この曲、かなりの問題作ですね
──そして先行配信された「愛にならなかったのさ」の作詞・作曲はMAMIさん。「ベスクリ」でも披露されていた、恋の終わりを描いた曲です。
MAMI これは今の年齢だからこそ書けた曲です。メロディは「アイボリー」と同時期にできていて。「アイボリー」が自分の気持ちを吐き出すような楽曲になったので、それとはまた違った歌詞を書きたいなと思って、恋愛に振り切った内容にしたんです。女性の視点にギュッとフォーカスした内容なので、男女で聴いた反応がかなり違うんですよ。ちなみにこの曲のアレンジを一緒にやってくれた宗本(康兵)さんは「“このまま一緒にいられる”って言ってるのに別れるの?」って怒っていました(笑)。
RINA だったら一緒にいたらいいじゃんって思うよね(笑)。
MAMI でも、この歌詞のような気持ちになっている女性は、どんなことがあってももう気持ちが変わらないんですよね。そういう話をすると宗本さんのように怒る人もいれば、「そうなんだ」って学ぶ人もいて。いろんなとらえ方があって面白いです(笑)。
──聴き手の年齢にもよるでしょうしね。ある程度、年齢を重ねた人は、“愛にならなかったのさ”って言われたらもうね、納得するしかないというか(笑)。
RINA つらすぎる(笑)。この曲、かなりの問題作ですね。
TOMOMI 「ベスクリ」でやるときもちょっと緊張したもんね。クリスマスイブだったこともあって、会場にはカップルや夫婦で来てる人もいたからどういう反応になるんやろうって。ちゃんと拍手がくるのか、それとも「絶望!」みたいな空気になっちゃうのかっていう(笑)。
HARUNA 実際、なんとなくこの曲から会場の空気が変わったような感じもあったよね(笑)。アルバムで改めて聴いてもらったうえで、またみんなの反応を楽しみたいと思います。
敬愛する同世代のミュージシャンへ
──アルバムには新曲があと2曲。昨年の大阪城ホールライブで披露された「蒼の鳴る夜の隙間で」についても改めてひと言いただけますか? 作詞・作曲はRINAさんです(参照:SCANDALが大阪城ホールで迎えた結成15周年記念日、新旧楽曲で魅せたバンドの現在地)。
RINA 未だにこの曲についてどう話したら誤解なく伝わるかなって悩んでいるんですけど……リスペクトを込めて名前を出させてもらうと、赤い公園の(津野)米咲ちゃんが亡くなっちゃったことをきっかけに書いた曲なんです。あのときはショックで悲しすぎて、メンバーともすぐ連絡を取り合っていろんな話をしたんですよ。米咲ちゃんは同世代のミュージシャンとして尊敬しているし、私たちが知る限りでは、SCANDALの音楽を「カッコいいじゃん」って公に言ってくれたアーティストなんです。その才能にはものすごく刺激ももらっていたので、あれ以来、心に大きな穴が開いてしまったような感じだったんですけど、今後も彼女の存在、彼女の作った音楽をずっと忘れることはないし、ずっと尊敬し続けると思うので、その気持ちを曲として残しておこうと思いました。今後も大切にライブでもやり続けていこうと思っている1曲です。
──もう1曲は「プリズム」。RINAさんが作詞、TOMOMIさんが作曲という組み合わせはこの曲が初めてですよね?
TOMOMI そうですね。逆は過去にあったんですけど。
RINA これは詞先で作っていきました。去年の8月21日、15周年記念の大阪城ホールの前日に、大阪のホテルでアルバムタイトルのミーティングを4人でやっていたんですけど、そこでも結局、決定はしなかったんですよ。ただ、翌日のライブに対してものすごく自信を持てている自分たちに気付くことができて。過去の大阪城ホール公演は、特別な場所すぎてかなり緊張をしてしまっていたんだけど、それがまったくなかった。なので、そういった自分たちのムードや気持ちを曲にしなきゃもったいないと思って、すぐに歌詞を書いたんです。その歌詞にはTOMOMIのメロディが似合いそうだと思ったので、「好きなように、自由にメロディをつけてみて」っておまかせして。
TOMOMI 歌詞の主人公のキャラクターがパッと浮かんできたので、その子が口ずさんでいるメロディをイメージして、自由に作りました。おもちゃみたいな音を入れたかったので、トイピアノやオルゴールの音が入っています。スノードームのような、小さな世界観を持った曲になりました。
2022年も初心を忘れずに
──この素晴らしいアルバムを引っさげ、3月からは国内ツアーがスタートします。そして7月以降はワールドツアーも決定していますね。
HARUNA これだけの本数のライブを発表できたことを見ても、少しずつ光が見えてきているなと感じますよね。無事に海外も行けたらいいな。
RINA ワールドツアーは延期ばっかりやったからね。海外のファンのみんなはめちゃくちゃ待ってくれていると思う。
HARUNA 待ち疲れちゃってないかな?
