ストーリー、設定、バトルシーン……「将国のアルタイル」の魅力
──皆さんはどんなところに「将国のアルタイル」の魅力を感じてますか?
村瀬 僕は、少年が大人になっていくストーリーとして楽しんでいて。マフムートは物語が始まった当初は少年と青年の間くらいなんですけど、ストーリーが進んでいくに連れてだんだん大人になっていくんです。苦悩したり、失敗したりしながら「自分がやりたいことってなんだろう」って悩んでいる感じが僕には一番刺さって。いろんなキャラクターが出てきて、エピソードも多いし、展開自体は派手ですけどストーリーの軸はブレない。自分とマフムートが置かれている状況は全然違うんですけど、共感できる部分も多いですね。
明希 僕、こういうタッチの絵がもともと好きなんですけど、細かい設定やバトルシーンも魅力的で……特に今まで見たことがないような戦い方をするバトルシーンがすごくて。物語に入り込んで楽しんでます。
マオ 「将国のアルタイル」のストーリーって俺が弱いパターンで。悲しい過去を背負った主人公が、何かに立ち向かっていくストーリーに弱いんです。架空の階級制度とか設定も細かくて面白いですよね。マフムートが犬鷲を使って敵と戦うのとかも斬新だし……バトル系の戦記マンガなので男性向けなのかなと思いきや、女の子がキュンキュンするようなイケメンも出てきたりするので幅広い層に支持される作品なんだろうなって。
──気になるキャラクターや好きなキャラクターはいますか?
明希 やっぱりマフムートですね。彼がこの先どうなるのか……。
マオ うん。
村瀬 僕はカリルかなあ。マフムートにとって大切な存在なので。あとカリルの声を担当されている緒方賢一さんが、本当にしゃべりが自然というか、そこにカリルが実在しているような感じで演技をされるんです。
マオ へえ!
村瀬 緒方さんに引っ張っていただく中で、カリルに導かれるようにしてマフムートは歩んできたんだなというのを想像しながらアフレコをしてます。
──村瀬さんには、コミックナタリーで展開された「将国のアルタイル」の特集にもご登場いただいたんですが(参照:アニメ「将国のアルタイル」特集|村瀬歩×古川慎対談)、その際、村瀬さんに「(アニメが戦記であることにちなんで)目標に向かって戦略ほどでなくても、計画を練って実行していくタイプですか?」とお聞きしたんですね。
村瀬 そうでした。そのときは「“とりあえずやる”方式で進める」と答えましたね。
──ええ。で、マオさんと明希さんはどうなのかなと。
マオ うーん、昔はわりと直感で生きてたんですけど、ここ最近は2、3年先を見据えて活動しているので、そういう意味では戦略を立ててると言えるかもしれない。
明希 逆に僕はいまだに戦略や計画は立てられないです。きっと考えなきゃいけないんでしょうけど苦手。とりあえずやってみよう、行ってみようっていうスタンスで。
村瀬 僕と近いですね。
明希 例えば目の前に壁ができてから、「どう登る? 壊す? どうする?」って考える感じ。タイアップの曲も、先方のリクエストに応じた曲も作るけど、真逆の曲も作ったり。だから今回も何パターンか作ったんです。「アルタイル」の持つエキゾチック、異国情緒というイメージから曲は外れるけど、戦記もののストーリーに合うような曲にしたり。それは通らなかったんですけどね。
村瀬 通らなかったバージョンも聴いてみたいです!
3人の思い描く理想の座長像
──村瀬さんは今回マフムートという主人公の声を務めて、マオさんはシドのボーカリスト、明希さんはシドのベーシストであると共にAKiとしてフロントマンとしても活躍されています。言わば3人共“座長”“フロントマン”的な役割を担っているわけですが、それを務めるうえで意識していることはありますか?
村瀬 うーん、難しいなあ。
マオ 俺は今まで何もかも自分でやりたいと思うことが多かったんですけど、それを誰かに任せる勇気も必要だなと思うようになって。昔は「俺こう思ってるからこうしようよ!」ってグイグイ押し付けていたんですけど、「これは俺には出ないアイデアだな」とか思ったらアイデアを出した人に任せるべきっていう考え方になった。そういうことが、結果的に「この人頼れるな」って思ってもらえる近道なのかなって。あとは任せられるような仲間をちゃんと作ること。仕事がやりやすい環境を作って、チームとして前に進んでいくことができたときに初めてフロントマンになれるのかなと思ってます。
村瀬 奥が深いですね……。
明希 マオくんそういうことを考えてたんだ。昔も今も、マオくんがバンドを引っ張ってくれてたイメージが強いし、いろんなことを考えてバンドのことを俯瞰で見て活動していた印象があるんだよね。俺はそういうことができないから、自分の得意なことを追求して、ステージ上でどういう振る舞いをすればいいのか考えて。ここ数年はマオくんに合わせたメロディやアレンジを考えるようになったり。ソロのAKiのときはフロントマンではあるんですけど、自分のもっと核にある音楽を表現したいという思いで立っているので、シドのフロントマンをやるのとは違う気がするんです。だからフロントマンとしての意識と言われるとちょっと答えるのが難しくて……でも、俺の中で理想のフロントマンはマオくんですね。
村瀬 僕は今回、主人公の声をやらせていただいて「ストーリー面白いな」「このキャラクター好きだな」という思いはあるんですけど、主役だからと言って演じるにあたって気持ちは変わらなくて。主役をやるときも、ゲストで呼ばれたときも、担当する役に対して優劣を付けないようにしてるんです。「主役だからがんばろう」というのはなしで、仕事に対する気持ちの持って行き方は同じにしてます。そうじゃないと作品に対して失礼だと思ってて。ただ……。
マオ ただ?
