ナタリー PowerPush - 指田郁也
渾身の3rdシングル&ラーメン愛を語る
AORへの愛情をたっぷりと注ぎ込んだ前作「パラレル=」から約3カ月。指田郁也から早くも新作「花になれ」が届いた。NHK BS時代劇「陽だまりの樹」主題歌として書き下ろされた本作は、力強く生きるためのエールを真っ直ぐな言葉と歌声で響かせる壮大なバラードだ。
リリースごとにナタリーへ登場してくれている指田に対し、今回は少し趣向を変えた取材を実施。まずは指田自身が大好きだという中華そばを食べながらラーメン愛について話を訊く。そしてもちろん、新作の制作にまつわるエピソードもしっかり語ってもらった。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 中村美鶴
昔ながらの醤油ラーメンが好き
──指田さんは大のラーメン好きということなので、今回は下北沢の人気店「一龍」で取材をしようということになったわけですが。
ありがとうございます! ラーメン屋さんで取材って初めてです(笑)。
──ラーメンにもいろいろな種類がありますけど、特に中華そば系が好きなんですよね?
はい。出身が東京の下町なので、いわゆる昔ながらの醤油ラーメンが好きなんです。地元にはそういうラーメンを出す古いお店がいっぱいあって、小さい頃からおじいちゃんによく連れていってもらってたので。
──入っている具材にこだわりはあります?
好きな具はナルト、メンマ、チャーシューですかね。あとはあっさりした鶏ガラの醤油スープにちぢれ麺であれば。ほんとにシンプルなラーメンがいいんですよ。
──指田さんぐらいの年齢だとガッツリこってりのとんこつラーメン好きな人が多そうですけどね。
背脂が苦手なのでとんこつラーメンはほとんど食べないですね。だから友達とラーメン屋さんに行くことになっても、なかなか同じ店に入れなくて。みんなとんこつ好きだから。
──え、じゃあそういうときは別行動?
いや、もうほんとに頼むから中華そばにしてくれって言って(笑)。
普通に全部食べちゃっていいんですか?
──(ここでラーメン到着)じゃ、食べながら話しましょうか。
はい。おお、スープの色がキレイですね。麺もちゃんとちぢれてる。こういうのですよ、僕が好きなのは。(一口食べて)わ、おいしいです! あっさりした味だけど、普通の醤油ラーメンとはまたちょっと違った味ですね。メンマもいつも食べてるのと違って手作り感があるし。これ普通に全部食べちゃっていいんですか?(笑)
──全然食べちゃってください。
ここはお店の雰囲気も、出てくるラーメンにマッチしてていいですね。たまに店の雰囲気は良いのに、今どきのラーメンが出てくるところがあったりもするんですよ。えらい太麺だったりとか。ラーメンも最近、ファッション感覚になってたりしますもんね。
──逆に、出てくるのは昔ながら中華そばだけど店がこじゃれてたりとかね。
そうそう。爆音で音楽がかかってたりとか。僕は店内の上のほうにちっちゃいテレビが置いてある感じが好きなんですよ。
──ワイドショーとか野球中継が流れてて。
テレビも油まみれで。そういう雰囲気がたまんないですね(笑)。あ、僕スープ最後まで飲むタイプなんですけど、いいですか?
雰囲気としてナルトは入っていてほしい
──ちなみに普段どれくらいペースでラーメン食べます?
1週間に2、3回は必ず食べます。こういうおいしいラーメンなら毎日でも大丈夫です。プロデューサーはイヤがってますけどね、僕と一緒にいるとラーメンばっかりになるから。大阪へキャンペーンで行ったときは朝からラーメン食べに行って、スタッフさんはみんなつらそうでした(笑)。レーベルメイトの伊藤祥平くんともこないだラーメン食べに行きましたし。
──ほんとに好きなんですね。
そうですね。でも、こだわってる人ってもっとすごいじゃないですか。僕は単純に大好きなだけなんで、特に評論するような感じではないんです。
──自分で作ることもあります?
スープから作ったりはしたことないですけど、生ラーメンを買ってきて作ることはありますよ。インスタントのラーメンも好きです。銘柄はサッポロ一番のみそ。あれに生卵2個落とすのが基本ですね。あとはナルトと桃屋のメンマを入れて。
──自分で作るときにもナルトを入れるんですね。
はい。特においしいわけではないですけど、雰囲気としてナルトは入っていてほしいんですよ。ないと寂しいっていう。どんぶりも100均で買った赤い龍の模様が描いてあるやつをずっと使ってるんですけど、それも雰囲気重視で、よりおいしくなるような気がするから(笑)。
──話しているうちにぺろりと完食しましたね。「一龍」のラーメン、指田さん的に何点?
味も店の雰囲気も満点です! ほんとに美味しかったです!
指田郁也(さしだふみや)
1986年東京生まれ。3歳からクラシックピアノを習い、15歳から作曲活動を開始。2010年にワーナーミュージック・ジャパンが主催する「VOICE POWER AUDITION」で、約1万人の応募者の中からグランプリを受賞する。同年10月にシングル「bird / 夕焼け高速道路」でデビュー。同時期に東京・日本武道館で開催された「WARNER MUSIC JAPAN 100年MUSIC FESTIVAL」ではオープニングアクトとして出演し、新人とは思えない堂々としたパフォーマンスを披露した。2012年6月、NHK BS時代劇「陽だまりの樹」の主題歌「花になれ」を3rdシングルとしてリリースする。