ナタリー PowerPush - SCANDAL
ロックバンドSCANDALの真の姿を紐解く「TEMPTATION BOX」
ひとりひとりの個性を出したくて
──続いて、8月には2ndアルバム「TEMPTATION BOX」がリリースされます。1stアルバム「BEST★SCANDAL」にはインディーズ時代の曲も入っていて、それまでの活動の集大成という意味合いもあったと思います。この2ndアルバムを作ろうという話になったとき、こうしたいというイメージはありましたか?
HARUNA この作品は、「TEMPTATION BOX」(誘惑の箱)ってタイトルが最初に決まって。箱の中身が気になっちゃう、覗いてみたくなっちゃうような1枚にしようってコンセプトで作ったので、曲のジャンル自体はバラバラだったりするんですよ。でもいろんな挑戦ができたので、自分たちの幅が広がったんじゃないかと思います。
──演奏や歌の部分で新しく挑戦したことはありますか?
MAMI 自分が作詞してる曲(「少女M」)で、初めて全部自分で歌ったことかな。今まではサビは全部HARUNAとTOMOMIが歌っていたので、まるまる歌うのは初めてだったんですよ。今回は本当の意味で、自分の曲が初めてできましたね。
──この曲、ライブでやったら面白そうですね。
MAMI そうですね。今回のアルバムの曲は遊べるところがいっぱいあるので、ライブでどうやろうかって考えてます。あえて自分の担当じゃない楽器を持ってもいいんじゃないかとか、逆にもう楽器は一切持たないで本当にオケだけ流してやっちゃうとか。でもまだ内緒です、ふふふ(笑)。
──2枚目にして早くも実験的な一面が強く出てますね。
MAMI とにかくひとりひとりの個性を出したくて。だからTOMOMIがメインで全部歌ってたり私がひとりで歌ってたりするし、本当に曲調もバラバラだし、初のバラードもあるし、リフ一発でノレる曲もあるし。自分たちがやりたかったことを全部詰め込んだアルバムになってるんです。自分たちでは1stと2ndは比べられないくらい両方とも大好きなんですけど、今回は本当に自信を持ってお届けできるものになったと思います。
──前作の発売からまだ10カ月しか経ってないんですよね。この成長は改めてすごいなと思います。
HARUNA ありがとうございます。10カ月の間にワンマンライブがあって、その中でそれぞれ得るものがあって少しずつ自分たちの自信にもなって。だからアルバムを作ることに対してもみんなの欲がいい意味で出ていて、それをちゃんと実現できたこともあって、ちょっとずつ度胸がついてきたんじゃないかな。
どう見てもらっても構わない
──SCANDALはロックバンドとして活動しているけど、ガールポップグループと見る人もいるし、中にはアイドルと見る人もいて、いろんな見方をされる立ち位置にいると思うんです。自分たちとしては、周りからどういうふうに見られていきたいですか?
MAMI 個人的にはどう見てもらっても構わないと思ってます。まぁいろいろ言われたりもしますけど、SCANDALはこの4人であって、ライブもうちらにしかできないものをいつもやってると思ってるので。けど、楽器だけじゃなくてパフォーマンスもがんばって、「これがSCANDALだ」っていうのを作っていけたらいいなと思ってます。
HARUNA 10人いたら10人違うこと言ってくれていいんですよ。でも私たちは自分たちの意思がまったくない人形なわけじゃないし、ちゃんとSCANDALってものを面白がってほしいし、楽しんでほしいっていう思いはあります。
──どう思ってくれても構わない、自分たちは自分たちだと。
HARUNA そうですね。ライブはちゃんとカッコよくしたいし、曲もいろんなジャンルに挑戦していきたいし。例えば「涙のリグレット」とその前の「太陽と君が描くSTORY」では全然曲調が違うから、「あれ?」って思う人もいるかもしれないけど、でもそういうのも全部含めてうちらなんです。
CD収録曲
- EVERYBODY SAY YEAH
- 太陽と君が描くSTORY
- 瞬間センチメンタル
- 放課後1H
- 涙のリグレット
- Hi-Hi-Hi
- 少女M
- GIRLism
- プレイボーイ Part II
- Hello! Hello!
- 会いたい
- さよならMy Friend
初回生産限定盤
- DVD付2枚組
- 三方背BOX仕様
完全生産限定盤
- 超豪華フォトブック付
SCANDAL(すきゃんだる)
2006年8月に大阪のボーカル&ダンススクールで出会ったHARUNA(Vo,G)、MAMI(G,Vo)、TOMOMI(B,Vo)、RINA(Dr,Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気を急上昇させる。2008年3月にはタワーレコード限定のインディーズシングルを3カ月連続でリリース。春から夏にかけてはアメリカ・フランス・香港などでもライブを行い、海外のジャパンカルチャーファンからも注目を集めた。同年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たす。2009年末には「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞。ライブツアーやイベント出演も精力的に行い、ファン層を拡大し続けている。