SCOOBIE DOいいとこ取り

──アルバムタイトルは「結晶」という、ちょっとドキッとするフレーズで。

マツキ　なんだか終わる感じしますよね、マンガで言うと「完」みたいな。集大成感が出ちゃうから、俺は最初「結晶」ってタイトルにしないほうがいいと思ってて。自分の中では最初に言ったようにコンセプトも何もなくて、バンドのデビューアルバムのような勢いのあるイメージにしたかったんで、最初に俺が考えたタイトルは「SCOOBIE DOの1,2,3」だったんですよ。

──へえ……。

マツキ　で、今みたいな空気になったんですよ（笑）。シーンって。

一同　（笑）。

マツキ　マンガで言うと全員黒目がなくなっちゃうみたいな、そういう固まった空気になって。結局みんなに諭されて「結晶」になりました。このタイトルはファンキーだったり、踊れたり、面白かったり、メロウで切なかったりっていういろんな要素がSCOOBIE DOの魅力としてあると思うんですけど、そういう要素を1つひとつ蒸留して、上澄みの一番いい部分をすくって結晶化させたっていうイメージですね。SCOOBIE DOの最新版のいいとこ取りです。

──ジャケット写真で4人が大きく写ってるのもひさびさですよね。

マツキ　楽器持って写るのは初ですよ。やっぱデビューアルバムですからね、誰がいてどの人が何を演奏しているかがまずわからなきゃいけないと思って。バンド好きな人は「おっ」てなるだろうし、俺も楽器持って写ってるジャケットが好きだし、これはいつかやらなきゃいけないと思ってまして。19年目のデビューアルバムなんで、今だろうということで。

──来年はバンド結成20周年ですが、何か考えていることはありますか？

マツキ　いろいろありますけど、アルバムはまた出すと思いますね。あとはデカイとこでライブができたらと思ってるし、20周年にまつわる何か特別なアイテムが出せたらなと。やりたいことはいっぱいあるんで、それが実現できるようにがんばろうっていう感じかな。

──おお、楽しみです。ところで、愚問かもしれないですが1年半周期で制作を続けてきて、ルーティーンに陥ってしまうことはないんでしょうか？

マツキ　よく聞かれるんですけど、ルーティーンと思ったことは1回もないですね。やっぱり好きなことやってるから楽しいんですよ。曲やアルバムができたときの喜びの質も落ちない。できあがると昔と同じようにうれしいし、達成感もあるし。確かに曲がなかなかできなくて苦しんだり悩むときもあるけれども、それは当然だろとも思うし。自分のやってることに飽きない才能みたいなものはあるのかなと思いますね。

ナガイケジョーにスポット！

──では最後に……これまでSCOOBIE DOは何度かナタリーの特集に登場いただいてますが、ナガイケさんがあまり発言されてないことに気付きまして。

マツキ　あはは（笑）。基本的にジョーは言うことがないもんね。

ナガイケ　4人で取材受けるのはナタリーさんくらいで、だいたいあんまり話す準備ができてない状態なんですよ（笑）。写真には写ってるけど一言もしゃべってないっていうのはけっこう面白いと思うけど。

──今回はぜひしゃべっていただきたく。最近は小説家活動のほうはいかがですか？

ナガイケ　ああー、なんか、ちょろちょろと。年に2回くらいですけど。

──作家仕事を生かして作詞に挑戦したりは？

ナガイケ　いやあ……（笑）。自分の書いたものをバンドで歌ってもらいたいって思ったことは一度もないので。無関係なことばっかり書いてますし。

──では最近一番気になってることはなんですか？

ナガイケ　最近一番気になってること……なんでしょう。なんでしょうね……広島大丈夫かな（※取材日前日に広島が豪雨災害の被害に遭った）ってことですかね。……すいませんなんか。僕全然、しゃべってないってことで大丈夫ですんで。

──いやいや（笑）。じゃあ最後にナガイケさんから、「結晶」はどんなアルバムなのか教えてください。

ナガイケ　いやあもう、SCOOBIE DOでしかないアルバムというか。4人で鳴らしたら2014年はこうなりましたっていう感じですね。

──これが2014年のSCOOBIE DOだと。

ナガイケ　うん、そうですね。

──わかりました。何か言い残したことはないですか？

ナガイケ　ええ。僕今、完全に自分の問題なんですけど……あんまり目が見えてないです。

──目が見えてない？

ナガイケ　コンタクトしてないんで（笑）、どこ見てしゃべればいいのか……。すいません（笑）。それが今一番気になってることです。

MOBY　ははは（笑）。

コヤマ　一番気になってること、「目が見えない」（笑）。