聴く人にハッピーになってほしい

──ベスト盤は曲順もすごく凝っている印象を受けます。

浅井　うん、相当練ったね。これだけの曲を作って来られてよかった。たくさんの人に聴いてもらいたいな。

──通常盤では1枚に曲がまとめられていますね。

浅井　通常盤は体験版みたいなものだね。

──初回限定盤と通常盤、それぞれに新曲が1曲ずつ収められますが、どちらもベスト盤のために制作された曲なんでしょうか？

浅井　そう。今までのSHERBETSにない雰囲気を出そうと思ったのが初回限定盤の「愛が起きてる」で、通常盤の「Yesterday」は俺たちならではの世界観、素朴な感情を歌った曲だね。

──「愛が起きてる」は四つ打ちのリズムが新鮮です。

浅井　四つ打ちの曲は今回が初めてではないけど、みんながこの曲を聴いて踊ってくれればいいな。

──歌詞もいいですよね。

浅井　前向きな歌詞にしたくて。聴いてる人がハッピーになる感じ。

いろんなことがあって、本当に楽しかった

──ベスト盤を発売することに感慨深い思いはありますか？

浅井　とうとうベスト盤を出すときが来たかって思うね。これまでの曲を聴いて、その時代の歌をちゃんと歌えてきたって実感できた。奇跡的な曲がいろいろあってびっくりする。

──これまで作った曲で、自分でも存在を忘れてるものもあります？

浅井　CDに収録されている曲は覚えてても、デッドストックになってる曲は忘れているのもあるね。

──そうなんですね。今日、改めて20年間を振り返ってみて何か感じるものはありましたか？

浅井　いろんなことがあって、本当に楽しかった。すごくいい曲をたくさん残せたことは喜びでしかないね。SHERBETSは自分の中の宝です。

外村　ライブで前にいる3人を見ていて、よくこんな面白い人たちと出会ったなってたまに思う。

浅井　不思議だね、出会いは。

仲田　まあ20年間山あり谷ありいろいろあったけど、11枚のアルバムはどれも素晴らしいし、この4人でなければ作れなかったものだと思う。これからも続けていければいいね。

福士　20年という数字を見たら時間の経過を実感するけど、そのときどきにただ一生懸命やってきて。いいアルバムを多く残しながらバンドを続けるのって難しいことで、本当に相性がよかったと言うか、運命の出会いをしたんだなってつくづく感じます。SHERBETSですごい音楽を残したいなって思ってたからやって来れたし、ずっと私たちの音楽を聴いてくれる人がいるってことがすごいことだとも思う。やっぱり人間にとって必要とされることが大事で、エネルギーになるから。この20年は宝物です。

──活動休止期間があってもメンバーは誰1人入れ替わらず、多くの作品を残して来れたのは素晴らしいことですね。このあとの活動については何か考えていますか？

浅井　新しいアルバムを作りたいという思いがあるね。

──今も浅井さんは浅井健一 ＆ THE INTERCHANGE KILLSといったほかのバンドでも活動していますけど、その中でもSHERBETSは特別ですか？

浅井　そうだね。やっぱり世界観が全然違うと思う。

──10月から11月にかけては全国8都市でライブツアーが開催されます。

福士　ファンの人たちにも会えるうれしさや、ありがたさをすごく感じているから、ライブでは素直に自分たちらしさを出したいですね。

──ベスト盤を携えてのツアーということで、初期の曲も演奏されるんでしょうか。

浅井　まあ、バランスよくやります。最高の演奏をして自分たちも楽しんで、お客さんと一緒に盛り上がりたい。それだけですね。