音源は一番曲が輝く形で

森　このアルバムって「I like it」みたいなR&Bっぽいのもあれば、バンドサウンドの曲もあって不思議なアルバムだよね。

諸石　1枚のCDの中に1人の人間が作ったとは思えないほどのバリエーションの曲が入ってるよね。自分で言うのもアレですけど、ポップバンドが出すアルバムの究極だと思う。

森　やっぱりシゲが作曲者として、曲のイニシアチブのすべてを持っていて、そこに4人が合わさるっていうこの感じがシギーっぽさの一因なのかな。全員で曲を作るバンドとは違うというか。

──作曲者が複数いるゆえのバリエーションの豊かさではなく。

森　そうそう。なんかバンドという形態なんですけど、演奏がないほうがいいものになるのであれば演奏しなくてもいいやってなっちゃうんですよ。うちらはそこにこだわりがない。

池田　制作においては曲が一番生きる形がいいよね。ライブはライブでまた別で、生でやりたいっていうこだわりはすごくあるんですけど。やっぱりみんなが茂幸くんの曲が好きで、これがもっと世間に広まってほしいという気持ちが強い。自分たちのエゴというよりかは曲が一番輝く状態であってほしい。

森　だからですねえ。バンドですけど、バンドサウンドであることに固執しないというか。

原田　みんな柔軟だよね。

森　うん。「絶対弾きたい！」とか言わないもんね。必要だったら弾くしって感じ。