ナタリー PowerPush - SHAKALABBITS
バンドの今が凝縮された“近況報告”シングル
「Blue Flamingo」はバイト時代の取材がヒント
──カップリングの「Blue Flamingo」についても伺います。これ、むちゃくちゃいい曲ですね。例えばネオアコのバンドがサルサを取り入れるみたいな軽快な感じもあって。
MAH これはドラムから作ったんですよ。ドラムの練習フレーズをずっと叩いてたら、メロディが浮かんできて。
──なるほど。それにしても“ブルーのフラミンゴ”って、それだけでアンビバレンツですよね。
UKI 最初は歌詞に出てくるレストランの看板から「ピンク・フラミンゴ」ってタイトルを思いついたんですけど、どうしても同名の映画を思い出しちゃうので。
──この曲の主人公も「mademoiselle non non」に似ているけど、もうちょっと一般的な感じかなと。
UKI そう、日常的ですね。家から出て帰ってくるまでの1日を歌ってるんですけどね。その1日がすごくキラキラしたものにしようと思えばそうできるし、別にその必要のないときは静かに過ごせばいいし。だから、自分でコントロールできるというか、さりげない日常をいかに楽しめるかってことがテーマですね。
──自分の好きなことを諦める必要はないし、楽しいことはやればいいっていう思いが伝わります。
UKI 特にこの曲は、高校卒業してからバイトしてたときのことを思い出すかな。目上の人たちが教えてくれたり、一緒に遊んでくれたり。彼らは「全然自分とは違う生き物だ」ぐらい大人に見えたし、「どういう経験をすれば、そういうことを思うんだろう?」って思ったから、歌詞を書くために当時は取材をしたり(笑)。この曲の歌詞で言えば、「とっておきのスープ」が、ある人にとってのいい気分になったり笑えたりするきっかけだったかもしれないし、もしかしたら「シェフと同じ道を歩もう」と思って大きな決断をその日にしたのかもしれない。それは私がバイト先で取材した中で自分が感じたことだから、事実かどうかはわかんないし、そこが大事なわけじゃない(笑)。
MAH なんかあれだよね、「大人なんかいねえよ」って言ってるよね。この曲はそういうふうに思えて楽になるんだよね(笑)。今、僕らは31歳だけど、20代前半の頃って30代になったら絶対大人になってるんだろうなって思ってたんですよ。ものすごくしっかりして全部ちゃんと自分でやって、みたいな。でもそんなヤツはいないっすね(笑)。
シングルはファンに向けて「元気だよ」って送る手紙
──今回の2曲みたいに、今のSHAKALABBITSをシングルで表明していくのって大事ですね。
UKI そうですね。「ハロー」ですね、これは。ファンに向けての「元気だよ」って手紙(笑)。長くバンドをやってるというのもあるかもしれないけど、私たちのやってることって「目に見えないけど、摂取してみたら効果があった」みたいな音楽なのかもしれないので、もっと触れてもらう機会があったらいいなと思います。
──バンドがすごく動いてる感じがこのシングルからも伝わりますよ。抜本的に今までと違うことをやってるわけではないのに、常に何か新しいことが生まれてる感じがするし。
UKI そことは常に戦ってますからね。やっぱりおんなじものを作ってもね? つまんないし。自分たちもいろいろ影響されて、新しいものが引き出されてると思います。
──KINGさん、寡黙ですけど。何か一言お願いします。
KING(B) とりあえずホントに悩んで考え込んじゃったら、2分ちょっとこの曲を聴いてほしい、聴いたら何でもいいからまず動いてみよう。そんな感じですね。僕がそうなんで。
TAKE-C しみじみ自分に言っちゃって(笑)。
MAH (唐突に)なんでそんなに日に焼けてんの?
KING モヤっとしたとき「なんかしなきゃ……」と思って、朝早く起きて走り回ってたらこうなっちゃった……。
一同 (笑)。
KING 考え過ぎてると、どんどんどんどん力んでっちゃうんですよ。でも力んでない奴のほうがすげえパワーを出せるんですよね。だから、僕もとりあえず動いてみたら、みんなのようにシフトチェンジできてきたんです。今は考え込みそうになったら、「mademoiselle non non」を聴いて背中を押してもらってます。
CD収録曲
- mademoiselle non non
- Blue Flamingo
DVD収録内容
- 「mademoiselle non non」Music Video
- 「mademoiselle non non」Music Video メイキング
SHAKALABBITS(しゃからびっつ)
1999年に結成された、UKI(Vo)、TAKE-C(G)、KING(B)、MAH(Dr)の4人からなるロックバンド。パンキッシュなサウンドとポップなメロディ、UKIのキュートなボーカルがファンから高く支持されている。インディーズでの活動を経て、2002年にシングル「ROLLIE」でメジャーデビュー。2004年には全国ホールツアーを敢行し、翌2005年に初の日本武道館公演を成功させる。2006年にも全国ツアーの一環として、自身2度目となる武道館ライブを実施し即日ソールドアウトを記録。現在もライブ活動を精力的に行っており、その圧倒的なパフォーマンスが幅広い年代から支持されている。