さよならポニーテール|川崎純情小町☆宮内桃子の体験!さよポニワールド

クロネコが語る「君は僕の宇宙」

クロネコ

アルバム「君は僕の宇宙」の制作意図、テーマ

さよポニのアルバムで「青春ファンタジア」っていう青春をテーマにした作品があるんですけど、今回のアルバムの根底にあるのは、ああいうキラキラした青春時代に対してのアンサーというか「時間は決して戻らないし、大人になることは避けて通れない」みたいなことをいろんな方法で描いてるアルバムです。

ドナルド・フェイゲンの「The Nightfly」のインナースリーブに「このアルバムの曲は1950年代後半から60年代のはじめ、アメリカ北東部の郊外で育った若者なら誰もが抱いたであろうあのファンタジーを表している」っていうのがあって、そういうモチーフが僕にとっては「80年代後半から90年代の東京郊外」なんです。

例えば、今回のアルバム1曲目「センチメンタル」のイントロはThe Style Councilの「Shout To The Top」のオマージュなんだけど、僕がThe Style Councilのこの曲を知ったのは、当時、友達から「Corneliusの『The Sun Is My Enemy』のイントロの元ネタだよ」というのを聞いたからで、今の自分たちがそういう循環の連鎖を下の世代につなげられたら面白いのかな、っていう気持ちもあるのかも。

そういう意味では、アルバム最後の「メッセージ」っていう曲も、The Beatlesへのオマージュが強いんだけど、1994年にリリースされたOasisの「Whatever」でもあると言うか、つまり「青春の呪縛」ってそういうことなのかなと思っています。

なので、その呪縛から逃れることもできずに今も音楽をやり続けてしまっている、という事実そのものがアルバムのテーマだし、リスナーへのメッセージでもあるのかなと。

「摩天楼と臨界点」ホログラムMVについて

前のアルバムに収録されている「放課後てれぽ~と」という曲のMVでVR技術を使ったんですが、そのMVのコンセプトが「もし、あの頃の放課後に今、テレポートできるなら」というもので、放課後の学校で、女子高生たちと過ごしてるような体験ができるMVを作ったんです(笑)。

その延長と言うか「最新の技術を使って懐かしい体験をする」というのをやりたくて、今回は昔の懐かしいレトロゲームをホログラムで観れる、というコンセプトになりました。「ホログラムとゲーム」で真っ先に思いついたのが1995年に発売された任天堂の「バーチャルボーイ」だったんですが、偶然にも今回のMV監督である大橋くんから最初にもらったMVの企画書にも「バーチャルボーイ」の名前が真っ先に書いてあって(笑)。こんなにセンスが合う人もなかなかいないので、あとはもう完全にお任せです。「こんなさよポニのゲームがあったらやりたい!」をビジュアル化してくれたので本当に満足しています。