音楽ナタリー PowerPush - テレビアニメ「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-」Blu-ray / DVD発売記念特集 林哲司インタビュー
“歌謡曲”を塗り替えたパステルカラーの音楽
この夏TOKYO MXほかで放送されたテレビアニメ「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-」。5人組男性アイドルグループ「少年ハリウッド」の成長と葛藤が描かれたこの作品では、劇中でアイドルたちが歌う楽曲に大きな注目が集まった。この劇中曲の多くを手がけたのは、杏里「悲しみがとまらない」、杉山清貴&オメガトライブ「ふたりの夏物語」など数多くのヒットソングを世に送り出してきた作曲家・林哲司。都会的で洗練されたメロディをお茶の間にまで浸透させた、日本が誇るヒットメーカーの1人だ。
ナタリーではアニメのBlu-ray / DVD vol.1発売を記念して、林へのインタビューを実施。そのルーツや過去のディスコグラフィを紐解きながら、独特の色香を放つ“林哲司メロディ”の魅力と「少ハリ」楽曲の舞台裏に迫った。
取材・文 / 臼杵成晃 インタビュー撮影 / 笹森健一
「アニメ×小説×ぜんハリ」プロジェクト
テレビアニメ「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-」は、橋口いくよによる小説「少年ハリウッド」から派生した「アニメ×小説×ぜんハリ」プロジェクトの一環として生まれたもの。小説版の15年後を舞台にした作品で、小説の中に描かれていた“初代”少年ハリウッドの名を受け継いだ5人の少年たちの奮闘ぶりが全13話で描かれた。
“ぜんハリ”ことZEN THE HOLLYWOODは「少年ハリウッド」プロジェクトの楽曲を公式にパフォーマンスするアイドルユニットとして2013年4月より活動している。ぜんハリやアニメ内の少年ハリウッドが歌う楽曲は本格的なアイドルポップスで、その多くを手がけているのは、日本のポップスシーンに多数のヒットソングを送り出してきた作曲家・林哲司。林はKohei by SIMONSAYZ、H&H、heroら若い作家陣とともに、80'sポップスを彷彿とさせる楽曲からコテコテの演歌まで、バリエーション豊かな“少ハリ”楽曲を提供している。各回ごとに異なる楽曲が使われたエンディングテーマや、架空の音楽番組をまるまるオンエアしたような第10話「ときめきミュージックルーム」など、アニメは音楽的な側面からも大きな話題を集めた。
全6巻のアニメBlu-ray / DVDの連続リリース、キャラクターソングCDの発売、“ぜんハリ”のライブ、そして来年1月よりオンエアされるアニメ第2期「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-」と、さらに拡張を続ける「アニメ×小説×ぜんハリ」プロジェクト。今後の展開にも注目しておこう。
テレビアニメ「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-」あらすじ
かつて、伝説のアイドルユニットと呼ばれた『少年ハリウッド』が活躍していた劇場「ハリウッド東京」。彼らの解散から15年……。劇場に集められた十代の少年達、風見颯、佐伯希星、甘木生馬、富井大樹、舞山春は、自分達がこの先どうなるのかもわからないまま、日々レッスンに励んでいた。
そんなある日、彼らが所属するノエルジャパンエージェンシーのシャチョウから、自己紹介の特訓をするように指示が出る。マネージャーの勅使河原も交え、熱い指導が行われるが、心が折れかける者多発。なぜなら、それは世にも恥ずかしい自己紹介だったからだ。
しかし、そんなところで、立ち止まっている場合ではないのであった。なんと、シャチョウから、彼らは新生「少年ハリウッド」として活動していくことが発表されたのだ。アイドルとして活動することを、心から喜ぶ者もいれば、嬉しそうじゃない者、まだ何が起こっているかピンときていない者、あらゆる感情が渦巻きながら、新生「少年ハリウッド」が動き出す!
