音楽ナタリー Power Push - SEAMO & AZU

個性爆発!鉄板コンビの初共作アルバム

今どきっぽい曲作り

──今回のアルバムは何がキッカケになって作ることになったんですか?

AZU「Co.Lab」初回限定盤ジャケット

AZU 去年出した「Co.Lab」の「YMD♡」も評判がよかったし、普段からファンに「もっとSEAMOさんとコラボ曲を歌ってほしい」ってよく言われてるんですね。そういうこともあって、レコ発ツアー東京公演のMCで、ゲストで出てくれたSEAMOさんに「ちょっと一緒に曲作ってくださいよ」って言ったんですよ。そしたら「いいよ」って言ってくれて。そのあと即行、SEAMOさんに連絡して「ホンマにやってもらえませんか?」って改めてお願いしたんです。

SEAMO 「もっと早くやっていてもよかった」と思うと同時に、正直、今さら感もあると思うんです。だから、そういうキッカケがなければ重い腰も上がらなかったかもしれないんですよね。そういう意味では、半分冗談半分本気みたいな感じだったけど、僕も「じゃあやるか」って。

──アルバム制作はどのように進めていったんですか?

AZU 今回は制作スケジュールがタイトだったんで、お互いの日程を合わせてプリプロする時間がなくて。私は東京、SEAMOさんは名古屋で、各自レコーディングしてやりとりするっていう作り方だったんです。テーマ出しもLINEとかLINE電話で。

──今までは膝を突き合わせるところから始めていたけど、今回はすべてデータでやりとりっていう。

SEAMO そう。だから今どきっぽいなと思って。一緒にスタジオに入った曲は1曲もないんです。

──お互い顔を合わせない環境で作るとなると、相手がどんな手で来るかわからないですよね。それはそれで刺激的だったんじゃないですか?

AZU そうなんです。SEAMOさんに入れてほしいパートを空けといて、自分の歌を録って「じゃあここにお願いします」って送るんです。そうするとどんなものが返ってくるかわからないからずっとドキドキワクワクしてました。「うわー、ブッ飛んでるわー」っていうワードもあったし、「ちょっとこれ放送禁止じゃない?」ってのも(笑)。そういう新鮮味はありましたね。

SEAMO 僕は今回の制作にあたって、相手が出してくるモノに対して「No」と言わないでおこうという決まりごとを作ってたんです。僕からノックのように打ち返した曲もあるし、「これはもっとこうしたほうがいいんじゃないの?」くらいはあるんですけど、基本的には来るモノ拒まずスタイル。それで楽しませてもらったところがありますね。

「マカレナ」から“抱かれな”へ

──リード曲の「DACARENA」は、陽気なラテンテイストの曲。ロス・デル・リオのヒット曲「恋のマカレナ」を下敷きにしたサビのメロディが印象的でした。

SEAMO これは最初にAZUから「マカレナ」ライクなビートが送られてきて。メロディは今とはちょっと違うものが乗ってたんですけど、これならもう「マカレナ」の替え歌みたいにしちゃおうよって伝えて。

AZU そう。「これ、『DACARENA(抱かれな)』にしようよ」って言われて(笑)。

──歌詞のテーマは?

AZU 「抱かれな」「抱かれようよ」っていうことですね(笑)。

──それほど下ネタ曲じゃないですよね。というか、ライブ向けの曲だと思ったんですが。

AZU そうですか? 歌詞で「セックス」とか言ってますけど(笑)。

──ライブはお客さんとのセックスみたいなものだっていうことなんじゃないですか?

SEAMO そうです。セックスをライブに見立ててっていう。

──え? ライブをセックスに見立ててたんじゃなくて?

AZU どっちでもいいんです(笑)。

SEAMO 最初はセックスをライブに見立てて書いてたんですよ。AZUから送られてきたデモを聴いたとき、「マカレナ」のMVからイメージを引っ張ってきてるんじゃないかと思ったんですね。なので、僕も「この曲でみんなでエロ体操しよう」みたいな。そっちの方向にイメージを膨らませて書いたんです。

AZU 私は、もともとキューピッドの「Cupid Shuffle」のMVみたいなラインダンスをイメージして作ってたんです。でもSEAMOさんに渡したら「これは『抱かれな』や」って言うから、じゃあ、そっちでいきましょうって。あと、クラブをイメージして書いたところもありますね。明け方にエロいスロージャムがかかると、男女がイチャイチャし出して、男の子が女の子を連れて帰るっていう。そういう場面をイメージして書いたところもあるんです。

