SALTY's|僕ら塩顔! 4年間の集大成を「塩」に込めて

塩野の色気、本当にすごいですよ

──次は塩野さんについて教えて下さい。

塩野(B)

塩澤 一番ストイックな芸人さんというか。SALTY'sをどうやって面白くするかを特に考えてくれている人で。「この曲をどうやってカッコよく魅せるか」よりも「どうしたら面白く魅せられるか」を誰よりも考えてくれてると思います。

塩野 うわあ、やめてよ(笑)。「そういうやつがボケてんねや」と思われたら、ウケづらくなるじゃないですか。

塩村 ライブを観に来てもらったらわかるんですけど、(ニヤニヤしながら)塩野くんのいいところはズバリ“色気”なんですよね。

塩野 その顔は絶対にウソやん!

塩村 ライブ中の色気は本当にすごいですよ。僕、歌いながら「塩野カッコいいな」と思いますもん。

塩チョ パフォーマンスだけじゃなくて、打ち合わせやリハのときも軸になってくれてます。今回は新衣装のデザインにも関わってくれて、お客さんの見えないところでも基盤になってる。塩野からアイデアのタネが生まれて、みんなで育てていく感じなんですよね。ライブでカラコンを入れたり、ベースを光らせたり、着ぐるみ姿でステージに出ていくとか……すっごいがんばってるんですよ!

塩澤 ちゃんとボケてくれるし、真面目にがんばるよね。

塩野 潰されてるわ! 今後ボケにくくなるじゃないですか!

うどんはおいしく食べたいので

──塩チョさんについてはどうですか。

塩野 サックス担当として唯一楽器を演奏してて、本職のアーティストの方も太鼓判を押すくらいうまいです。本格的に演奏できるメンバーが1人いるだけで、バンドとしても自信が持てます。彼がいることでエアバンド以外の一面を見せられるので、そこは助かってますね。

塩澤 塩チョは本当にいいやつなんだけど、すごく変なんですよ。舞台上で4人が話しているときに、急にいなくなったと思ったらステージの端でサックスを吹き出したこともあるし。

塩チョ(Sax, Fl)

塩村 中でも驚いたのが、あるライブのときステージからはけてだいぶ時間をかけて戻って来たと思ったら、うどんを食べるボケをしたんですよ。あとで「できたてじゃなくて、最初からうどんを用意してたらよかったんちゃう?」と聞いたら「いや、おいしく食べたいんで」って。

塩澤 そこはいいだろっていう。

塩村 結成初期の頃、あまりに変だったので「こういうことは、あまりせんほうがええで」と教えてあげたほうがいいかなって思ったんですよ。でも、そのままにしたほうが僕らも見ている人も面白がれる。そういう人って目を離せなくなるんですよね。だから変なままでいてほしいです。

──変なところも個性だと。

塩村 あとはサックスが最初の頃と比べて、相当うまくなってます。

塩野 誰よりも努力をしてますよね。僕ら芸人は、よしもとの本社にこもって朝までネタ作りすることがあるんですよ。それで「ネタ作り終わったあ」と思って中庭に出たら、サックスの音が聴こえてきて。

塩澤 「あ、塩チョもいるんだ」ってね。

塩野 ストイック過ぎて、朝までサックスの練習をしてることがあるんですよ。

塩澤 サックス担当と言ってますけど、ライブではフルートも吹くよね。

塩村 そうそう、ダンスもできるし。

塩野 一番のエンタテイナーだと思います。

塩村 見せ場がたくさんある人なので、ライブで塩チョを見たら絶対に楽しめると思いますね。あと色気があります!

塩野 僕にも言ってたじゃないですか! あ、塩澤さんには言ってないか。

塩村 塩澤さんは言わずもがなやん。

塩澤 「がな」って何よ!?

塩村 ふふふ(笑)。

開始5秒でリーダー号泣、バンドの方向性を決めた「大さじ1000SALT」

──メンバー紹介が終わったので、次は活動についてもお聞きしたいと思います。結成した2015年から振り返って、印象に残っていることはありますか。

塩村 2016年10月30日のワンマン「AIR SALT KICK」はよく覚えてますね(参照:SALTY'sワンマンライブの詳細決定「みんなで熱い夜に塩(しよう)!」)。それまでは劇場でライブをすることが多かったんですけど、はじめてライブハウス(※東京・UNITで開催)を使わせてもらって。お客さんが来るのか不安だったんですけど、結果いろんな方が観に来てくれてうれしかった。僕、人生で初めてお酒を飲んで記憶をなくしましたもん。

塩野 打ち上げは酷かったですよ。塩村さんがみんなにキスをし出して。

塩チョ そうそう!

