サンダルテレフォン|「楽曲のよさに負けないように」4人が見せる大人への新たな一歩

パフォーマンスが曲に負けてる

──ワンマンライブ以降、サンダルテレフォンは月に1回定期公演を開催しています。これは皆さんの中でどういう位置付けなんでしょうか。

夏芽 定期公演は次のワンマンへ向けての成長過程を見せる場所というイメージです。なので毎回新曲を披露したり、新しい衣装をお披露目したり、新しいことに挑戦していて。私たちの成長を見せながら、皆さんに毎月の楽しみを提供できればと思っています。

──定期公演はすでに3回開催されていますが、次のワンマンに向けて着々と成長しているという実感はありますか?

夏芽 定期公演をやるたびに新しいファンの方が絶対いるので、そこは自分たちとしてステップアップしている実感はありますね。

西脇 会場のキャパも徐々に大きくなってるしね。

小町まい

小町 あとVJをTONTONさんにやっていただいているんですが、クオリティがとても高いんですよ。そういう新しい試みにも挑戦しているので、ぜひ観に来てほしいです。

──ワンマンを経て定期公演を重ねていく中で「とにかく楽曲を聴いてほしい」という思いから「ライブももっと観てほしい」という気持ちが芽生えたのでしょうか?

西脇 前回のインタビューのときはワンマンもまだやっていなかったし、ライブに対しての実感が薄かったんですよ。最近はSNSでも「ライブが楽しい」という感想が増えてきたなと思っていて。だからライブで楽しんでほしいという気持ちは強くなってきています。

夏芽 「Step by Step」発売時は、自分自身まだ曲に頼っている部分があって。ワンマンに向けてどうしたらもっと成長できるか考えたときに、曲だけじゃなくて自分たちのパフォーマンスも上げていかなきゃいけないなと思ったんですよ。パフォーマンスが曲に負けている気がして悔しくなっちゃって。なので最近は、ライブを観てほしい気持ちが以前より強くなっています。

藤井エリカ

藤井 私はダンスがそこまで得意じゃなかったんですけど、曲に頼るんじゃなくて自分も変わらないといけないなと思って、見せ方を研究したんですよ。そうしたら、最近ファンになった方に「ダンスに惹かれてライブに来ました」と言ってもらえて。自分なりに少しずつ変わっていっているのかなと思います。

──皆さん共通の認識として、ワンマンを終えて定期公演を重ねていくうえでブラッシュアップされていっているという実感があるんですね。

夏芽 次のワンマンでは絶対に前回よりもっといいものができるという自信があります。

──小町さんはなぜかニヤニヤしてますけど(笑)、どうですか? 自信はありますか?

小町 ナツはすごいんで大丈夫だと思うんですけど、私はそんなに自信が……今からがんばります(笑)。

夏芽 (笑)。

新曲「SYSTEMATIC」で見せる新境地

──では新作「SYSTEMATIC」についてお聞きしたいと思います。1曲目の「Break-in」はワンマンライブの登場SEでも使われていた曲ですね。

夏芽 この曲は初めての自分たちだけのオリジナルSEで、思い入れもある曲だったので、それがこういった形で1つの作品のオープニングを飾るというのは感慨深いです。

──「SYSTEMATIC」と「かくれんぼ」は今までサンダルテレフォンの楽曲を手がけてきたちばけんいちさんとmeganeさん作の楽曲です。前回のインタビューで小町さんは「私はmeganeさん派です」とおっしゃってましたが、今回はいかがですか?

小町 「SYSTEMATIC」が来たときはびっくりしました。ちばさん派になってしまうぞって(笑)。これは強いなと(笑)。

──表題曲「SYSTEMATIC」は今までのサンダルテレフォンになかった大人っぽい恋愛の曲ですけど、“大人になる”というテーマを経てこういう曲を歌う心境はどうですか? 歌っていてしっくりきましたか?

夏芽 正直初めて聴いたときは「ちゃんと歌えるかな……?」と思いました。今までは笑顔でニコニコ歌う曲が多かったので、今回はダンスの先生に表情まで指示してもらって。

西脇朱音

西脇 初めて聴いたときは、たぶん自分が一番イメージからかけ離れているからちょっとヤバいなと思いました(笑)。ダンスも今までと違う体の使い方をしていて、すごく苦戦したんですよ。大人っぽくてセクシーな表情もなかなか作れなくて。やっていくうちにだんだん見せ方もわかってきたんですけど、急に大人っぽい楽曲になったなという戸惑いは正直ありました。

藤井 私はこういうセクシーで大人っぽい曲が好きなので素直にうれしかった。今までの曲では、頬が痛くなるくらいずっと笑っていたんですよ(笑)。「SYSTEMATIC」はそれを抑えて、笑うというよりちょっとほほえむ感じ。それは今までいろんな曲をやってきたから、そういう細かいニュアンスも表せるようになったのかなと。サンダルテレフォンの新しい一面を見せられるような曲だと思います。

小町 最初に音をいただいたときは低めの音が多かったので「自分の声に合ってるかも!」と思ったんですけど、いざレコーディングしてみたら「全然違うな」と思って(笑)、かなり苦戦しました。あと最後にハーって吐息が入っているんですけど、レコーディングまでの練習期間は歌よりもその息遣いを練習してました(笑)。

──あの吐息は誰がやってたのかなと思ってたんですけど、小町さんだったんですね。誰がやるかはどうやって決めたんですか?

西脇 そういうのは基本的にまいちゃんの担当なので(笑)。

夏芽 私なんてレッスンで初めて知った気がする。「こんな音入ってるんだ」って(笑)。

西脇 「なんか変な音入ってない?」ってね(笑)。

──レコーディングは苦戦もしたようですが、実際に完成した音源を聴いてどうでした?

夏芽ナツ

夏芽 歌入れする前の音源の時点ですでに曲として完成されていて、それに負けるのが嫌だったんですよ。楽曲のよさに負けないように、家で何度も練習して。歌が曲に負けちゃってたらヤバいと思ってたんですけど、完成したものを聴いてみたら個人的には手応えがあって、すごくうれしかったです。

──「曲に負けたくない」という気持ちがレコーディングのときにも強く出てたんですね。

夏芽 そうですね。あとはちばさんに負けたくないという気持ちも(笑)。デモ音源にちばさんの歌が入ってるんですけど、すごいんですよ。男の方なのに、女性目線の曲をなんでこんなに気持ちよく歌えるんだろうって。

小町 恋愛経験が多いんだよね、たぶん(笑)。

夏芽 大人だね(笑)。


2021年1月21日更新