コラボによって引き出されるもの

──もう1つのリード曲「Anywhere Door」は、超ラブラブなカップルを描いた甘いナンバーですね。リズムも軽快でウキウキしてる感じが伝わってくる。

AZU これはSEAMOさんが「どこでもドアの曲を書きたい」と言ってきて。

SEAMO & AZU

SEAMO ビートを聴いたときに甘い曲になるんだろうなと思ったんですけど、ラブソングを書くならガツンとした押し出しがないとダメだと思って。そのときにたまたまファンの方とSNSでやりとりしていて、「私も早くSEAMOさんのライブ観たい。どこでもドアをちょうだい」みたいなことを言われて、「これは使えるな」って。どこでもドアをテーマにしたラブソングは世の中にそうそうないだろうと思ったんですよ。

──普段とは違う魅力が出るのがコラボの妙だと思います。SEAMOさんはAZUさんとコラボするときに甘い曲も書きますよね。

AZU 「Co.Lab」に入ってる「YMD♡」も、可愛らしくてキュートな曲だったし。

SEAMO 僕もAZUもディズニーランドが好きだし、よくも悪くもAZUから上がってくるものはいつもメルヘンチックだと思ってるんです。いくつになってもお姫様気分だったり、王子様が迎えに来てくれる的な乙女リリックで。だから僕もそれに触発されて、そういうモードのリリックを提供したくなるっていうのはありますね。

──ほかに、お2人はコラボによって自分のどんな部分が引き出されると思っていますか?

AZU 私の場合、遊び感が強くなりますね。あと、エロさも倍増します(笑)。

SEAMO 僕は、圧倒的にラッパーでいられるところですね。SEAMOとして1人でステージに立つときはラップやって歌も歌いつつ全体も俯瞰しないといけないんですけど、AZUとやるときは任せられる部分が多いし。自分のラッパー脳だけを使えばOKというか、面白い言葉で曲のフックを作るとか、曲のパンチ力をアップさせる役目に集中できるかなって思ってます。

SEAMO AZU 全国ツアーサーキット
~SUPER LIVE BROTHERS~
2016年2月7日(日)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2016年2月10日(水)香川県 高松MONSTER
2016年2月11日(木・祝)愛媛県 WStudioRED
2016年2月13日(土)福岡県 DRUM LOGOS
2016年2月20日(土)富山県 Soul Power
2016年2月21日(日)福井県 福井まちなか文化施設 響のホール
2016年2月27日(土)鹿児島県 CAPARVO HALL
2016年2月28日(日)宮崎県 ニューレトロクラブ
2016年3月5日(土)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
2016年3月6日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2016年3月13日(日)滋賀県 SHIGA U★STONE
2016年3月19日(土)岩手県 Club Change WAVE
2016年3月20日(日)宮城県 enn 2nd
2016年3月26日(土)東京都 赤坂BLITZ
2016年3月29日(火)愛知県 Zepp Nagoya
2016年3月30日(水)大阪府 なんばHatch
SEAMO(シーモ)

1995年に地元名古屋・東海地区を中心にシーモネーターとして活動を開始し、2002年に米米CLUBの代表曲「浪漫飛行」を大胆にサンプリングした「浪漫ストリーム」でメジャーデビュー。2005年にSEAMOに改名し、3月にシングル「関白」で現名義でのデビューを果たす。2006年にはヒットチューン「マタアイマショウ」「ルパン・ザ・ファイヤー」収録の2ndアルバム「Live Goes On」を発表し、「第57回 NHK紅白歌合戦」にも出場した。2007年に自身が発起人となり東海地区の夏フェス「TOKAI SUMMIT」をスタートさせる。2011年8月には自身のコラボ曲をパッケージしたベスト盤「コラボ伝説」、2014年1月にはコレクションアルバム「LOVE SONG COLLECTION」を発表。2016年2月にAZUとのコラボレーションアルバム「THE SAME AS YOU」をリリースする。

AZU(アズ)

三重県出身のシンガー。16歳で活動を始め、2007年5月にシングル「CHERISH」でメジャーデビュー。2008年にはSEAMOとのコラボレーション楽曲「時間よ止まれ feat. SEAMO」が大きな注目を集めた。2014年1月に通算5枚目のフルアルバム「4seasons」、12月に冬をテーマに書かれた楽曲をコンパイルしたベストアルバム「WINTER LOVE BEST」を発表。2015年1月にはさまざまなアーティストとコラボレートしたアルバム「Co.Lab」をリリースした。2016年2月にSEAMOと「SEAMO&AZU」名義で共作アルバム「THE SAME AS YOU」を発表する。