塩野 塩澤さんがみんなの膝の上にまたがって、ほっぺにキスをしたりハグしたりして。

塩村 よくミュージシャンの方が「ラブ&ピース」と言うじゃないですか。「あれって、こういうことか」と。とにかく人間愛にあふれていた日でしたね。

塩野 あの日に初めて、塩村さんを「完璧な人じゃないんだ」と思いました。それまで完璧主義者というか隙がない印象だったんですよ。だけど酔っている姿を見て「この人も頭のおかしいところがあるんだ」と発見して。

塩村 あれは楽しかったよね。

塩野 なんだかんだ一番印象深いのは、2018年12月18日にやった「大さじ1000SALT」ですよね。

SALTY's

──LIQUIDROOMで「お客さんが1000人集まらなかったら解散する」と掲げていたワンマンライブですね(参照:SALTY'sが1000人の観客沸かせて解散回避、来年はメンバー出演舞台も)。

塩野 「大さじ1000SALT」をやると決めてから、プロ意識が芽生えたんですよ。2017年までは正直、ライブをやるだけでダラダラ活動していた時期もあって。「それじゃあよくないよね」と4人で話し合って、「1回本気になって1000人キャパを目指そう。それが無理だったら解散しよう」と決めたので、やってよかったですね。そんな思いもあって、当日は開始5秒でリーダーが泣くっていう。

塩村 あれは感極まったなあ(笑)。

塩野 振り返ると4年の間にいろいろありましたね。

塩村 ……そういえば思い出したことがあって。2016年頃からお笑いナタリーさんにはSALTY'sの記事を載せてもらってたんですけど、音楽ナタリーさんに載せてもらうにはハードルの高さを感じてたんです。

──確かに本来お笑いを主戦場にされているからこそ、アーティストとして見てもらうのは課題だったと思うんですよ。

塩村 そうっすね。

SALTY'sとゲストの石田明(NON STYLE)。

──それが今では「OTODAMA SEA STUDIO」「サイサイフェス」「TOKYO CALLING」にも声がかかるようになって。いつから音楽的に評価してもらえるようになったと思います?

塩澤 それこそ「大さじ1000SALT」をやることが決まってから、僕らの向き合い方も周りの見方も変わったのかなと思います。

塩野 昔はヨシモト∞ホールでライブをするとなったら、「どうやって成功させるか」しか考えてなかったんですよ。2017年の終わりから、外へ出ていろんな方と対バンを重ねていくうちに「SALTY'sらしいライブ」を意識するようになりましたね。

塩チョ 初期のライブはみんな棒立ちで全然動かなくて。塩村さんも動き方がわからないから、ギターを持って歌ってました。それが今やめちゃくちゃ自由に動くようになって、180°変わった気がします。

塩野 ライブスタイルはだいぶ変わったよね。

──音楽活動やトークライブをする一方、今年2月には神保町花月で初舞台「#モテたい」を上演されました(参照:SALTY's主演舞台「#モテたい」千秋楽、ブラックペッパーズも活躍)。

塩村 お芝居はこのときが初めてで、お客さんが来るか心配してましたが、なんとか全公演完売したのでうれしかったです。

──「#モテたい」はSALTY'sを結成して、ライブを成功させるまでを描いた物語でしたね。

塩村 ああいう舞台は芸人さんも、アーティストさんもなかなかできないと思うんですよ。それこそSALTY'sにしかできない舞台だったのかなって。

塩野 共演者も仲のいい方しかいなかったので、めちゃくちゃ楽しかったです。

塩チョ 皆さんの相方さんも出てくれたじゃないですか。正直SALTY'sの活動によって、それぞれの相方さんに迷惑をかけてると思うことがあったんですよ。だからこそ楽しそうにやっていたのを見て、僕はすごくうれしかったんです。それから公演中、突然照明が落ちて真っ暗になるトラブルがあったんです。「どうしよう」と思っていたら、相方さんたちがアドリブで助けてくれて。

塩野 しかもめちゃくちゃウケたんです。

塩チョ コンビ間の絆を感じて、思わず感動しました。