音楽ナタリー Power Push - SEAMO & AZU
個性爆発!鉄板コンビの初共作アルバム
SEAMOのヒット曲「心の声 feat. AZU」をはじめ、9曲もの作品で共演してきたSEAMOとAZUが、SEAMO & AZU名義で初のコラボアルバム「THE SAME AS YOU」を完成させた。AZUの最新アルバム「Co.Lab」に収録されたSEAMO参加曲「YMD♡」で「何度でもこのコラボは鉄板」と歌っているように、2人の息は本当にぴったり。切ないラブソングからエロティックな歌詞満載の曲まで、どんなタイプの曲も滑り知らずで乗りこなすグッドコンビネーションぶりがバッチリ発揮された1枚となっている。今回はあまり知られていない2人の出会いのエピソードから本作の制作背景までたっぷり語ってもらった。
取材・文 / 猪又孝 インタビュー撮影 / 北村勇祐
「じゃあパチンコ行く?」
──2人の出会いから伺いたいんですが、最初に会った日のことを覚えていますか?
AZU 覚えてます。言って大丈夫かな、これ。
SEAMO いいよいいよ(笑)。
AZU かつてSEAMOさんのバックダンサーをやってたBRIDGETのMASAとは同じ三重県出身で、10代のときからの知り合いなんです。それでHOME MADE 家族がデビュー前に名古屋でやってた「ON THE RUN」というレギュラーイベントに私やBRIDGETが出演してて。そこにSEAMOさんがたまたま遊びに来たときにMASAから紹介してもらいました。
──それはAZUさんがいくつの頃?
AZU 21歳か22歳ですね。それで「歌をやってるAZUと言います」って自己紹介したら「ああ、歌やってんの?」って素っ気ない感じで返されて(笑)。
SEAMO え、俺そんな感じだった? 本当?(笑)
AZU ホンマですよ。で、「明日、何やってんの?」って言われて「別に何もないです」って答えたら、「じゃあパチンコ行く?」って言われて(笑)。
──軽いナンパじゃないですか(笑)。
SEAMO いやいやいや、ウソでしょ?(笑)
AZU ホンマですってば。確かBRIDGETのRYOとかとパチンコ行く話をしてたんですよ。で、イベント終わって、そのまま朝から夜までみんなで打ってた気がします。
SEAMO いやー。どうしようもない出会いだなあ、それ(笑)。
──でも、そこから共演の機会が増えていったわけですよね。
AZU そうです。パチンコで仲が深まってかわいがってもらえるようになって。SEAMOさんが始めた「GOLDEN TIME」というイベントに「本気で歌をやりたいんだったらレギュラーで出たら?」って誘ってくれて出るようになったんです。
“ナイスキャラクター”からシンガーへ
──音源になっているお2人の最初の共演は、AZUさんがバックコーラスで参加したSEAMOさんの「Honey Honey」ですよね。
AZU そうです。そのあとSEAMOさんの1stアルバム「Get Back On Stage」の「Intro ~Here Comes The SEAMO~」のコーラスもやって。
──その頃、AZUというシンガーにはどんな印象を持っていましたか?
SEAMO これはAZUにもよく言ってるんですけど、その頃AZUはEILYSHという女の子と「R」というシンガーユニットを組んでて、どっちかというと僕はEILYSHのほうを多用してたんです。だからシンガーとしてというよりは、三重弁のしゃべりが面白いとか、ライブのMCが面白いとか、“ナイスキャラクター”みたいな印象が強かったんです。
──SEAMOさんの「心の声 feat. AZU(from R)」のときも同じ印象でしたか?
SEAMO そのときに変わりましたね。当初「心の声」を作ってるときはスポットが当たる曲になると思っていなくて。いわゆるアルバム(「Live Goes On」)の中の1曲だったし、最初はEILYSHにお願いしようと思ってたんですよ。だけど彼女が参加できないことになって、「よかったらAZUやってよ」って。そしたら、スタッフ間の評判がよくて「アルバムのリード曲にしましょう」「ミュージックビデオを作りましょう」ってトントン拍子に話が進んでいったんです。
AZU その曲で私はデビューが決まりましたから。SEAMOさんにはホント感謝しかないんです。
SEAMO そういう意味では「持ってるな」と思いましたね。あと当時からAZUは「何にでもしがみついて上に行ってやろう!」っていうガッツとか根性とか覇気がメチャメチャあって。僕はそこを買ってたんです。
天才やと思ってます
──反対にSEAMOというラッパーにはどんな印象を持っていますか?