TOMOMI 2021年を経て、私たちはやっぱりお客さんの前でやるライブが本当に好きだと改めて感じたので、とにかくツアーは楽しみでしかないです。
MAMI 地方も含めて、細かくいろんな場所を回れるのが本当に楽しみ。
RINA 「MIRROR」はホールが似合うアルバムでもあると思うので、1本1本のライブを今まで以上に大切にしながらしっかり届けて行こうと思っています。
──2022年の今現在、バンドとして思い描いているビジョンはありますか?
MAMI 先日、島田秀平さんにバンドのことを占ってもらったんですよ。そしたらSCANDALはまだデビューしてなくて、2023年にメジャーデビューするって言われました。だから今年もインディーズの気持ちで(笑)、初心を忘れずに踏ん張ろうと思ってますね。
HARUNA 2023年には何が起こるんだろうね(笑)。
TOMOMI 2022年に7年分の努力が報われるみたいなことを言ってもらえたから、それをきっかけに2023年にデビューすることになるんじゃない?
RINA (笑)。丁寧に曲を作って、納得のいくライブをやってたら、どこかで私たちを見つけてくれる人が出てくるってことかな。そこに希望を持ってがんばります。
──念のために言っておきますけど、SCANDALはれっきとしたメジャーアーティストですから(笑)。きっとここからさらなる飛躍が待っているということなんでしょうね。
MAMI そうなったらいいですよね。そのために曲作りもまたがんばろう。その曲たちが来年ヒットするってことなのかもしれないし。
TOMOMI っていうか「MIRROR」が大ヒットする説あるよね。
──“説”って(笑)。
TOMOMI 今、その占いだけが希望だから(笑)。
MAMI 占いに私たちかなり左右されてるねー(笑)。
HARUNA でも、いいことは信じたいよね。
TOMOMI うん。いいことだけ信じる(笑)。
ツアー情報
SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR" JAPAN
- 2022年3月12日(土)神奈川県 厚木市文化会館 大ホール
- 2022年3月21日(月・祝)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
- 2022年3月26日(土)宮城県 トークネットホール仙台 大ホール
- 2022年4月9日(土)福岡県 福岡市民会館
- 2022年4月10日(日)広島県 上野学園ホール
- 2022年4月17日(日)北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
- 2022年4月29日(金・祝)石川県 金沢市文化ホール
- 2022年4月30日(土)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
- 2022年6月7日(火)大阪府 フェスティバルホール
- 2022年6月10日(金)東京都 中野サンプラザホール
- 2022年6月11日(土)東京都 中野サンプラザホール
SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR" North America
- 2022年7月9日(土)カナダ オンタリオ州トロント Queen Elizabeth Hall
- 2022年7月11日(月)アメリカ ニューヨーク州ニューヨーク Sony Hall
- 2022年7月13日(水)アメリカ マサチューセッツ州ボストン Big Night Live
- 2022年7月15日(金)アメリカ ジョージア州アトランタ The Masquerade
- 2022年7月16日(土)アメリカ イリノイ州シカゴ House Of Blues
- 2022年7月18日(月)カナダ バンクーバー Imperial Vancouver
- 2022年7月20日(水)アメリカ ワシントン州シアトル The Neptune
- 2022年7月22日(金)アメリカ カリフォルニア州アナハイム House of Blues
- 2022年7月26日(火)アメリカ テキサス州ダラス Legacy Hall
SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR" Europe
- 2022年9月22日(木)ドイツ ベルリン LIDO
- 2022年9月24日(土)イギリス ロンドン O2 Academy Islington
- 2022年9月27日(火)フランス パリ YOYO
プロフィール
SCANDAL(スキャンダル)
HARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)からなる4人組ガールズバンド。2006年に大阪・京橋で結成され、2008年にシングル「DOLL」でメジャーデビューを果たす。翌2009年にはシングル「少女S」でレコード大賞新人賞受賞。2015年には初の単独ワールドツアーを成功させ、その様子に密着したドキュメンタリー映画「SCANDAL Documentary film HELLO WORLD」が同年公開された。2018年にプライベートレーベル「her」を立ち上げ、レーベル第1弾作品としてシングル「マスターピース / まばたき」をリリース。2020年2月にフルアルバム「Kiss from the darkness」を発表。結成15周年を迎えた2021年8月に7年ぶりの大阪・大阪城ホール公演「SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』at 大阪城ホール」を開催した。2022年1月に10thアルバム「MIRROR」をリリース。3月より国内ツアー、7月よりワールドツアーを開催する。
SCANDAL Official Website – SCANDAL公式サイト
SCANDAL (@scandal_band_official) | Instagram
SCANDAL HARUNA (@haru_na810) | Instagram
SCANDAL MAMI (@mmts_dayo) | Instagram
SCANDAL TOMOMI (@tomo_0531_) | Instagram