UNISON SQUARE GARADENとTOKYO FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」(毎週月~金曜日22:00より、TOKYO FMをはじめとするJFN系列全国38局ネットで放送中)のコラボプロジェクト「スクールソング プロジェクト supported by カルピスウォーター」が完結した。これは“感謝を伝えたい人”に歌でエールを送るという企画で、リスナーから「いつも自分を支えてくれる人への感謝エピソード」を募集し、それをもとにUNISON SQUARE GAREDENがオリジナルソングを制作するというもの。数多くの応募の中から当選したのは、北海道旭川東栄高校。来年春に閉校することが決まっている同高校の卒業生150名のために、UNISON SQUARE GARDENは合唱曲「学び舎の春 ~LAST RUNNERS~」を制作し、生徒とともに合唱会を開催した。
音楽ナタリーでは、今回のプロジェクトについてUNISON SQUARE GARDENの3人にインタビュー。「学び舎の春 ~LAST RUNNERS~」の制作秘話、メンバーも参加した同校での合唱の様子などについて語ってもらった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 草場雄介
女子生徒からのメールが心の琴線に触れた
──「スクールソング プロジェクト supported by カルピスウォーター」が完結しました。このプロジェクトがスタートしたときはどんなことを考えていましたか?
田淵智也(B) 「SCHOOL OF LOCK!」でやっている悩み相談(「ユニゾンLOCKS!」)で学生の皆さんのエピソードを聞くところから始まったんですよね。最初は誰に対してどんな曲を作るのか決まってなくて、動き出してから考えようとフラットに構えていました。
──いろいろなエピソードが寄せられる中で、北海道の旭川東栄高校の生徒の皆さんに向けて合唱曲を制作することになったわけですね。
田淵 旭川東栄高校は来年の3月で閉校することが決まっていて。「最後の1年なのに、みんなで一丸になっている感じがない。みんなで一緒になれるようなことをやりたい」という女子生徒のメールが、メンバーの心の琴線に触れたんですよね。そのときに「じゃあ、合唱曲だな」と思って。
鈴木貴雄(Dr) 閉校と言っても、いろんな目線があると思ったんですよ。卒業していく生徒、それを見送る先生だけではなく、校舎の目線もありますからね。「僕は取り壊されるけど、みんな元気でね」ではないけど、それも擬人化して取り入れられたらなって。下駄箱、黒板、校門もそうだし。
斎藤宏介(Vo, G) 曲作りは田淵に任せていたんですけど、見ず知らずの学校の生徒のために曲を作って、それを歌ってもらうということに対しては、正直、ちょっと不安もありましたね。向こうはプロではないし、こちらもプロではない人に向けて歌を作ることに慣れているわけではないので。ラジオのリスナーにも聴いてもらうことになっていたから、質の高いものにしたいという気持ちもあったし。その中でどんな協力ができるのかを考えながら進めていった感じです。
田淵は勉強家だな
──楽曲の制作はいかがでした?
田淵 旭川東栄高校のみんなに合唱曲を作るということが決まってから、締め切りまで2週間くらいしかなかったのかな? でも、いろいろなエピソードを送ってもらったことでイメージはできていたし、迷うことはなかったですね。
鈴木 曲を聴いたとき「これだったら間違いないな」と思いました。田淵は勉強家だなって。
田淵 ははは(笑)。
鈴木 こういう曲を作ったのは初めてのはずなのに、しっかり合唱曲のフォーマットに沿っているし、クオリティもすごく高くて。しかもちゃんと“田淵節”になってるんですよ。輪唱みたいに追いかけながら歌うところも、ギリギリ追えるかどうかのタイミングになっていたり。ただベタ褒めしてるだけですね、これじゃ(笑)。
田淵 まぐれでいい曲ができました(笑)。J-POPの楽曲を合唱できるようにアレンジしたものをいろいろとリサーチしてみたんですよ。そのときに「これなら自分にも作れそうだな」と思って。まずはポップスとして成り立つ曲を作って、それを合唱曲として編曲した感じですね。
斎藤 純粋に「いい歌だな」と思いましたね。歌い出しの歌詞(「少年よあの日の笑い声 覚えてるかな ほら この場所だよ」)が好きなんですよ。UNISON SQUARE GAREDNでは出てこないワードだし、これを田淵が書いたっていうのもいいなって。歌を歌っている身としては、親心ではないけど「これを歌うのは難しいだろうな」とも思いました。
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生徒に伝えた「鬼練してください」
- スクールソング プロジェクト
supported by カルピスウォーター -
TOKYO FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」が、“感謝を伝えたい人”に歌でエールを贈るプロジェクト。番組リスナーから「日頃感謝を伝えたいと思っている人」とのエピソードを募集し、当選者のエピソードをもとにUNISON SQUARE GARDENがオリジナルソングを制作した。今回当選したのは2018年3月での閉校が決定している北海道・旭川東栄高校。UNISON SQUARE GARDENは学校に残った最後の卒業生である3年生150名のために合唱曲「学び舎の春 ~LAST RUNNERS~」を制作し、生徒との合唱会を実施した。
- UNISON SQUARE GARDEN「10% roll, 10% romance」
- 2017年8月9日発売 / TOY'S FACTORY
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初回限定盤 [2CD]
1944円 / TFCC-89623 -
通常盤 [CD]
1296円 / TFCC-89624
- CD収録曲
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- 10% roll, 10% romance
- RUNNERS HIGH REPRISE
- flat song
- 初回限定盤付属ライブCD収録曲
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UNISON SQUARE GARDEN presents "fun time HOLIDAY 6" at Zepp Tokyo 2017.06.07
- フライデイノベルス
- Silent Libre Mirage
- 桜のあと(all quartets lead to the?)
- プロトラクト・カウントダウン
- instant EGOIST
- オリオンをなぞる
- 光のどけき春の日に
- デイライ協奏楽団
- フルカラープログラム
- 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
- 天国と地獄
- mix juiceのいうとおり
- UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾンスクエアガーデン)
- 斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)からなる3ピースロックバンド。2004年7月に結成され、都内を中心に活動を開始する。2006年8月に1stミニアルバム「新世界ノート」をリリースし、ライブハウスおよび下北沢ハイラインレコーズのみの販売で1000枚を完売。2007年にはメンバー主催のイベントをスタートさせ、同年12月には初の単独ライブを成功させた。2008年7月にシングル「センチメンタルピリオド」でメジャーデビュー。アニメ「TIGER & BUNNY」のオープニングテーマとして制作した2011年5月リリースのシングル「オリオンをなぞる」で広く注目を集める。2015年5月にアニメ「血界戦線」のエンディングテーマ「シュガーソングとビターステップ」をシングルリリースし、同年7月にはバンド結成10周年を記念したアルバム「DUGOUT ACCIDENT」を発表、バンド史上初の東京・日本武道館でのワンマンライブも開催した。2016年7月に約2年ぶりとなるフルアルバム「Dr.Izzy」を発表し、本作を携えて44カ所48公演というバンド史上最多公演数となる全国ツアーを実施。8月9日にテレビアニメ「ボールルームへようこそ」オープニングテーマのシングル「10% roll, 10% romance」をリリースし、10月より全国ツアー「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018「One roll, One romance」を行う。