「夢うつつ」で描きたかった景色

──このアルバムに「夢うつつ」というタイトルを付けたのはどういう理由からでしょうか？

ナガマツ　アルバムの全体的なイメージとして、なんとなくぼやっとした感じがあって。で、「タイトルは『夢うつつ』ですね」って。

──ナガマツさんは「夢うつつ」という言葉にどういうイメージを持っていますか？

ナガマツ　俺は風景が思い浮かぶような曲が好きなんですけど、今回の収録曲は全体的に景色がぼやけて見える、もやがかかってる感じがするなと思って。なんかハッキリしないと言うか。そのぼんやりしている様子が「夢うつつ」という言葉に当てはまるんじゃないかなと。特に「ZERO」を作ってるときに、そういうもやがかかった感じのする曲を描きたいなと思って。

──確かに「ZERO」は空想の物語を描いた感じがします。

ナガマツ　「ゼロ」がたくさん出てきてわけわかんなくなってる感じがいいなあと思って。でもまあ、実際はモデルになった人がいるんですけどね。

──え！「火星からきた男」？

ナガマツ　火星からは来てないですけど（笑）、そういうイメージの人が知り合いにいて。その人のことを書いてます。でもその人のことをハッキリとは言ってない感じが「夢うつつ」だなあと思って。

──そう言われると、確かに全体的に、登場人物はなんとなく想像が付くんですけど、どういうストーリーなんだろうと想像するとハッキリとは描けない感じがします。ちなみに「ZERO」のモデルになってる人はどういう人なんですか？

ナガマツ　あんまり好きじゃない人（笑）。

──でも印象的な人ということですよね？

ナガマツ　そうですね。これ以上は言いません（笑）。

ライブは心臓

──5月にはツアーが始まります。競演者には先輩も多いですが、どんなツアーになりそうですか？

ヤマグチ　俺らのツアーなんですけど、勝てるはずもないような大先輩にも出てもらうんで、食らいついていこうっていう気持ちです。

──成長できそうなツアーですね。

ヤマグチ　はい！

──SIX LOUNGEはツアーに限らず、1年中ライブをしていますよね。SIX LOUNGEにとってライブとはどういうものですか？

ヤマグチ　俺は一番大事なものだなと思います。俺自身がほかのバンドを聴くときに、音源がカッコよくてもライブがカッコよくないとダサいと思っちゃうんですよ。だから一番大事にしたい。

ナガマツ　生活の中で一番楽しい時間です。ちゃんといいドラムを叩きたいとかそういうことをもちろん思うんですけど、単純にステージに上がったら気持ちがいいんですよ。音デカいし。

──イワオさんはどうですか？

イワオ　心臓みたいな。

──と言うと？

イワオ　バンドの核にある部分と言うか。ライブをやってない人をディスってるわけじゃないですけど、ライブをやってないとバンドとして機能してない感じがして。ライブをすることで、バンドに血を送ってる感じです。

ただバンドが好きなだけ

──最初にヤマグチさんがバンドを始めたきっかけはモテるからという理由だとおっしゃっていましたけど、今3人がバンドを続ける原動力となっているものはなんですか？

ヤマグチ　今、逆に全然モテないんですよ（笑）。

──そんなことはないでしょう（笑）。でも、だとしたら、それでも続けている理由はなんですか？

ヤマグチ　長く続けてるバンドを見ているとグッとくるんですよね。続けてるからこその重みとか凄みがライブに出てて。だから俺らもそういうものが出せるように真面目にがんばろうと。

──こんなバンドになっていきたいという理想像や目標は？

ヤマグチ　細かい目標はたくさんあるんですけど、俺はとにかくバンドを続けるというのが目標ですね。

──それは長く続けるバンドのカッコよさを知ってるから？

ヤマグチ　そうですね。俺自身、何も続かないタイプの人間だったんです。何かを始めては「やだ！」って辞めて、っていう人生で。そんな俺が唯一続いてるのがバンドなので、何があっても辞めたくないなあっていう、ある意味意地みたいなところもあるかも。潔く辞めるバンドもカッコいいと思うんですけどね。

──ナガマツさん、イワオさんの続けるモチベーションはなんですか？

ナガマツ　ユウモリとほぼ一緒ですけど、単純にバンドが好きなんで、やれるまではやりたいっていうだけです。

イワオ　俺もおんなじです。

ヤマグチ　足腰が弱って立てなくなるまで、やりたいですね。