叶姉妹を敬愛する柴田聡子 夢のファビュラス人生相談 (2/3)

タメ口でよいですよ

柴田 今回お二人にお聞きしてみたいことがあれば、と貴重なご提案をしていただき、とてもうれしいです。ありきたりな質問ばかりとなってしまいましたが、用意してまいりました。本当にいろんなところでお聞きされて……お伺いされているかもしれないんですが……。

恭子 タメ口でよいですよ。

柴田 えー!(笑) いや、それは……。

恭子 わたくしたちに気を使いすぎて変な敬語になっていらっしゃるので。

柴田 美しい言葉を使い慣れていないので……。

恭子 著名な方でもそういった方は多いですが、わたくしたちは新鮮な気持ちになります。好きな感覚です。

柴田 ありがとうございます……! それでは無理せずにしゃべっていきたいと思います。Podcastでもよく自然の素晴らしさをお話しされていますし、お二人はこれまでたくさんのところを旅されてきたと思います。

柴田聡子

柴田聡子

恭子 はい。

柴田 その中で特に忘れられない地球の風景はありましたでしょうか?

恭子 いえ、すべて忘れました。

柴田 なるほど、すべて……えー!(笑)

美香 姉の話ですよ! 私はすべて覚えています(笑)。

恭子 全部素晴らしいのですよ。でも、わたくしは例えるなら旧型で、メモリーがたくさんないのですよ。わたくしの中に残しておけるものはあまりないのです。あんなにも焦がれていたピラミッドとスフィンクスに対面したときもそう。自然と涙がこぼれるくらいに感動したにもかかわらず、3日後にはもう帰りたかった……。飽きるのも早いのですよね。

美香 そうですよね。

恭子 好奇心は強いのですが、どれほどアメージングなものであっても一瞬でわたくし自身の中に溶け込んで満足するのでしょう。稀有な経験値が高すぎるのでしょうね。

美香 柴田さんが行きたい場所はあるのですか?

柴田 私はアリゾナの自然とイグアスの滝、フィヨルド、オーロラを見てみたいと思っていて。アリゾナやイグアスの滝に行くと、地球の割れ目を見れたり、地球がどうやって隆起してきたかを感じられるという話を人から聞いて「それはちょっと行ってみたいな」と思ったんです。フィヨルドだったら水がどうやって土地を削っていくかとか……。

恭子 今のお話の中で「割れ目」とおっしゃったのですけど、あれは「割れ目」ではなく、ちょっとした「かすり傷」……わたくしはそのように感じました。教科書で習ったり、人から聞いたり、事前に与えられた知識があると思うのですが、行ってみたときにご自身でどう感じるかが大切だと思うのですよ。

柴田 確かに……お二人の自分がどう感じるかを大事にするところが本当に大好きだなと改めて思いました。そして、やはり自分はまだまだとらわれている感じもするなと思って。

美香 私も姉とPodcastで話していて「えー!」って思うことがたくさんありますし、考え方とか物の見方とかが違うのですよね。

恭子 ふふふ。すみません、わたくしがいっぱいしゃべってしまって、お話しされたこととは違うところ、遥か遠くのところにまで行ってしまいますね。

美香 寄り道しちゃったり。

柴田 いえ全然です!

恭子 ご質問をぜひ。

柴田 それでは……お二人はお休みの日はどうやってお過ごしになられていますか?

恭子 わたくしたちにお休みはないのですよね。特に美香さんは本当に大変だと思います。だから今日もこうしてZoomでのやり取りになってしまって。

柴田 いえいえ、本当にありがたいです。いろんな方が大好きな人に質問をするときに、混乱してしまっているのか「お休みの日はどうやって過ごしますか?」と聞いている姿を見てきたので、自分もそのように聞いてしまいました。

柴田聡子

柴田聡子

恭子 わたくしも今、そのような柴田さんのメンタリティを垣間見ました。まさしくそうなのだろうなと。聞いてみたいことはたくさんある。たくさんありすぎる。でも、なんだろう……と。そうなっていらっしゃる柴田さんが見えました。しかし、それをご自分でわかっていらっしゃることが素晴らしいですね。

美香 そうですね。

向かってくる敵は全部踏み潰す

柴田 私がPodcastで特に記憶に残っているのは、お二人が大好きな映画を語る回で。そこでお二人は「なぜプレデターやエイリアンはカニとかエビに似ているのか、誰かがそれを見たことがあるということなのか」というお話をされていたんですよね。

