SCANDAL|自分たちだけの場所で迎えた第2章の幕開け

「まばたき」は10%の力で

──「まばたき」の作詞、作曲は共にRINAさんが手がけたものですね。

RINA はい。いつもとは違うちょっとあいまいな内容の曲があってもいいのかなと思ったので、今回は「で、この恋ってどうなったの?」っていうまま曲が終わっちゃう感じの歌詞を書きました。夜、部屋で好きな人のことをぼんやり思ってるだけで、エンディングが明確じゃないっていう。そういうあいまいさとか、丸みのある言葉たちは個人的にすごく好みなので、かなり私の趣味が出てるとは思います(笑)。

──こういった世界観を描けてしまうのは、ガールズバンドならではですよね。

HARUNA はい。そうだと思います。

──アレンジはMAMIさん。バンドとしての音楽性の幅を感じさせる、すごく素敵なサウンドだと思います。

MAMI ありがとうございます。うれしい! これはRINAちゃんの中にわりと明確なイメージがあったので、細かくやり取りしながら作っていきました。普段の打ち込みのドラムはわりと生音に近いものを使うことが多いんですけど、今回はテクノとかダンスミュージックっぽい音をあえて選んでいます。キックの音は2つ、3つ違ったものを重ねていたりもするし、既存じゃない音作りを意識しましたね。自分が気持ちいいと感じる音をはめながら、いろんなトライができたと思います。

──サウンドの構築の仕方は「マスターピース」とまったく違いますもんね。

MAMI 全然違います! オケの録り方も全然違いましたし。

RINA 1つのバンドとしてまったく違ったアプローチができるのはすごく楽しいですよね。この曲のボーカルはTOMOMIメインだし。

TOMOMI(B, Vo)

──TOMOMIさんが歌うのはちょっとひさしぶりな感じですね。

TOMOMI ひさしぶりだったので、すごく新鮮な気分で歌えました。昔のように、HARUNAと私がそれぞれで1曲まるまる歌った後、パズルみたいにパート分けしていく作業も楽しかったし。曲がふんわりしているので最初は普段の30%くらいの力で歌ってたんですよ。でも「もうちょっと優しくてもいいかも」って言われたので、結果的に10%の力で歌いました(笑)。

RINA (笑)。「元気なく、地味目で!」みたいな、いつもとは違うディレクションの仕方だったので本当に楽しかったですね。

──HARUNAさんも10%で歌ったんですか?

HARUNA 10%です(笑)。「マスターピース」とは違う日の歌録りでほんとによかった。同じ日だったら絶対無理だっただろうなって。

MAMI 「まばたき」は最初にオケ録りをした後、歌も入れたんですよ。しかも合間にごはんを食べたからちょっと眠たくなってて。それがいい具合に歌に影響したと思う(笑)。

TOMOMI 歌ったのは夜10時くらいだったもんね。ふわふわしながら歌ってた(笑)。

──1人の女の子のパーソナルな感情を描いた曲でありながら、それを2人で歌う面白さもありますよね。

RINA そうそう。それによってちょっと夢の中みたいな雰囲気が出たと思うんですよね。

HARUNA 今回のように両極端な曲が生まれてくるからSCANDALをやってると楽しいんですよね。女の子は「今日はこういう服着よう」「今日はこういうメイクにしよう」みたいな感じで、日によって見た目を変化させるじゃないですか。そういう感覚をバンドとして味わえていることこそがSCANDALの醍醐味だなって今回の制作を通じて改めて思いました。女の子の多面性を表現した2曲は「her」の1発目にぴったりな自信作になりました。

ファンクラブツアーは“MANIA”向け、全国ツアーはちょっとずつ夏を感じながら

──3月末からはファンクラブツアー「SCANDAL MANIA TOUR 2019」が、そして6月からは全国ツアー「SCANDAL TOUR 2019 "Fuzzy Summer Mood"」がスタートします。

MAMI まずファンクラブツアーはかなりマニアックな面白いセットリストになってます。なので“MANIA”の方々は楽しみにしていてほしいですね。

HARUNA いろいろ企んでますからね(笑)。

RINA で、6月からは新元号になって初のツアーです。季節が移り変わる時期、あいまいな気温の中でちょっとずつ夏を感じながら、いいムードのツアーになればいいなと思っています。

──まさにタイトル通りな(笑)。

RINA はい(笑)。ファンクラブツアーも始まってない段階なので内容はこれから詰めていくんですけど、より自分たち主導となった体制の中、バンドとしてしっかりした姿をちゃんと届けられたらと思います。今の4人のムードもしっかり伝えたいです。

HARUNA 帯広とか初めて行く土地もあるしね。新たな仲間をさらに増やしたいなと。

MAMI ライブハウスツアーなのもいいなって思うんですよね。初心に帰るというか、「ここからまた始まるぞ」という感じがめちゃめちゃあるので。

TOMOMI 環境が変わって今すごくワクワクしてるし、新鮮な気持ちなので、それをずっと持続させてツアーを周りたいです。結成したときからそうですけど、私たちはワクワクするほうへ、楽しそうなほうへ向かって突き進んできたので、これからもずっと新しいことを追いかけ続けたいと思ってます。

SCANDAL

ツアー情報

SCANDAL TOUR 2019 "Fuzzy Summer Mood"
  • 2019年6月1日(土)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2019年6月2日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2019年6月6日(木)愛媛県 WStudioRED
  • 2019年6月8日(土)香川県 高松festhalle
  • 2019年6月9日(日)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
  • 2019年6月14日(金)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2019年6月15日(土)神奈川県 Yokohama Bay Hall
  • 2019年6月22日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2019年6月23日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2019年6月29日(土)北海道 Zepp Sapporo
  • 2019年6月30日(日)北海道 帯広MEGA STONE
  • 2019年7月4日(木)新潟県 NIIGATA LOTS
  • 2019年7月6日(土)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
  • 2019年7月10日(水)東京都 Zepp Tokyo
  • 2019年7月11日(木)東京都 Zepp Tokyo

※特集公開時より本文に変更がありました。


2019年3月29日更新