音楽ナタリー PowerPush - SCOOBIE DO

愚直に歩んだ“FUNKY 4 PLUS ONE MORE”の20年史

ニュースでたどるCHAMP RECORDSの歴史:2010~12年

──SPEEDSTAR RECORDS時代の楽曲をまとめたベストアルバム「Road to Funk-a-lismo! -BEST OF SPEEDSTAR YEARS-」が2010年3月発売ですね。今20周年特設サイトで一覧できますけど、この時期はアーティスト写真の変遷も面白い。

MOBY 「パラサイティック・ガール」(2008年4月に発売されたCHAMP RECORDS第1弾フルアルバム)で宇宙服を着たあたりから。電気グルーヴとスチャダラパーに負けないように。

コヤマ そこと張り合っちゃいけないんじゃないかっていう(笑)。

──2010年は7月にオリジナルアルバム「何度も恋をする」のリリースもあって、ナタリーでは初のインタビューもありました。アルバムを引っさげてのツアーが当時のスクービー史上最大規模で、ツアーファイナルはレポートも掲載しています。

「Funk-a-lismo! vol.6」LIQUIDROOM ebisu公演の様子。

コヤマ 「統一感のない一体感」か。そのあとも使ってますけど、記事で拾ってもらったのはこれが最初ですよ。

──実際、後ろから客席を眺めていたらみんなバラバラに盛り上がってるのに一定のうねりがあって。コヤマさんの「統一感のない一体感」という言葉が出てきたときにものすごく腑に落ちたんですよね。

コヤマ その場でパッと言ったものから、よかったものが残っていくんでしょうね。この記事を見て「これはいいフレーズだったな」と自分で認識した記憶がある(笑)。

SCOOBIE DO(撮影協力:diskunion下北沢店)

──2011年は東日本大震災があり、音楽が持つ力を大きく考えさせられた1年でもありました。SCOOBIE DOのリリースとしては「MIRACLES」がこの年の秋ですね。

MOBY LPを出したのはこのアルバムが初めてかな。7inchは初期の頃も出してましたけど、LPは「MIRACLES」が初めて。

コヤマ 「SCOOBIE DO、TVショーで奇跡のスタジオライブ」はなんだっけ。

──これは「MIRACLES」のリード曲「ミラクルズ」のPV公開時の記事ですね。

コヤマ ああー。これ、TVショーの司会をやってるのは俺たちのグッズなんかも作ってくれているデザイナーのワカツキくん(若月智之 / GORILLA MONSOON)です。

──この年はリリースがないぶん、ライブの情報がやたらとあります。

マツキ 「会いに行けるFUNK」がこの年か。「天国や地獄」も。

──一方で「ナガイケジョーが小説家デビュー」というのもありました(笑)。

MOBY リリースは「おんな」だけですね。怒髪天と一緒にやったスプリットシングル。

コヤマ 「熱狂のビーチパーティ」ってのはそんときのライブですね。

ニュースでたどるCHAMP RECORDSの歴史:2013年~現在

コヤマ このへんにくるとさすがによく覚えてるな、うん。

──2013年5月に「かんぺきな未完成品」、2014年は2月に洋楽カバー集「GRAND-FROG SESSIONS」、9月に「結晶」と、コンスタントなアルバムリリースがありました。こうやって振り返ると改めて、新作をリリースしてライブをやって……というバンド活動をひたすら愚直にやってきたのがSCOOBIE DOの20年なんだなと。

コヤマ ホントそうっすね。曲を作ってライブをやって。愚直としか言いようがない。

SCOOBIE DO(撮影協力:diskunion下北沢店)

マツキ みんなSCOOBIE DOが好きだよね、メンバー4人とも自分たちのことを。バンドの言い出しっぺは俺だし曲を作ってるのも俺だから、俺が一番SCOOBIE DOが好きだと思いきや、俺よりもほかの3人のほうが好きなんだろうなって今思ったよ(笑)。歴史もすごい覚えてるしさ。SCOOBIE DOを好きな人たちがSCOOBIE DOをやっている、っていうことなんじゃないかな。

コヤマ いいことですね。すごくいいこと。

マツキ どの瞬間瞬間も一生懸命やってきたから、みんなこのバンドのことが好きなんだと思う。曲作りしてレコーディングしてリリースしてツアー回って……というサイクルがだいたい1年ちょっとで回ってるんだけど、どの部分にも手を抜いてない。一生懸命やるしかないんだよね。

