音楽ナタリー Power Push - 佐藤竹善
絶えることのない好奇心と曲げない信念
さかいゆう&土岐麻子からのコメントも到着
求められていること、やりたいことの壁を凌駕するべき
──SING LIKE TALIKNGの活動についても聞かせてください。2018年のデビュー30周年に向け、昨年からカウントアップのプレミアムライブが行われています。2015年は「シング・ライク・ストリングス」と題して、ストリングスをフィーチャーしたライブを開催。今年8月には日比谷野外大音楽堂でホーンセクションを取り入れた「SING LIKE TALKING Premium Live 28/30 Under The Sky ~シング・ライク・ホーンズ~」が行われました。初の野外ライブでしたが、手応えはいかがでしたか?
面白かったですよ。ファンも僕らも期待と不安があったと思うんですけど、ロケーションもよかったし、バンドメンバーも楽しんでましたから。参加してくれたFIRE HORNSもすごく盛り上げてくれたし、またやりたいなって思いますね。
──ストリングスを取り入れたライブ、ホーンセクションをテーマにしたライブを行ったことで、新たな発見もあったのでは?
いろいろやってきたなと思いました(笑)。クラシック的なアンサンブルだったり、ジャズ、ファンクを取り入れたものだったり。ライブの最中は普通のツアーと同じというか、「もうすぐ30周年か」みたいなことも考えないですし。ただ昔より楽しくなってきたんですよ。若いときは必死だったし「もっとカッコよく」「もっとうまくなりたい」という気持ちがあったけど、そういうのがなくなって「どうがんばっても、持ってるものしか出せない」という感じになってきたというか。キャリアを重ねることで、少しは余裕も出てきたと思うし。そうすると逆に声がラクに出せたりするんですよね、不思議なことに。今は「29周年(2017年)をどうしようかな」と考えているところですね。30周年はお祭りになると思うので。
──佐藤さん自身の活動もさらに広がりそうですね。先ほど話に出た玉置浩二さんのライブだったり、大儀見元さんを中心としたサルサバンドSALSA SWINGOZAの新作「Cantando」にゲストボーカルとして参加するなど、ジャンルを超えた活動が続いていて。
それは今後も続けていこうと思っています。自分のクオリティをもっともっと上げたいし、僕の場合、通常のアーティスト活動だけでは、型にハマってしまうので。スティーヴィー・ワンダーもポール・サイモンもそうですが、作品が出るたびに「今回はこんなアプローチで来たか」と驚かされるんですよ。自分のスタイルを決めないで、どんどん新しいことをやっていく。それこそがアーティストだよなと思いますね。
──そのときに興味があることに純粋に向き合う、と。
そうですね。自分が好きで聴いている音楽とプロとしてやっている活動にギャップがある状態がイヤなんですよ。昔からそうなんですよね、僕は。SING LIKE TALKINGにしても、そのときに興味がある音楽と作ってる音楽の差はありたくないと、いつも思っているので。
──ポップスの場合、そのバランスは難しいですよね。リスナーから求められるものもあるでしょうし。
それもあるし、お金も稼がなくちゃいけないですからね。ただ、それを凌駕するのがアーティストだと思ってるんです。求められているものを作るのではなくて、作ったものを求められるのが理想だし、その考え方はずっと変わらないので。そろそろ人生も先が見えてくるので、それを最後まで全うできるようにがんばりたいと思っています。
- カバーアルバム「My SymphonicVisions ~CORNERSTONES 6~ feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団」
- 「My SymphonicVisions ~CORNERSTONES 6~ feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団」
- 2016年11月23日発売 / 3240円 / ユニバーサルJ / UPCH-2099
- 下記サイトにて配信中!
