SHANK|「今までで一番真剣に音楽をやった」SHANKに訪れた変化とは

曲作りにLogicを導入

──ワンマンライブ、「BLAZE UP NAGASAKI」と年明けからトピックが多かったと思いますが、新作ミニアルバム「WANDERSOUL」の制作はいつ頃行っていたんですか?

松崎 年始から4カ月くらいですかね。

庵原 今回の制作からLogicを使い始めたので、制作はだいぶスムーズになったよね。

松崎 そうね。あんまりスタジオに入らずに、俺と将平がパソコンである程度曲を作って編集してって感じだったので、無駄な時間はなかったよね。

──SHANKがLogicを取り入れたというのはずいぶん大きな変化ですね。

庵原 スタジオだと「どうしようか」と言ってうだうだしてるだけの日とかあって無駄やったんですよね。Logicだと家で思い付いたものを兵太に送って、ギター入れて返してもらって、それにメロディ入れて、で、スタジオに行ったらもう曲が完成してる。

──とは言え、3人でスタジオでセッションすることによって生まれるものもあるんじゃないですか?

松崎 いや、もうないですねえ。と言うか、それにすごく時間がかかるんで。

──じゃあ今回はLogicだけで作ってみようと。

庵原 そうですね。個人的にはLogic使ってよかったです。

松崎 俺も!

今までで一番真剣に音楽をやった

──できあがった作品の手応えとしてはいかがですか?

松崎 いいですね。気になるところが少ないと言うか。「ここ、こうしたらよかったな」みたいなところがほとんどない。

庵原 個人的にはその4カ月くらい、今までで一番真剣に音楽をやったなって感じがします。まったく家から出なかったですもん。寒かったっていうのもあるよね?

松崎 そう、冬やったけん、よかったよね。「もう家から出らん」って決めて。

庵原 大寒波が来たときだったのでちょうどよかったです。

松崎 作ってる段階からずっと、今回のアルバムはこれまでの作品の中で一番いいなと思ってます。まあ毎回思うんですけど。

池本雄季(Dr, Cho)

──池本さんは出来上がった作品の手応え、どうですか?

池本 2人から、できた曲が送られて来て「いいなあ」って。

松崎 こいつ本当に制作、何も関わってないんで。

──テーマや核になった曲があれば教えてください。

庵原 特にないですね。全部で7曲っていう少ない曲数なので、1曲ずつキャラは変えたいなと思って作っていて。なので全部が核と言うか。

松崎 ミニアルバムなんで、フルアルバムみたいにきれいにまとめようとするんじゃなくて、個性の強い曲を並べるほうがいいよねって話して作り始めた気がします。

「Knockin'on the door」を再録

──ではここからは個性の強い収録曲群について聞かせてください。今作は新曲に加えて、2012年リリースのシングル「Wake me up when night falls again」収録曲で、ライブでの人気曲ともなっている「Knockin'on the door」の再録バージョンが入っていますが、この曲を再録しようと思ったのはどうしてですか?

庵原 この曲は「Wake me up when night falls again」にしか入ってないんですけど、そのシングルが廃盤になってしまったので、持ってない人はもう音源で聴くことが不可能になって。ライブでもよくやるし、この曲だけ形として世に残らないのは嫌だった。

──そうだったんですね。改めてこの曲が作られた背景を聞かせてもらえますか?

庵原 「でんでらりゅう」という長崎のわらべ歌がモチーフです。

──イントロのギターリフと、間奏のシンガロングパートで使われているフレーズですね。

松崎 長崎でバンドをやってるんだし、長崎っぽい要素を入れられないかなって思って、このフレーズを持っていったのが始まりです。

庵原将平(Vo, B)

庵原 「でんでらりゅう」って実はすごくドープな歌なんです。長崎に昔、丸山遊郭っていう遊郭があって、そこに囲われた遊女たちの「外に出たいけど出られない」という気持ちを歌った曲。

松崎 みんなが知ってるわらべ歌ですし、そういうバックボーンがあるのもいいなと思って使いました。

──「Knockin'on the door」の歌詞はそこからインスピレーションを受けたものですか?

庵原 いや。歌詞に関してはインタビューでは載せられないような内容です。って言うか俺もよくわかってないです。

──再録するにあたって、アレンジも変わっていますね。

庵原 この曲をレコーディングした当時はそんなに詰めてなかったから、裏拍と表拍が合ってないところとかがけっこうあって、気持ち悪いなと思っていたので修正したり。あとはギターソロも変えたよね。

松崎 当時は何も考えずに作ったので、あのソロ、弾きにくいんですよね。

庵原 こぶし効いとったもんね。

松崎 僕もパソコンで曲を作ってるうちにギターの勉強をするようになって。そしたら「こういうふうに弾いたほうがいいんだ」とか「このフレーズはこのメロディには合ってないんだ」とかわかってきた。その知識を生かして、あんまりこぶしの効いた感じじゃなくて、さわやかな感じにしました。

──池本さんは?

池本 ドラムもけっこう変わってますけど、「こう変えようよ」って2人に言われてその通りに変えただけなんで。

──ドラムのアレンジもお二人が?

