SALTY's|僕ら塩顔! 4年間の集大成を「塩」に込めて

現在プロポーカープレイヤーとして活動している塩村(松村惇史[ex. テゴネハンバーグ])を中心に、お笑い芸人の塩澤(小澤慎一朗[ピスタチオ])、塩野(小野竜輔[ダイヤモンド])、塩チョ(西村ヒロチョ)という“塩顔”の4人で結成されたエアバンド・SALTY's。去年の12月に「LIQUIDROOMで1000人の観客を呼べなかったら解散」というバンド存続をかけたワンマンライブを見事成功させ、今年2月には神保町花月で初舞台「#モテたい」を4日間5公演ともすべて完売させた。今、着実に注目を集めている彼らが結成5年目を迎え、ついに1stフルアルバム「塩」でCDデビューを果たす。

音楽ナタリーでは「塩」の完成を記念して、バンド結成から現在まで彼らがどのような活動を行ってきたのかを語ってもらった。さらに関係者からのお祝いコメントも紹介しているので、併せて楽しんでほしい。

取材・文 / 真貝聡 撮影 / 塚本弦汰

“塩顔”バンドってなんなんだ

──SALTY'sの皆さんは、吉本興業所属の4人組エアバンドということで。最初は塩村さんがメンバーに声をかけたんですよね。

塩村(Vo) ずっとバンドをやりたい気持ちはあったんですけど、きっかけがなかなかなくて。だけど、とあるミュージシャンの方とお仕事をご一緒させていただいたときに「もし手伝えることがあったら、いつでも言ってね」と声をかけていただいたんです。その言葉に後押しされて“塩顔”のバンドを組もうと思いました。それで誘ったのが今のメンバーです。

──塩澤さんと塩村さんはNSC(吉本総合芸能学院)13期生の同期なんですよね。

塩澤(G) そうですね。声をかけてもらって即OKしました。いやらしい話をすると、2015年はピスタチオとしての活動が忙しかったので、新しい話題の1つになったらうれしいなと思って参加しました。

塩野(B) え、今は忙しくないんですか。

塩澤 時間がね……今はすごいあるんですよ。

塩村塩チョ あはははは!

SALTY's

──塩野さんと塩チョさんは、NSC15期生にあたりますね。

塩村 2人とはほぼ面識がなかったんですけど、しゃべったときの感じがよかったので誘いました。レインボーというコンビの池田(直人)も入れようと思ったんですけど、ちょっとポジティブ過ぎるというか、明るすぎたので違うなと。

塩チョ(Sax, Fl) いやいや、我々はそんなにネガティブじゃないから!

塩村 池田は陰と陽でいえば陽のほうで。もっと陰寄りのバンドがよかったから……(メンバーを見渡して)もうピッタリの人選ですね。

塩チョ 僕はロマンチックキャラでお笑いやってるんですよ! そんなやつが陰なんて言われたら、やっていけないっすよ。

塩野 そうそう、俺も営業妨害っすよ!

塩村 とりあえず、そんなこんなで声をかけさせてもらいました。

──誘われたとき、どう思いました?

塩野 突然「“塩顔”バンドをやりたいんだけど」と声をかけられて、「なんなんだ、この人」と思いましたね。最初は1回限りの企画なんだろうなと考えてたんですけど。そしたら本格的な曲を作ってきたので、「けっこう本気なんだ!」って。

塩チョ 初期の話ですけど、1回目の打ち合わせに参加したら誘われた側なのに「よく見たら、お前は塩顔ちゃうな」と言われて「え、なんで?」と。

塩村 あはははは。

塩チョ それで「白塗りのメイクをしろ」と言われて、メイクをしながら「コスパ悪いなあ」と思ってましたよ。なんとなくで参加したんですけど、まさかCDデビューをする日が来るとは夢にも思いませんでした。

塩村の音域、マライア・キャリーの1個下

──今回は音楽ナタリー初登場ということで、それぞれメンバー紹介をしていただきたいと思います。じゃあリーダーの塩村さんからいきましょうか。

塩村(Vo)

塩澤 彼が作詞作曲をしているので、特にこだわりが強いですね。リーダーとして芯がしっかりしているから、僕らも安心して付いていけます。

塩野 とにかく死ぬほど歌がうまいですね。ボイトレの先生から誰と同じ音域って言われましたっけ?

塩村 「マライア・キャリーの1個下」って言われた。

塩野 この話をうれしそうに何度も言ってくるんですよ! そういう、しつこいところはうっとうしいですね。

塩澤 “かまってちゃん”なんですよ。髪の毛をちょっと切っただけなのに「なんで言ってくれへんの?」って。

塩村 ふふふ。

塩チョ 塩村さんはいい意味で下心があるんです。このバンドを組んだのにも、結局は「モテたい」「カッコいいと思われたい」という狙いがあって。欲は誰にでもあるじゃないですか。塩村さんはそれをSALTY'sという形にして、ちゃんとプロデュースしてるからすごいですよね。

塩澤 あの……みんな取材の流れ上、褒めているだけなので。さっきから小声で「うれしいなあ」とか言わなくて大丈夫です(笑)。

塩村 バレてた(笑)。

塩澤さんって一番マスコットみたい

──次は塩澤さんの紹介をお願いします。

塩澤(G)

塩村 SALTY'sが始まったときって、ピスタチオの活動がほんまに忙しかったんですよ。僕は無名の頃から知っていたので、「売れたらこんなふうになんねや!」と思って見てた。毎日どこかへ営業に行って、番組やCMにも出て、いろんな映画のキャンペーンにも呼ばれて。そんな多忙の生活で絶対眠たいはずなのにSALTY'sの打ち合わせに文句1つ言わずに参加してくれてたんですよ。そこはありがたかったですね。逆に、今のほうが眠たそうに参加してます(笑)。

塩澤 あはははは!

塩村 自分が塩澤くらい忙しかったら「明日もあるから、今日の打ち合わせはやめとくわ」と言ってたと思うんですよ。だけど一度も口にしなかった。そこに対しての信頼感はずっとありますね。

塩野 4人の中で一番知名度があるので、いてくれるだけで興味を持ってもらえるのはありがたいです。つかみとしては完璧なので……つかみとしては本当に素晴らしい。つかみとしては!

塩澤 おいおい!

塩チョ 塩澤さんはメンバーで一番マスコット感が強いと思うんですよ。それはピスタチオの影響だけじゃなくて、小澤慎一朗という人間が一癖も二癖もあるキャラだから。SALTY'sを知る入り口になってくれますし、特攻隊長的な役割も担ってくれてます。

塩村 確かにね。

塩チョ そんな人がメンバーでいてくれているのがありがたいです。それに先輩なんですけど、兄さんって感じじゃないんです。威圧感を出さないから接しやすい。ここまでフランクに先輩、後輩とも分け隔てなく接している方は珍しいですね。