劇中曲
- ハロー世界 / 少年ハリウッド
[作詞:橋口いくよ / 作曲:林哲司 / 編曲:Kohei by SIMONSAYZ] - ハロー世界 Popcorn ver. / 少年ハリウッド
[作詞:橋口いくよ / 作曲:林哲司 / 編曲:安部潤] - 永遠 never ever / 少年ハリウッド
永遠 never ever / 初代少年ハリウッド
[作詞:橋口いくよ / 作曲:林哲司 / 編曲:Kohei by SIMONSAYZ] - 永遠 never ever Bitter Chocolate ver. / 舞山春(CV:小野賢章)
[作詞:橋口いくよ / 作曲:林哲司 / 編曲:下谷淳蔵] - エアボーイズ / 少年ハリウッド
[作詞:橋口いくよ / 作曲:林哲司 / 編曲:佐伯高志] - チェリーチャンス / 高杉ちえり
[作詞:橋口いくよ / 作・編曲:林哲司] - 赤い箱のクラッカー~Let's Party~
[作詞:橋口いくよ / 作曲:林哲司 / 編曲:Kohei by SIMONSAYZ] - 三嶋限界線
[作詞:橋口いくよ / 作曲:林哲司 / 編曲:岩本正樹] - ハリウッドルール1・2・5
[作詞:橋口いくよ / 作曲:H&H / 編曲:林哲司] - 運気上昇イエローパンチ
[作詞:橋口いくよ / 作・編曲:Kohei by SIMONSAYZ] - マジでJIN JIN
[作詞:橋口いくよ / 作・編曲:Kohei by SIMONSAYZ] - 子鹿のくつ
[作詞:橋口いくよ / 作曲:hero / 編曲:R・O・N] - ENDLESS STRIPE
[作詞:橋口いくよ / 作曲:hero / 編曲:志熊研三]
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- Blu-ray / DVD「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49- vol.1」2014年10月8日発売 / スターチャイルド
- 「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49- vol.1」
- Blu-ray+CD / 6480円 / KIZX-153~4 / Amazon.co.jp
- DVD+CD / 6480円 / KIZB-161~2 / Amazon.co.jp
収録内容
収録話数:テレビ放送第1~2話
音声&映像特典
- 各話ノンクレジットエンディング
- アニメ「少年ハリウッド」最初で最後の製作発表会!~ハリウッド東京に神光臨マヂカ~【前編】
(出演:蒼井翔太(富井大樹役)/ 小野賢章(舞山春役)/ 阪口大助(富井実役)/ 鈴木裕斗(大咲香役)/ 保志総一朗(広澤大地役)
特典CD収録内容
- 第1話エンディングテーマ「ハリウッドルール1・2・5」風見颯(CV:逢坂良太)、甘木生馬(CV:柿原徹也)、佐伯希星(CV:山下大輝)、富井大樹(CV:蒼井翔太)、舞山春(CV:小野賢章)
- 第2話エンディングテーマ「子鹿のくつ」風見颯(CV:逢坂良太)
封入特典
- 各話エンディング主題歌ポストカード
- ブックレット
初回プレス分 封入特典
- 特別バッジ
- オフィシャルバッジ応募券
- vol.1~3連動イベント参加抽選券
収録曲
- ハロー世界
- 永遠never ever
- ハロー世界 off vocal ver.
- 永遠never ever off vocal ver.
歌:少年ハリウッド[風見颯(CV:逢坂良太)、甘木生馬(CV:柿原徹也)、佐伯希星(CV:山下大輝)、富井大樹(CV:蒼井翔太)、舞山春(CV:小野賢章)]
林哲司(ハヤシテツジ)
1972年チリ音楽祭をきっかけに、翌1973年にシンガーソングライターとしてデビュー。以後作曲家としての活動を中心に作品を発表し、洋楽的なポップスセンスはいち早く海外でも高い評価を集める。1977年にはイギリスのバンドJigsawに提供した「If I Have To Go Away」はアメリカやヨーロッパでヒットを記録した。1970年代後半からは日本のアーティストに数多くの楽曲を提供し、竹内まりや「セプテンバー」、上田正樹「悲しい色やね」、杏里「悲しみがとまらない」、杉山清貴&オメガトライブ「ふたりの夏物語」などヒットを連発。洗練されたメロディとサウンドでヒットチャートや音楽番組に新たな風を吹かせた。そのほか映画「ハチ公物語」「遠き落日」「釣りバカ日誌13」やテレビドラマ「人生は上々だ」「ブランド」などの劇伴も多数手がけ、Jリーグ・清水エスパルスの公式応援歌や国民体育大会「NEW!! わかふじ国体」などのテーマ音楽も担当。2000年代からはチープ広石、吉田朋代とのユニット・GRUNION(グルニオン)でも活動し、2011年4月には杉山清貴とのコラボレーションアルバム「KIYOTAKA SUGIYAMA MEETS TETSUJI HAYASHI REUNITED」を発表した。2014年7月より放送されたテレビアニメ「少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-」ではキャリア初のアニメ劇伴を手がけ、オープニングテーマ「ハロー世界」ほか多くの楽曲を提供した。
(C)ノエルジャパンエージェンシー