- iTunes Store
- レコチョク
収録曲
- Story Of My Life(One Direction)
- This Love(Maroon 5)
- Against All Odds(フィル・コリンズ)
- Hey Brother(アヴィーチー)
- Africa(Toto)
- Will You Still Love Me?(Chicago)
- The A Team(エド・シーラン)
- Come On(ベン・ジェレン)
- Human(佐藤竹善)
- 明日へ[For Kumamoto Version](佐藤竹善)
- カバーベストアルバム「The Best of Cornerstones 1 to 5 ~The 20th Anniversary~」
- 「The Best of Cornerstones 1 to 5 ~The 20th Anniversary~」
- [CD3枚組] 2016年11月23日発売 / 4212円 / ユニバーサルJ / UPCH-2100~2
DISC1収録曲
- Losing You
- Whatcha' Gonna Do for Me?
- What You Won't Do for Love
- I.O.U. Me
- You Need a Hero
- Desperado
- Between the Sheets(Live)
- Last Train to London
- Eye In the Sky
- Believe In Life feat.西村智彦 & 山弦
- Love's In Need of Love Today with TAKE6
- One of These Nights
- Change the World / Char & 佐藤竹善
- トーキョー・シティ・セレナーデ (Arthur's Theme)
DISC2収録曲
- Golden Lady
- Be You
- Right Here Waiting feat.TOKU
- Let Love Lead Me
- (I Can Recall)Spain
- The Flame In My Soul
- The Wings of Time -Dedicated to Jeffrey Thomas Porcaro
- Minor Setback
- State of Mind
- Message In a Bottle
DISC3収録曲
- Something Sad (Japanese Version)
- 木蘭の涙 withコブクロ
- サヨナラ -Album Version-
- 雪の華
- amanogawa -Album Version-
- 生まれ来る子供たちのために
- 初恋
- はじまりはいつも雨
- Ya Ya (あの時代を忘れない)
- 雨の物語
- 桜坂
- 真夏の果実
- 君住む街へ with根本要
CORNERSTONES Symphonic Concert
- 2016年11月24日(木)東京都 Bunkamuraオーチャードホール
佐藤竹善(サトウチクゼン)
SING LIKE TALKINGのボーカリストとして1988年にデビュー。1993年発売の「ENCOUNTER」、1994年リリースの「togetherness」の2作はオリコンウィークリーチャートで初登場1位を獲得した。佐藤の透明感あふれるハイトーンボイスとエバーグリーンな楽曲は多数の音楽ファンを魅了。さらに佐藤の圧倒的な歌唱力はミュージシャンからも絶賛され、他アーティストのコーラスを務めたり、小田和正や塩谷哲とはユニットを結成するなど、ボーカリストとして幅広く活躍している。1995年に発表したカバーアルバム「CORNERSTONES」から、SING LIKE TALKINGの活動と平行して本格的にソロ活動を開始。2013年よりクリスマスアルバムシリーズ「Your Christmas Day」を3年連続でリリースしている。2015年2月にSING LIKE TALKINGの集大成となるオールタイムセレクションアルバム「Anthology」を発売。同アルバム収録曲を披露するライブツアー「SING LIKE TALKING “The Sonic Boom Tour 2015”」では、全国6都市で計1万人以上を動員した。2015年7月にソロとしては初のオールタイムセレクションアルバム「3 STEPS & MORE」を発表。2016年11月に「CORNERSTONES」シリーズの第6弾となるシンフォニックカバーアルバム「My Symphonic Visions ~CORNERSTONES 6~ feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団」、「CORNERSTONES」のベスト盤「The Best of Cornerstones 1 to 5 ~The 20th Anniversary~」、初のアーティストブック「シング・ライク・トーキング 佐藤竹善 いつか見た風景 いつか見る風景 ~Keeps Me Runnin'~」を同時発売する。
2016年11月23日更新
「CORNERSTONES」シリーズの最新作「My Symphonic Visions ~CORNERSTONES 6~ feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団」のリリースを記念して、佐藤竹善とゆかりの深い面々からコメントが到着。佐藤へのメッセージに加え、アルバムからお気に入りの1曲を挙げてもらった。
竹善さん、この度は新譜リリースおめでとうございます。
アルバム全体から、いつも通りの音楽への愛情が深く伝わってくる作品でした。
豊富なキャリアと圧倒的安定感を誇る歌唱力に隠れて少し見えなくなっているかもしれませんが、子供のようにピュアなあなたの音楽への愛、僕は永遠に尊敬します。
今回のアルバムも、過去の偉大な音楽への造詣の非常に深い竹善さんが、常に新しい音楽をアップデートしていることが曲目を見ただけでも窺えます。
オリジナル曲もエドシーランもワンダイも素晴らしかった。
でも……でも……1曲に絞れって言われましたよ……。
だから……泣く泣く……僕のハイライトは、Africaです!!
