「WORLD BROKER」特集|主要キャスト8名と杉浦タカオが語る、音楽×芝居がテーマのSEPT最新作 (2/2)

もう1回舞台を観たくなるエンディングライブ

──エンディングライブでペンライトの使用や声出しができるのもSEPTの魅力ですよね。初出演のお三方もそれぞれエンディングライブに登場されるそうですが、意気込みはいかがでしょう?

__(アンダーバー) 僕は本編で大きな声を出すシーンが多いので、喉が持つのかな?と不安です(笑)。台本を読む限り本編で感情が爆発しそうだから、喉がやられないように気を付けないと。

まなこ 私はいつも舞台が終わって幕が閉じるときに少し寂しい気持ちになるんです。だから今回のようにライブがあって、ひと盛り上がりして終われるのはすごく楽しみ。感情を爆発させたいです(笑)。

まなこ

まなこ

──藍染さんはいかがでしょう?

藍染 ドキドキしています。物語が終わってお客さんがひと息ついているタイミングなので、しっかりと楽しんでいただけるようなステージを作りたいです。

──浦野さんはエンディングライブの経験がありますが、今回の「WORLD BROKER」はどんなステージにしたいですか?

浦野 舞台が終わって、お客さんがひと息ついているところでまた楽しんでもらえる内容にしたいなって思っています。(藍染に向かって)すいません、たまたま一緒になっちゃって(笑)。

藍染 同じでしたね(笑)。

浦野 (笑)。おっしゃる通り、僕は以前体験させていただいていますし、今回演じる紅葉という役は自分に近いキャラクターなので、今回のエンディングライブはよりリラックスして臨めそうです。

──常連のピコさんはエンディングライブのどのような部分に魅力を感じていますか?

ピコ やっている本人はヘトヘトだけど(笑)、ほかのキャストさんが袖で観てくれて一緒に盛り上がってくれるので本当に“ライブ”という感じなんですよ。エンディングライブがあることで、もう1回舞台を観たくなる人もいると思います。さっきタカオさんがおっしゃったような後日談的な部分やスピンオフ的な部分がエンディングライブの中で垣間見えますし、日によって楽曲も演出も出演者も違います。何度か通うと舞台の物語をより深く知れるんじゃないでしょうか。

ピコ

ピコ

──ウチクリさんはエンディングライブの演出も担当されるんですか?

ウチクリ エンディングライブは基本的に出演者の皆さんにお任せしています。そのときの感情を大切に好きに歌っていただけたらいいのかなと。

浦野 僕としても好きにやっている感覚が強いですね。ウチクリさんの目から離れて自由にできるので(笑)。

ウチクリ エンディングライブぐらいはね(笑)。

浦野 紅葉は自由が好きなキャラクターなのでありがたいです(笑)。僕は演技に自信があるわけではないけど、歌とダンスは得意分野なので、エンディングライブでのびのびと自分を解放できたらいいなと思ってます。

杉浦 エンディングライブは演じた役のままでやってもらうんです。初出演の皆さんは悩みの多いキャラクターを演じていただきますが、最後はそのすべてが取っ払われるので、その状態でステージに上がることになると思います。気持ちの整理がついて一番楽しくなっている状態でのエンディングライブ、そういった部分を出演者の皆さんには楽しんでほしいです。

音楽ファンと演劇ファン、それぞれの架け橋になれたら

──ここまでのお話を聞いて、SEPTの舞台は音楽が好きな人が演劇の面白さに気付くきっかけになり、演劇が好きな人が音楽の面白さに気付くきっかけになるんじゃないかと感じました。

杉浦 ありがとうございます。SEPTがその架け橋になれたらいいなと思います。

西田 出演するたびに思うのですが、SEPTの舞台は音楽が異常にカッコいいんですよ。普通の舞台を観に来たつもりでいると、楽曲のクオリティに度肝を抜かれるんじゃないかな。

西田祥(BUDDiiS)

西田祥(BUDDiiS)

浦野 めちゃくちゃクオリティの高いカッコいい曲がたくさんあるからね。自分の歌唱曲じゃなくても、袖で聴いていて感動するのはSEPTあるあるだと思います。

杉浦 今回は祥やまなこさん、アンさんは相当体力を使うだろうなという曲になっています(笑)。

__(アンダーバー) ただでさえ叫んで体力使うのに(笑)。

__(アンダーバー)

__(アンダーバー)

杉浦 (笑)。藍染さんと秀太のソロ曲のデモも上がってきて、めちゃくちゃいい曲になっているので楽しみにしておいてほしいです。

藍染 過去の作品の映像を見させていただいたんですが、舞台なのに生バンドの演奏で歌えるのがすごいことですし、いろいろな曲調があってクオリティに驚かされました。その中に飛び込めることが楽しみです。

まなこ ハードな楽曲のようなので本番に向けて体力作りからがんばります(笑)。自分の役のための曲なので歌うのが今から楽しみです。

芝居と歌が重なる瞬間

──SEPT経験者の皆さんにお聞きしたいのですが、SEPTの舞台に立ったことでご自身の普段の活動にポジティブな影響はありましたか?

