど、そのデモテープがどれもすごいんですよ。デモなのに久保田利伸感満載で。
KO-ICHIRO アレンジも8割がた作り込まれていて。もちろんご自身が歌われてますし、そのまま世に出てもおかしくないくらいの仕上がりでしたね。
TAKE で、3曲のうち「どれでも好きなの選んでいいよ」みたいな感じで。「その懐の深さはなんやろ!」みたいな(笑)。もうほんまに兄貴ですよね。ブラザーです。
──この曲を選んだのは何が決め手になったんでしょう?
TAKE この曲の仮タイトルの横にローマ字で「ICHIOSHI」って書いてあったから(笑)。
KO-ICHIRO あははは(笑)。
TAKE まあ、それが決め手になったっていうのは冗談ですけど、単純に楽曲のフレッシュさに惹かれたんですよね。普通、作曲者が一押ししたくなる曲っていうと、その人の個性がてんこ盛りになりすぎるものだと思うんです。でも、この曲は歌い手目線から言うと、ちょっと力が抜けているくらいの雰囲気で、そこがよかった。そういう楽曲を一押しできてしまうバランス感覚こそが久保田利伸というアーティストなんだなっていうことを改めて感じましたね。
──歌詞は久保田さんとS.O.S.の共作になっていますね。
TAKE 久保田さんはご自身で歌いながら作曲していく人やから、基本「ラララ」で仮歌が入ってたんですけど、グルーヴとフロウに合わせてところどころふわっと言葉が出てくるんですよ。で、そこも含めて一度、全部を書き直させてもらったんですけど、やっぱりもともとあった言葉には勝てなかったんですよね。だから「すみません、久保田さんの言葉をそのまま使わせていただきます」とお伝えして共作ということにさせていただいて。
──パッと聴くとラブソング的な歌詞ではありますけど、聴き手によってさまざまな対象が思い浮かぶ内容にもなっていて。そこにどんな思いを込めましたか?
TAKE まずは僕とKO-ICHIROが出会えたことと、そこから20年やってこれたことへのラック(幸運)ですよね。そして当然、応援してくれてる人たちへの感謝。さらにはこれから出会うであろう新しいオーディエンスへのインビテーション。そのすべてがこの曲には込められた気がしています。意味を1つに限定しすぎないようにしつつ、フロウとライミングが気持ちよければいいなっていう感覚で書いていきましたね。
久保田さんからはまだ感想を聞けてない……
──アレンジはどんなイメージで構築しましたか? デモの段階でだいぶ固まっていたようですけど。
KO-ICHIRO アレンジに関しても、「好きに遊んでいいよ」って言われたんですけど、そう言われることほどプレッシャーを感じることはないですよね(笑)。ただ、これだけのいい曲をいただいたわけですから、僕らが今思う最高の音で久保田さんにも喜んでもらいたいっていう思いは込めました。かつて久保田さんのトリビュートアルバム「SOUL TREE~a musical tribute to toshinobu kubota~」(2004年リリース)で「Cry On Your Smile」をカバーさせてもらったんですけど、結果的にそのテイストにちょっと似た感じにはなりましたね。Skoop On Somebodyの手クセ感が今もブレてないっていうことを久保田さんに感じてもらいたかったところもどこかにあったのかもしれないです。
TAKE この曲のテンポ感とノリからはなかなか思い浮かばないようなドラムのフィルを入れてきたところが最高だなって思いましたね。このアレンジを聴いたとき、「イエイ!」って思った(笑)。
──歌に関してはいかがでしたか? 久保田節が炸裂しているメロを歌うことの難しさもありそうですけど。
TAKE ほんまにそこもプレッシャーでしたね。歌うときの気持ちとしてはアマチュア時代に久保田さんの「Cry On Your Smile」を何度も何度も歌っていた頃に戻ったような感覚だったというか。キー的には半音下げたほうが自分的には歌いやすいんですけど、「いや、久保田さんと同じキーで歌う!」みたいな。もうね、ムキになる小学生みたいな感じですよ(笑)。自分的には挑戦的なキーだったから実は必死なところはあったけど、それを出しちゃうとR&Bではなくなるので、余裕ぶって歌うことも意識したかな。まあでも作業はすごくスムーズだったし、とにかく楽しんでやれました。久保田さんからはまだ直接感想を聞けてないから、どんな反応が来るかがちょっと怖いですけどね(笑)。
──本作を引っ提げ、6月10日からは20周年アニバーサリーツアーの第3弾がスタートします。
KO-ICHIRO 「Tonight's the night」「Stay in love」というカップリングも含め、今回のシングルの3曲はそれぞれがそれぞれのパワー感を持っていますし、僕らの音楽的な振り幅を感じてもらえる仕上がりになったと思うんです。なので、それを持って回るツアーでも、そういった僕らのよさを出したライブをお見せできればいいなと思っています。2人きりで回った「Coming 2 you」ツアーを経て、今回はフルバンドで回ることになるので、より厚みを増した音のエナジーをホールという空間で味わっていただきたいですね。
TAKE 「Every Kiss, Every Lies」をじっくり聴きこんで来てください!
- Skoop On Somebody「Every Kiss, Every Lies」
- 2017年5月24日発売 / SME Records
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初回限定盤 [CD+DVD]
2000円 / SECL-2158~9 -
通常盤 [CD]
1300円 / SECL-2160
- CD収録曲
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- Every Kiss, Every Lies
- Tonight's the night
- Stay in love
- 初回限定盤DVD収録内容
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20th anniversary LIVE Vol.1 ~「Live in gloom」at JZ Brat Sound of Tokyo 2017.2.21 LIVE & DOCUMENT~
- No Make de On The Bed
- バラ色
- 想い
- Where do we go
- sha la la
- My Life~風に吹かれて
- Skoop On Somebody 20th anniversary LIVE Vol.3
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- 2017年6月10日(土)兵庫県 新神戸オリエンタル劇場
- 2017年6月11日(日)愛知県 芸術創造センター
- 2017年6月18日(日)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
- 2017年6月25日(日)北海道 道新ホール
- 2017年7月1日(土)大阪府 サンケイホールブリーゼ
- 2017年7月2日(日)福岡県 イムズホール
- 2017年7月8日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2017年7月14日(金)宮城県 Rensa
- 2017年7月15日(土)新潟県 新潟LOTS
- 2017年7月22日(土)神奈川県 横浜ランドマークホール
- 2017年7月23日(日)神奈川県 横浜ランドマークホール
- Skoop On Somebody(スクープオンサムバディ)
- 1995年に大阪で結成。当初はSKOOPという名前で活動し、1997年にシングル「No Make de On The Bed」でメジャーデビューする。2000年に現在のSkoop On Somebodyに改名。CMソングに採用されロングヒットを記録した「sha la la」をはじめ、「BLEACH」や「エンジェル・ハート」といったアニメのテーマソングを担当する。東方神起、CHEMISTRY、関ジャニ∞などさまざまなアーティストへの楽曲提供も行う。TAKE(Vo)はブロードウェイミュージカル「RENT」に出演するなど俳優としても活動中。2017年2月にデビュー20周年を迎え、5月に久保田利伸との共作曲「Every Kiss, Every Lies」をアニバーサリーシングルとして発表した。6月よりフルバンド編成でのアニバーサリーツアーを全国で展開する。