間違いなく、一番あっちの世界へ連れてかれた曲でした。
さかいゆう
高知県出身の男性シンガーソングライター。20歳で上京し、独学で音楽を始める。2001年に単身渡米しロサンゼルスでストリートパフォーマンスを行いながらピアノを習得。帰国後の2004年頃よりソロ活動を本格化させ、2009年10月にシングル「ストーリー」でメジャーデビュー。胸を打つ歌詞、透明感ある歌声が広く支持されている。また客演も多く、これまでにマボロシ、KREVA、RHYMESTERなどさまざまなアーティストとコラボレーションを行っている。2015年1月にはそんなコラボ楽曲をまとめたアルバム「さかいゆうといっしょ」を発表。2016年2月に4thアルバム「4YU」を発売した。11月には映画「幸福のアリバイ~Picture~」の主題歌「再燃SHOW」をシングルリリースし、全国ツアー「POP TO THE WORLD」を開催する。
ニューシングル
「再燃SHOW」 2016年11月16日発売 / アリオラジャパン
[CD+DVD]
2000円 / AUCL-214~5
[CD]
1300円 / AUCL-216
初めてお会いしてから24年。私はあのとき高校1年生で、内心“我が家の座布団にスターがいる……!”とバクバクして、実際、竹善さんはまぶしかった。今お会いしてもまぶしいし、歌はますます輝いて、ふくらんで、広がっていらっしゃる。いつも気さくに話してくださいますが、私にとってはシンガーとして“何kmも先にあり、ずっと進み続ける、まったくたどり着かない目標”です。共演できる日を夢見ています。
アルバムで好きな曲は「明日へ」です。精密な声が波のように躍動し……素晴らしいアルバムです。そして最後のこの曲にハッとしました。竹善さんが「明日へと」と歌うと、本当に明日が見える。明日が開ける。竹善さんの声は光ですね。
土岐麻子(トキアサコ)
1976年東京生まれ。1997年にCymbalsのリードボーカルとして、インディーズから2枚のミニアルバムを発表する。1999年にはメジャーデビューを果たし、数々の名作を生み出すも、2004年1月のライブをもってバンドは惜しまれつつ解散。同年2月には実父にして日本屈指のサックス奏者・土岐英史との共同プロデュースで初のソロアルバム「STANDARDS ~土岐麻子ジャズを歌う~」をリリースし、ソロ活動をスタートさせた。2011年12月に初のオールタイムベストアルバム「BEST! 2004-2011」を発表し、ソロデビュー10周年を迎えた2014年11月に「STANDARDS」最新作となる「STANDARDS in a sentimental mood ~土岐麻子ジャズを歌う~」を発売。2015年7月には、コンセプトプロデューサーとしてジェーン・スーを迎え、2年ぶりとなるオリジナルアルバム「Bittersweet」をリリースした。2016年には台湾公演を含むツアー「TOKI ASAKO LIVE TOUR 2016 “PAINT IT PINK!”」を開催。2017年1月にニューアルバム「PINK」を発表する。
ニューアルバム
「PINK」 2017年1月25日発売 / rhythm zone
4860円 / RZCD-86245/B
3132円 / RZCD-86246