AZU 私はラップを書かないからわからないんですけど、天才やと思ってます。
SEAMO 「天才」だけ太字でお願いします(笑)。
AZU リリックの内容もすごいと思うし、予想を超えてくるんですよね。「これ、絶対SEAMOさんじゃないと書けへんな」っていつも思います。
──今回のアルバムまでで9つの共演曲がありますが、これほど多くのコラボを重ねて来ることができた理由はどこにあると思いますか?
SEAMO 頼みやすいっていうのはあるかも。AZUだったらなんでも頼める、なんでもやれるっていう安心感があるんです。女性シンガーの中にはイメージを尊重する人もいるから、どぎついことをやりたいときに、そういう人に頼むのは気を遣うんですよ。でも、AZUはいい意味で気を遣わなくていいんですよね。
AZU それゆえに扱いが雑なところはありますけどね(笑)。SEAMOさんの日本武道館のライブのときも、BoAちゃんとかmihimaru GTのhirokoちゃんとかゲストシンガーがいっぱい来ていて、登場したらみんなワーッて拍手されてるんですけど、私が出ていくときだけ「皆さん拍手はお控えください」って紹介されて(笑)。もうね、何かとオチに使われる(笑)。
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- コラボレーションアルバム「THE SAME AS YOU」 / 2016年2月3日発売 / 2300円 / アリオラジャパン / BVCL-695
- コラボレーションアルバム「THE SAME AS YOU」
収録曲
- SUPER LIVE BROTHERS
- DACARENA
- She is mine
- Anywhere Door
- I♡B
- Need U Now
- ドンマイ Don't cry
- a love story
- SEAMO AZU 全国ツアーサーキット
~SUPER LIVE BROTHERS~ - 2016年2月7日(日)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2016年2月10日(水)香川県 高松MONSTER
- 2016年2月11日(木・祝)愛媛県 WStudioRED
- 2016年2月13日(土)福岡県 DRUM LOGOS
- 2016年2月20日(土)富山県 Soul Power
- 2016年2月21日(日)福井県 福井まちなか文化施設 響のホール
- 2016年2月27日(土)鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2016年2月28日(日)宮崎県 ニューレトロクラブ
- 2016年3月5日(土)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2016年3月6日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2016年3月13日(日)滋賀県 SHIGA U★STONE
- 2016年3月19日(土)岩手県 Club Change WAVE
- 2016年3月20日(日)宮城県 enn 2nd
- 2016年3月26日(土)東京都 赤坂BLITZ
- 2016年3月29日(火)愛知県 Zepp Nagoya
- 2016年3月30日(水)大阪府 なんばHatch
SEAMO(シーモ)
1995年に地元名古屋・東海地区を中心にシーモネーターとして活動を開始し、2002年に米米CLUBの代表曲「浪漫飛行」を大胆にサンプリングした「浪漫ストリーム」でメジャーデビュー。2005年にSEAMOに改名し、3月にシングル「関白」で現名義でのデビューを果たす。2006年にはヒットチューン「マタアイマショウ」「ルパン・ザ・ファイヤー」収録の2ndアルバム「Live Goes On」を発表し、「第57回 NHK紅白歌合戦」にも出場した。2007年に自身が発起人となり東海地区の夏フェス「TOKAI SUMMIT」をスタートさせる。2011年8月には自身のコラボ曲をパッケージしたベスト盤「コラボ伝説」、2014年1月にはコレクションアルバム「LOVE SONG COLLECTION」を発表。2016年2月にAZUとのコラボレーションアルバム「THE SAME AS YOU」をリリースする。
AZU(アズ)
三重県出身のシンガー。16歳で活動を始め、2007年5月にシングル「CHERISH」でメジャーデビュー。2008年にはSEAMOとのコラボレーション楽曲「時間よ止まれ feat. SEAMO」が大きな注目を集めた。2014年1月に通算5枚目のフルアルバム「4seasons」、12月に冬をテーマに書かれた楽曲をコンパイルしたベストアルバム「WINTER LOVE BEST」を発表。2015年1月にはさまざまなアーティストとコラボレートしたアルバム「Co.Lab」をリリースした。2016年2月にSEAMOと「SEAMO&AZU」名義で共作アルバム「THE SAME AS YOU」を発表する。