村瀬 マオさんのお話を聞いて、主役としてトップクレジットにいる以上、それぞれの声優さんたちの個性を把握したうえでやりやすい現場の環境を作っていきたいなと思いましたね。僕が声優を続けていたら、マオさんがおっしゃっていたことがもっと身に染みるのかな。座長だから現場の空気は大事にしつつ、キャラクターを大事にしすぎない。そういった意識を持ちながら仕事をしていきたいですね。
シドと村瀬歩がコラボしたら?
──最後に、もしシドと村瀬さんがコラボするとしたら、どんなことをしてみたいですか? 村瀬さんも歌を歌われますし、音楽でしょうか?
村瀬 あの……今、声優さんがキャラクターソングを歌うことが増えてて。なぜか僕も歌わせていただく機会があるんです。
明希 村瀬さんの歌、聴いてみたいですね。
マオ こうなったらコラボしましょうよ。
明希 俺、曲書きますよ。
村瀬 えええっ! そんな恐れ多い。でも、アニメのキャラクターソングをシドさんが作ったらどうなるのか気になりますね。例えば「アルタイル」だったら、マフムートのキャラソンをシドさんが作ったらどうなるんだろうとか……そういうのは興味があります。
マオ それは俺らにとっても新しい試みですね。オープニングテーマや主題歌を作るのとは全然違いそうだな。作品にさらに踏み込む必要があるし、けっこう気合い入れていかないと。ちゃんとキャラクターのことを把握してないといけないし。
明希 そうだね。
村瀬 シドの皆さんは、普段キャラクターソングを作ってる作家さんとは違う感性を持っていると思うので、刺激的な楽曲を作っていただけそう。あくまで妄想の範疇ですけど(笑)。
マオ でも、すごく面白そうだな。
- シド「螺旋のユメ」
- 2017年8月2日発売 / Ki/oon Music
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初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / KSCL-2943~4 -
通常盤 [CD]
864円 / KSCL-2945 -
アニメ盤 [CD+DVD]
1620円 / KSCL-2946~7
- CD収録曲
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- 螺旋のユメ
- 螺旋のユメ -Instrumental-
- 螺旋のユメ -TV Size-
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 螺旋のユメ(Music Video)
- 螺旋のユメ(Photo Session / Music Video Making)
- アニメ盤DVD収録内容
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- 螺旋のユメ(Music Video)
- TVアニメ「将国のアルタイル」ノンクレジット オープニング映像
- シド「NOMAD」
- 2017年9月6日発売 / Ki/oon Music
-
初回限定盤A [CD+DVD]
3900円 / KSCL-2951~2 -
初回限定盤B [CD+写真集]
3900円 / KSCL-2953~4 -
初回仕様限定盤 [CD]
3100円 / KSCL-2955
- SID TOUR 2017「NOMAD」
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- 2017年9月23日(土・祝)千葉県 森のホール21
- 2017年9月24日(日)千葉県 森のホール21
- 2017年10月1日(日)福岡県 福岡市民会館
- 2017年10月8日(日)神奈川県 厚木市文化会館
- 2017年10月12日(木)大阪府 オリックス劇場
- 2017年10月15日(日)新潟県 新潟テルサ
- 2017年10月21日(土)群馬県 ベイシア文化ホール
- 2017年10月27日(金)東京都 東京国際フォーラム ホールA
- 2017年11月3日(金・祝)兵庫県 神戸国際会館
- 2017年11月4日(土)京都府 ロームシアター京都
- 2017年11月7日(火)埼玉県 大宮ソニックシティ
- 2017年11月11日(土)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- 2017年11月12日(日)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- 2017年11月21日(火)東京都 中野サンプラザホール
- 2017年11月23日(木・祝)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
- 2017年11月25日(土)北海道 わくわくホリデーホール
- シド
- マオ(Vo)、明希(B)、Shinji(G)、ゆうや(Dr)からなる4人組ロックバンド。2003年に結成され、翌年1stアルバム「憐哀 - レンアイ -」をリリース。2006年には初の日本武道館ワンマンライブを敢行。2008年10月にアニメ「黒執事」第1期オープニングテーマとして採用された「モノクロのキス」でメジャーデビューする。2009年7月にはメジャー1stアルバム「hikari」をリリースした。その後も精力的なリリースとライブ活動を繰り広げ、2010年7月には埼玉・さいたまスーパーアリーナ、12月には東京・東京ドームでライブを行う。結成10周年を迎えた2013年は初のベストアルバム「SID 10th Anniversary BEST」のリリースをはじめ、アニバーサリーライブなどさまざまな企画を実施。2017年1月に劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」の主題歌として書き下ろしたシングル「硝子の瞳」を、5月にはシングル「バタフライエフェクト」を発表し、日本武道館で2DAYSライブを実施した。8月にアニメ「将国のアルタイル」のオープニングテーマ「螺旋のユメ」を収録したシングルを、9月にアルバム「NOMAD」をリリースする。
- 村瀬歩(ムラセアユム)
- アメリカ合衆国出身、1988年12月生まれの声優。2012年より声優としての活動を始める。主な出演作は「ハイキュー!!」(日向翔陽役)、「D.Gray-man HALLOW」(アレン・ウォーカー役)、「怪盗ジョーカー」(ジョーカー役)など。
© カトウコトノ・講談社/将国のアルタイル製作委員会