今までとちょっと違うラインナップ
──今回の出演者のラインナップはいかがですか? 現時点でDJダイノジのほか、雨のパレード、THE BAWDIES、-真天地開闢集団-ジグザグの出演がわかっています(※取材は7月中旬に実施)。
大谷 今までともちょっと違うテイストですよね。THE BAWDIESは僕らが初めて新宿LOFTで主催したイベントのトリに出てもらって、一緒にThe Beatlesの「Twist And Shout」をセッションしたんですよ。でも歌詞を全然覚えて行かなかったらROYくんに怒られたね。
大地 全部「シャシャシャシャシャ」って歌ってた(笑)。大谷さんはビートルズ詳しいけど、僕は全然知らないんだもん。
大谷 雨パレさんは前回も一緒だったし、前からすごく曲がいいなと思ってました。「Shoes」とか大好き。ジグザグさんとは共演したことはないんですが、DJダイノジで「きちゅねのよめいり」をよくかけるくらい大好きなので、今回「SAMURAI SONIC」のキャスティングに推薦させてもらったんですよ。ジグザグさんと言えば初見の人も虜にしてしまうパフォーマンス。演奏スキルの高さも驚愕ですが、とにかく、誰ひとり置いていかないステージを期待したいです。
侍成分が足りない?
──「SAMURAI SONIC」はどんなフェスになっていったらいいと思いますか?
大地 家族連れが楽しめるようなフェスになったらいいですね。子供が楽しそうにしてるとこっちもうれしくなっちゃうし。
大谷 フェスは「誰と誰が出演するから成功間違いなし」じゃなくて、会場の居心地のほうが大事だと思うんですよ。どんなにライブがよくても、スタッフさんの対応ひとつで1日モヤモヤしちゃうこともありますよね。幸福感があって、みんなが楽しいことを発見する居心地のいい場所をまず作ってもらって、そこに音楽が乗っかるというか。「SAMURAI SONIC」はそうであってほしいですね。
──今回は入場時に800円払うと、ビールが何杯でも飲み放題になるそうです。
大地 えー! すごいな。
大谷 本当にビールなのか不安になるくらいすごい(笑)。それならビールに合うアーティストに出てほしいですよね。怒髪天、ギターウルフ、ケツメイシとか。
──会場も幕張メッセで2ステージになり、過去最大規模です。
大谷 ダイジロウくんが最初から幕張メッセでやりたいって言ってたけど、いまだに何かの冗談だと思ってます(笑)。
──幕張メッセはDJダイノジとして初めて手応えを感じた場所でもありますね。
大谷 そうですね。2012年のサマソニでも幕張メッセでDJして、めちゃくちゃ盛り上がったんですよ。深夜のステージで、海外のバンドが急遽来れなくなってピンチヒッターでやったら、すごい熱気で。そういう縁のある場所にまた立てるのはうれしいです。でも、この規模になったら名前変えたほうがいいんじゃないの? クリエイティブマンに怒られる前に(笑)。今年のサマソニのチケットは海外ですごく売れたって聞きましたけど、間違って「SAMURAI SONIC」に来るインバウンドの人もいるんじゃない? ホフディランのデビューライブにボブ・ディランのファンが来た、みたいな(笑)。
大地 いいじゃない。間違って来ちゃった人も満足させるフェスにしないと。
大谷 でも、サマソニのチケットの海外での売れ行きは日本のフェス全体のヒントだと思ってて。海外の人たちが日本のフェスに集合する光景が、もっと当たり前になってほしいんですよね。サマソニはアジアとの連携も早くから丁寧にやってましたよね。若い子たちの人口は減っているわけだから、日本の音楽とかカルチャーをアジア全体で共有していったほうがいい。ドメスティックなお笑いももちろんめちゃくちゃ好きだけど、(とにかく明るい)安村とか(渡辺)直美とか、積極的に海外に行く人も出てきたしね。
──そうなると、大地さんの「エアギター世界一」という称号もさらにキャッチーになりますね。
大谷 そうですよ。こっちには嘘でも世界一がいますから。
大地 嘘じゃないよ!
大谷 あれはもう詐欺です(笑)。海外からフェスを楽しみにいろんな人が来て、うまいもの食べてもらって、その地域の経済が回っていくのが一番いいよね。これを僕は「エンタメカツアゲ」って呼んでるんだけど(笑)。そういう意味では「SAMURAI SONIC」という名前はわかりやすくていいのかも。でも、それならもっと侍っぽくしたほうがいいんじゃない? 武士の甲冑着けた人が開会の挨拶したり。
大地 法螺貝吹いたり。
大谷 スタッフ全員忍者の衣装を着たり。侍成分が足りないのが今後の課題だな(笑)。
プロフィール
ダイノジ
1994年結成、吉本興業所属。大地洋輔と大谷ノブ彦によるお笑いコンビ。2005年にDJダイノジとしての活動をスタートさせ、主催イベント「ジャイアンナイト」を開催してきたほか、数々の音楽フェスに出演している。大地は2006年と2007年に「エアギター選手権」で世界一に輝いた。