庵原 うん。この人ができると思わないほうがいい。

池本 ふふふふ(笑)。

松崎兵太(G, Cho)

──録り直しみていかがですか?

松崎 しっくりきた。

庵原 うん。真剣に音楽に向き合うって大事やな。コーラスではHEY-SMITHのYUJI(B, Vo)くんとホーン隊(満[Sax]、かなす[Tb]、イイカワケン[Tp])に参加してもらって厚みも出ました。

──コーラスパート、楽しげだなと思いました。HEY-SMITHのメンバーだったんですね。

庵原 ちょうどレコーディングしてるスタジオが一緒で、時期もかぶってたので、「いるなら来て」って。利用してやりました。そのほうが売れるかなって思って(笑)。

SHANK「WANDERSOUL」
2018年9月5日発売 / BAiTFiSH RECORDS
SHANK「WANDERSOUL」

[CD]
1944円 / CTCD-20087

Amazon.co.jp

収録曲
  1. Phantom
  2. Grassroots
  3. Midsummer's Wave
  4. Smash The Babylon
  5. Knockin' on the door
  6. Wake Up Call
  7. Extreme
ツアー情報
SHANK「WANDERSOUL TOUR 2018-2019」
  • 2018年10月7日(日) 北海道 札幌PENNY LANE24<出演者> SHANK / Crystal Lake
  • 2018年10月9日(火) 青森県 LIVE HOUSE FOR ME<出演者> SHANK / Crystal Lake
  • 2018年10月11日(木) 秋田県 Club SWINDLE<出演者> SHANK / Crystal Lake
  • 2018年10月21日(日) 沖縄県 桜坂セントラル<出演者> SHANK / MEANING
  • 2018年10月30日(火) 静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠<出演者> SHANK / Track's
  • 2018年11月1日(木) 兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎<出演者> SHANK / and more
  • 2018年11月4日(日) 京都府 KYOTO MUSE<出演者> SHANK / and more
  • 2018年11月10日(土) 宮城県 Rensa<出演者> SHANK / and more
  • 2018年11月11日(日) 茨城県 mito LIGHT HOUSE<出演者> SHANK / and more
  • 2018年11月13日(火) 神奈川県 F.A.D YOKOHAMA<出演者> SHANK / NOISEMAKER
  • 2018年11月14日(水) 千葉県 千葉LOOK<出演者> SHANK / NOISEMAKER
  • 2018年11月17日(土) 岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM<出演者> SHANK / dustbox
  • 2018年11月18日(日) 山口県 周南RISING HALL<出演者> SHANK / dustbox
  • 2018年12月1日(土) 石川県 金沢EIGHT HALL<出演者> SHANK / ENTH
  • 2018年12月2日(日) 新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE<出演者> SHANK / ENTH
  • 2018年12月15日(土) 香川県 高松MONSTER<出演者> SHANK / and more
  • 2018年12月16日(日) 愛媛県 WStudioRED<出演者> SHANK / and more
  • 2018年12月20日(木) 熊本県 Django<出演者> SHANK / and more
  • 2018年12月21日(金) 福岡県 BEAT STATION<出演者> SHANK / and more
  • 2019年1月22日(火) 大阪府 BIGCAT<出演者> SHANK / and more
  • 2019年1月24日(木) 愛知県 DIAMOND HALL<出演者> SHANK / and more
  • 2019年1月27日(日) 東京都 新木場STUDIO COAST<出演者> SHANK / and more
  • 2019年2月3日(日) 長崎県 Studio Do!<出演者> SHANK / and more
SHANK(シャンク)
SHANK
長崎在住の庵原将平(Vo, B)、松崎兵太(G, Cho)、池本雄季(Dr, Cho)からなるスリーピースバンド。スカの要素を多く取り入れたメロディックパンクサウンドで人気を集めている。2014年には「FUJI ROCK FESTIVAL '14」「COUNTDOWN JAPAN 14/15」など大型フェスティバルに出演。その名をさらに広めた。2015年、それまで所属していたインディーズレーベル・THE NINTH APOLLOから離れ、エイベックス内に自主レーベル・BAiTFiSH RECORDSを設立する。9月には同レーベルより3rdミニアルバム「SHANK OF THE MORNING」、DVD「11 YEARS IN THE LIVE HOUSE」を同時リリース。10月には自主企画イベント「BLAZE UP NAGASAKI 2015」を長崎・長崎市神の島公園特設ステージにて開催した。2017年1月に4thフルアルバム「Honesty」をリリース。2月から45公演におよぶレコ発ツアーを実施した。同ツアーの東京・赤坂BLITZ公演の模様を収めた映像作品「Honesty Tour 2017」を2018年1月に発売。発売後に大阪・なんばHatchと東京・新木場STUDIO COASTでワンマンライブを実施した。6月には長崎・ハウステンボスにて自主企画イベント「BLAZE UP NAGASAKI 2018 in HUIS TEN BOSCH」を開催。9月にミニアルバム「WANDERSOUL」をリリースする。