西田 僕は生バンドへの憧れが強くなりました。自分が所属しているグループでもいつか生バンドでのライブがやりたいなと思っています。

今村 SEPTさんの舞台は楽曲の歌詞1つひとつに強い思いが込められているので、毎回台本を見ながらそれをじっくりと読み解くようにしていて。アイドル時代はその影響で、歌詞の意味をしっかりと理解したうえでファンの方々に届けるようにしていました。

今村美月

今村美月

ピコ 僕の中でSEPTさんの舞台はライフワークになっていて、その影響で最近脚本を書き始めたんですよ。いちキャストとしてステージに立てる喜びも大きいけれど、作品の世界観を作ることにも興味が湧いてきた。それは最近キャスティングのお手伝いさせてもらっていることにも通じていて、「この人がこのキャラクターだったら最高なんじゃないか」とタカオさんに提案させてもらっています。歌い手としての活動は1をどうやって10や100にするかという作業だけど、SEPTさんに関わらせてもらう中で自分の力で0から1を生み出したいという欲求が出てきて。それはクリエイターとしての大きなターニングポイントになっていると思います。

──浦野さんはいかがでしょう。

浦野 僕はOWVのメンバーから褒められる機会が増えました。顔やスタイルがということではなく、大きなことをやり遂げた男になったと言われたりして(笑)。

杉浦 ありがたいことにOWVでSEPTの曲を歌ったりしてくれてるんです。

浦野 そうなんです。ほかのメンバーもSEPTのことが好きになっちゃって、ライブで歌ってますね。今回の「WORLD BROKER」もめちゃくちゃ楽しみにしてるみたいです。

──楽曲のクオリティが高いという話がありましたが、ウチクリさんはそれを踏まえて演出を考えられているのでしょうか?

ウチクリ 僕はずっと演劇畑にいるけど、歌の表現をしている人でないとできない演技があるんです。SEPTに関わる中で、それが生まれる瞬間を何度も目の当たりにしてきました。だから今回も絶対にその瞬間を生み出したい、という思いで演出を考えているところはあります。

ピコ お芝居と歌は異なる表現だけど、どこかで感情のベクトルが一致するタイミングがあって、ウチクリさんの言う歌う人ならではの演技が生まれる瞬間があるんですよね。それぞれの音楽活動のルーツと役の生き様のようなものが合わさって、オリジナルな何かが生まれる瞬間がある。僕は前の作品でバンドのボーカルを演じたんですが、どこかのタイミングで役と自分の音楽表現が合致する瞬間があって、本当の意味で役が仕上がる感覚があったんです。

藍染 すごい。私もそうなれるように全力を尽くしたいと思います。

まなこ これまで出演してきたキャストの皆さん、スタッフの皆さん、ファンの皆さん、全員がSEPTさんへの愛にあふれているということが伝わってくるから、その一員になれることがうれしいです。プレッシャーに負けずに、皆さんと一緒にお芝居と音楽をがんばりたいなと思います。

浦野 こうやってキャストの皆さんと話していると、本番に向けてより緊張感が高まってきました。僕は普段チームをまとめ上げるタイプではないのですが、今回主役をやらせていただきますし、責任感を持ってがんばりたいと思っています。

プロフィール

SEPT(セプト)

杉浦タカオが2013年に立ち上げた“次世代型エンタテインメントユニット”。音楽と芝居のコラボレーションをテーマに、生バンド演奏、歌、芝居、ダンス、アクロバット、殺陣、プロジェクションマッピングなどを盛り込んだオリジナル作品を発表し続けている。2024年6月からは創立10周年を記念した新作ライブステージ第1弾「SEPT presents『WORLD BROKER』」が東京・こくみん共済 coop ホール / スペース・ゼロで上演される。

浦野秀太(ウラノシュウタ)

ボーイズグループ・OWVのメンバー。2022年上演の「FATALISM ≠ Re:Another story」で舞台デビューを果たし、2024年6月上演の「WORLD BROKER」では初主演を務める。

藍染カレン(アイゾメカレン)

2017年に「ミスiD 2018」の大郷剛賞を受賞し、2018年にZOCの結成メンバーとしてアーティストデビュー。2021年にはミュージカル「悪ノ娘」で初主演を務めるなど俳優としても活躍している。

西田祥(ニシダショウ)

ダンスボーカルグループ・BUDDiiSのメンバー。2024年5月に12thデジタルシングル「HONEY」を配信リリースした。9月6日と7日に東京・日本武道館でワンマンライブ「BUDDiiS vol.08 Nippon Budokan - UtopiiA -」を開催。18日には1stミニアルバム「UtopiiA」のリリースを控えている。

ピコ

2007年に自分の歌を動画投稿サイトに投稿して活動を開始すると、その特徴的な歌声から「両声類」と呼ばれ多くのファンを獲得。2010年10月にはシングル「Story」でメジャーデビューを果たした。2019年5月には3thアルバム「Pathfinder」を発表。現在は音楽活動と並行して、舞台に出演するなど多方面で活躍している。

__(アンダーバー)

ソーシャルネットワークの音楽ジャンルを中心に活躍するアーティスト。2009年に動画投稿サイトで活動を開始し、累計再生数は5億回を突破している。2016年には著書「動画投稿で生きる!フリーダムな仕事術__(アンダーバー)自伝」を発表。近年はゲーム実況者や司会者などマルチに活躍している。

まなこ

2012年に「踊ってみた」の踊り手として活動をスタートさせ、DANCEROIDやQ'ulleの一員として活躍。2020年より俳優 / タレント業を本格的にスタート。2024年6月にはソロ名義の新曲「Unleashed」のミュージックビデオが公開された。

今村美月(イマムラミツキ)

2017年にSTU48の1期生としてグループに加入。2024年3月に開催されたコンサートをもってグループを卒業した。現在は舞台、映画に出演するなど俳優として活動している。

ウチクリ内倉(ウチクリウチクラ)

俳優 / 演出家。俳優として舞台「刀剣乱舞」「マッシュル-MASHLE-」などの人気作に出演する傍ら、“次世代型エンタテインメントユニット”SEPTの演出を手がけるなどマルチに活動している。

杉浦タカオ(スギウラタカオ)

1983年、大阪府生まれ。俳優・イベントプロデューサー。2013年、音楽と芝居のコラボレーションをテーマにした“次世代型エンタテインメントユニット”SEPTを立ち上げた。