ナタリー PowerPush - SCANDAL
ロックバンドSCANDALの真の姿を紐解く「TEMPTATION BOX」
HARUNAはリーダーとしてセンターが似合う女
──今度は今隣にいるメンバーのすごいところを1人ずつ語ってもらいたいと思います。じゃあTOMOMIさんからRINAさんへ。
TOMOMI RINAはすごい努力家なんですよ。例えばできひんフレーズがあったりすると、できるまでやるんです。できひん自分に負けたくないみたいなところがすごいあって、休憩時間もすっごい無表情でずっと叩いてるんですよ(笑)。ドラムのことを考えてない時間がないんやろうなって感じ。すごいなと思います。
──と、言われましたが?
RINA いやぁもうアホなんですよね、普通に(笑)。0か100しかなくてグレーがないんです。それがあかんところではあるなって、ほんまに最近思って嫌なんですけど。昔から特にずば抜けて何かができたり、得意なことで絶対人には負けないっていうものがないから、自信につながるものが練習しかなくて。だから、自分ではがんばってるとか努力してるとかは思わないんですよ。
──ではRINAさんからHARUNAさんに。
RINA HARUNAとは歳が3歳離れてるんですけど、初めて会ったときはとてもお姉ちゃんに見えて。何をしゃべったらいいかわからないし、どう呼んでいいかもわからなかったんです。HARUNAもHARUNAで人見知りやし。でも、4年ずっと一緒にいてすごく変わったなって思ったエピソードがあって。あるとき、HARUNAがひとりで全国キャンペーンを回ってくれたことがあったんですよ。で、帰ってきたHARUNAが行く前とは別人で。なんでも話してくれるし、インタビューやライブの姿勢も全然変わって。人って1カ月か2カ月の間にこんなに成長できるのって思うぐらい、言うことひとつひとつも変わったんです。今もみんなをまとめてくれるし、HARUNAがおらへんかったらバラバラで収集つかなくなるんじゃないかってぐらい。だから、このバンドのリーダーとしてすごいセンターが似合う女やなって思ってます。
──そのキャンペーンのこと、覚えてます?
HARUNA もちろんです。もともと喋るのは得意なほうじゃないけど、ひとりだとラジオでも全部喋らないといけないじゃないですか。そういうのに慣れてきて、ちょっと楽しいなと思えるようになったのが自分の中では大きいですね。
「なんかさ、付き合ってるみたいだよね」
──続いて、HARUNAさんから隣のMAMIさんに。
HARUNA MAMIは、頭の中がきっとすごいです(笑)。最近Twitterをやってるんですけど、謎な発言ばかりでもうついていけません状態(笑)。
MAMI そうかなぁ。
HARUNA そうでしょ完全に! だからちょっと、追求していきたい(笑)。っていうのは冗談なんですけど、ライブパフォーマンスがすごいカッコいいんです。この間ライブDVDを家で観てたんですけど、「カッコいいー」と思って。ギターソロを弾いてる姿だったり、全体で映っているところでも目を引いて、男らしいなと思いますね。女子ギタリストなんだけど、男の人に負けないぐらいのパワーを持ってるなって。
──という話でしたが。
MAMI いやぁうれしく思います、あはは(笑)。カッコつけようと思ってなくて自然にそうなってるんだったら、それに越したことはないなと思います。
──それでは最後に、MAMIさんからTOMOMIさんへ。
MAMI TOMOMIはすごく器用でなんでもこなす子。ベースだけじゃなくて、他の楽器もスタジオでちょっと空き時間あると「ギター貸してー」「ドラム貸してー」ってよく言ってきて、教えたことをすぐに吸収できるのがすごい。初めて会ったときはおとなしい子で、今とは全然違う感じだったんですよ。「この子と普通にいたら友達になることないだろう」って思うくらい自分とは真逆かなって思ったんですけど、びっくりなもので今では一番近い存在で。アホなことを一緒にするし2人で出かけたりもするし、街でばったり会うことも多いし(笑)、なんでも話せるしなんでも受け止めてくれる。コンビというか相方みたいな感じですね。
TOMOMI (小声で)イェーイ……。
MAMI なんかさ、付き合ってるみたいだよね。
一同 えぇーっ!?(笑)
MAMI いや、よくメンバーから言われるんですよ、「何そこの2人?」みたいに。
TOMOMI 隣におったら別に意識しないのに2人の距離が近いらしいんですよ。だから「気持ち悪い」ってよく言われます。しかも歩いてて無意識に手をつないでたりするし。
HARUNA キモイよ!(笑)
RINA 怖いです。
TOMOMI こんなんがリズム隊やったら、すごくうまいバンドになってる(笑)。
SCANDALを10年以上続けたい
──ここまで話を聞いて、この4人は集まるべくして集まったのかなと改めて思いました。それでは最後に、今後の目標を教えてください。
TOMOMI SCANDALとして、まず目指してるところが大阪城ホールなんですよ。インディーズのときに大阪城ホールの近くにある、城天ストリートっていうところでずっと毎週ライブをやってて。大阪城ホールでライブをするアーティストさんがいたら、それを観に行くお客さんを足止めするために、そのアーティストさんのコピーを演奏したりしてたんで、いつか自分たちが大阪城ホールに立ちたいなっていう思いがずっとあったんです。
RINA SCANDALを10年以上続けたいです。ぶっちゃけすぐ終わるんちゃうかと思われてると思うんですけど、ほんまにそこを裏返したい。その頃には、衣装は制服じゃないかもしれないけど(笑)。
HARUNA 音楽が好きなので、ずーっと続けていきたいなと思ってます。それと、この4人がメンバーっていうのは絶対崩しちゃいけないと思ってるので、これからも仲良くやっていきたいです。
MAMI 「ガールズバンドといえばSCANDAL」「いろんなバンドがいるけど、やっぱりSCANDAL違うよね」みたいな、そういう位置を確立できたらいいなと思ってます。本当に10年、20年続けていきたいし、それに向けてがんばりたい。これからいろいろなことをやらなきゃいけないし、挑戦することもたくさんあると思うんですけど、この4人が崩れなければやっていけると思うので、本当に「ガールズバンドといえばSCANDAL」、もっと言えば「バンドといえばSCANDAL」ってくらいカッコいいバンドになりたいです。
CD収録曲
- EVERYBODY SAY YEAH
- 太陽と君が描くSTORY
- 瞬間センチメンタル
- 放課後1H
- 涙のリグレット
- Hi-Hi-Hi
- 少女M
- GIRLism
- プレイボーイ Part II
- Hello! Hello!
- 会いたい
- さよならMy Friend
初回生産限定盤
- DVD付2枚組
- 三方背BOX仕様
完全生産限定盤
- 超豪華フォトブック付
SCANDAL(すきゃんだる)
2006年8月に大阪のボーカル&ダンススクールで出会ったHARUNA(Vo,G)、MAMI(G,Vo)、TOMOMI(B,Vo)、RINA(Dr,Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気を急上昇させる。2008年3月にはタワーレコード限定のインディーズシングルを3カ月連続でリリース。春から夏にかけてはアメリカ・フランス・香港などでもライブを行い、海外のジャパンカルチャーファンからも注目を集めた。同年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たす。2009年末には「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞。ライブツアーやイベント出演も精力的に行い、ファン層を拡大し続けている。