恭子 付け加えると、エイリアンたちは切られたときに必ず血が青緑なのですよ。それはなぜなのだろう?とわたくしは思うのですよね。

美香 そう言われるとそうですね。

恭子 切られたら血が出るというのは人間のシステムであって、必ずしもエイリアンに当てはめなくてもよろしいのではないか。わたくしはどうしてもそんな無駄なことを考えるのです。

柴田 なんというか、人間を中心に世界を考えてしまっているところがあるのかもしれないですね。こういうことに気付けるのもお二人だからこそなのかなと思います。

恭子 わたくしは皆さんが絶対に観ることもないような、時間の無駄だと思われるようなB級映画も好きなのですよね。例えば「ムカデ人間」とか。でも「ムカデ人間」は「2」とか「3」もあるのですよ。ということは、そういうB級映画もけっこうファンの方がいらっしゃる。

美香 サメ映画も「なんだこれは」というような作品がいっぱいあって、コアなファンがいますよね。

恭子 あまりにもバカらしいから面白いのですよね。好んで観ているとは言いたくないのですが、一般的には残酷と言われるような映画もわたくしはけっこう観ておりまして。ギャスパー・ノエ監督はご存じですか?

柴田 存じ上げております。

美香 わりとコアというか変わった映画を作られるフランスの監督ですよね。

恭子 何かご覧になりましたか?

柴田 「アレックス」や「LOVE 3D」を観ました。

恭子 「アレックス」もそうですし、グロテスクで刺激的な映画が多いですよね。わたくしたちはノエ監督と一緒にお食事をしたことがあって。そのとき、ほとんどわたくしがしゃべっていたのですけども、あのような映画を作っていらっしゃる方とはとても思えないような……なんでしょうね、怯えているような感じだったのですよね。わたくしとは絶対に目を合わせないのです。

美香 私とは合わせるのですよ。でも姉とは合わせない。

恭子 美香さんは一緒に遊園地も行ったのよね。

美香 フランスに野外遊園地があって、そこへ一緒に行こうと誘われまして。

恭子 そんなふうに美香さんへの対応とわたくしへの対応がまったく違う。無邪気でフレンドリーでかわいらしい方だと聞いていたのに……。

美香 姉にじっと見られて怯えていたのかもしれないです。

恭子 わたくしは人間観察が好きなのです。

柴田 映画に関する質問があるのですが、もしもお二人が「マッドマックス 怒りのデス・ロード」に出てくるような荒野を行くとしたら、どんな乗り物に乗っていきたいですか?

恭子 「マッドマックス」のどの作品?

柴田 最新作の……。

美香 シャーリーズ・セロンが出ているものですね。

柴田 そうです!

恭子 「マッドマックス」シリーズは、どれも似通っていて同じような内容なのですけど、わたくしは好きなタイプの映画なので、けっこう観ているのです。また同じだろうなと思いながら観てしまう自分がいる……そういう面白さです。

美香 何に乗りたいですか?

恭子 何に乗りたいかと言えば、完全無敵なものじゃないですか。あそこに出てこられないくらいのもの。戦車のようなもの。

柴田 具現化が難しいようなものですかね……。

恭子 いえ、全然難しくなく、戦車のようなもの。と言っても、昔のような暑苦しい戦車ではなくって、中がクリーンで、とても快適に過ごせる最新の戦車。そして、向かってくる敵は全部踏み潰す。

柴田 おお……。

恭子 ありとあらゆる武器が付いたもの。ちゃんとノコギリも付いていて。

柴田 それでなぎ倒していく感じですね。

恭子 なぎ倒すというよりも踏み潰していく。

美香 私はその横におります。

叶姉妹

叶姉妹

柴田 戦車を乗り回すお二人はカッコいいでしょうね……。いつかそんな映像が観たいなと思います。

恭子 でも戦車の中だと姿が見えないものね。

柴田 あっ、そうですね……。

美香 シースルーの戦車があればいいですね。

柴田 わあ、いいですね(笑)。

恭子 いわゆる防弾ガラスみたいなものでしょう?

美香 そうですね。

柴田 本当に映像化していただきたいですね。

恭子 わたくしも今そう思いました。

柴田 ですよね、巨匠に……。

恭子 今こんな話をしていますが、わたくしは平和主義者で、世界平和を願っています。あくまで映画の話です。でも、だから映画はいいのですよ。夢があるから。タコの足が付いたサメだって出てくることができるし。

美香 映画だからこそですね。

柴田 お二人が映画を愛する理由がよくわかりました。