MOBY 一生懸命、できるだけ面白いほうに。

コヤマ 好きで一生懸命やってきたバンド、SCOOBIE DO(笑)。

ベストアルバム「4×20 ~ 20 YEARS ALL TIME BEST」 / 2015年4月1日発売 / [CD3枚組+DVD] 4800円 / CHAMP RECORDS / HICC-4008
ベストアルバム「4×20 ~ 20 YEARS ALL TIME BEST」
Disc 1
  1. 夕焼けのメロディー
  2. December Song
  3. きまぐれ天使
  4. 悪い夢
  5. No.3
  6. Little Sweet Lover
  7. 勝手にしやがれ
  8. キミとオレ
  9. アフィルグ
  10. Oh Yeah!
  11. Get Up
  1. The Thing
  2. ゆうべあのこが
  3. 路上のハードボイルド
  4. 左胸のボス
  5. 最終列車
  6. つづきのメロディー
  7. 風の恋人
  8. 茜色が燃えるとき
  9. ラストナンバー ~Beautiful Dawn~
Disc 2
  1. パレード
  2. Beautiful Days
  3. 恋は魔法
  4. また逢う日まで
  5. PLUS ONE MORE
  6. What's Goin' On feat. RHYMESTER
  7. Back On
  8. Disco Ride
  9. やっぱ音楽は素晴らしい feat. RHYMESTER
  10. トラウマティック・ガール
  1. ロックンロールは未定
  2. 真夜中のダンスホール
  3. MIGHTY SWING
  4. バンドワゴン・ア・ゴーゴー
  5. イキガイ
  6. ミラクルズ
  7. 恋の彗星
  8. かんぺきな未完成品
  9. 結晶
  10. 新しい夜明け(新曲)
Disc 3
  1. 夜明けよ急げ
  2. わがままなあの娘
  3. 空っぽの言葉
  4. ロングスカート・ベイビー・ブルース
  5. 女と男の世界
  6. 裸の天使
  7. 恋人はそれを待ちきれない
  8. 真夜中のヒーロー
  9. 冷戦
  10. R134
  11. 八月の天使
  12. サマーダウン
  13. 3rd Season
  14. Funky Way
  1. おんな
  2. 木曜日のユカ(Live at 新宿JAM「R&B天国」1996.6.14)
  3. Com'on Sunset Back(Live at 下北沢SHELTER 2001.9.16)
  4. Oh Yeah!(Live at 下北沢SHELTER 2001.9.16)
  5. アフィルグ(Live at 下北沢SHELTER 2001.9.16)
  6. 勝手にしやがれ(Live at 下北沢SHELTER 2001.9.16)
DVD収録内容
  1. 悪い夢
  2. No.3
  3. 勝手にしやがれ
  4. ゆうべあのこが(ONLY SSTV EDITION)
  5. What's Goin' On feat. RHYMESTER(from DVD『Royal-Funk-a-lismo!』)
  6. トラウマティック・ガール
  7. 真夜中のダンスホール
  8. MIGHTY SWING
  9. Back On(from DVD『EBISU SPARKLING』)
  10. バンドワゴン・ア・ゴーゴー
  11. ミラクルズ
  12. かんぺきな未完成品
  13. 結晶
  14. The Thing(from Video『Do is here』)
  15. Little Sweet Lover(from『BREAK ROCK』初回特典DVD)
  16. Funky New Day(Live at RISING SUN ROCK FESTIVAL 2003 in EZO)
SCOOBIE DO(スクービードゥー)

SCOOBIE DO

1995年にマツキタイジロウ(G)とコヤマシュウ(Vo)を中心に結成。1996年に現ドラマーのオカモト“MOBY”タクヤ(Dr)が加入し、自主制作カセットなどを販売する。1999年にKOGA Recordsから初のシングル「夕焼けのメロディー」をリリース。続いて発表された1stアルバム「Doin' Our Scoobie」で圧倒的な存在感を放つロックバンドとしてその人気を確かなものとする。2001年にナガイケジョー(B)が加入し、現在の編成で活動開始。2007年には自主レーベル「CHAMP RECORDS」を立ち上げ、ライブのブッキングからCD制作、プロモーションまですべてメンバー自ら行っている。1年に1枚のタームでフルアルバムを発表しており、2014年9月にはCHAMP RECORDS通算7枚目となるオリジナルアルバム「結晶」をリリースした。バンド結成20周年を迎えた2015年は4月にベストアルバム「4×20 ~ 20 YEARS ALL TIME BEST」を発表。10月には東京・日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブ「ダンスホール野音」を行う。