ナタリー PowerPush - Salley
カラフルポップな1stアルバム「フューシャ」
Salleyが1stアルバム「フューシャ」を4月9日にリリースする。今作には2013年5月のデビュー曲「赤い靴」から今年3月にリリースされた最新曲「あたしをみつけて」まですべてのシングルやそのカップリング、書き下ろしの新曲など全13曲を収録。キャッチーなポップサウンドを基調としつつもアイリッシュ、カントリー、フュージョンなどの要素を取り入れた、Salleyの魅力が詰まった1枚となっている。間もなくデビュー1周年を迎えるSalleyの2人にアルバムのこと、4月に開催される初ワンマンライブのことなどを聞いた。
取材・文 / 丸澤嘉明 撮影 / 上山陽介
「自分のやつきた!」って思いました
──1stアルバムリリースおめでとうございます。
うらら(Vo) ありがとうございます。
──デビューしてこの1年で4枚のシングルをリリースしてきましたが、アルバムはいつ頃から制作を始めたんですか?
うらら 曲自体はずっとコンスタントに制作していて、いい曲ができたらレコーディングする感じでした。
上口浩平(G) なのでデビューする前に作った曲もけっこうありますね。例えば「リセット」とかそうですし、「あたしをみつけて」も「赤い靴」と同時期にできた作品ですし。その都度録っていたので、全部の楽曲に全力投球できたというか、気持ちを込めながら作れました。
──「あたしをみつけて」は3月にリリースされた最新シングルですよね。ではこの曲の制作の経緯から伺えますか?
上口 これを作った頃はまだSalleyのアーティスト像が自分でもあまり見えていないときだったんです。それで、自分がミディアムバラードを書くのが好きだったりするので、自分の好きなジャンルの楽曲をうららが歌ったらどんな感じになるんかなあっていう。特に大きなテーマもなく、自然な感じで作りましたね。
うらら 上口くんにデモもらったときは「自分のやつきた!」って思いました。私、アップテンポの曲を歌うことに苦手意識があったので。
──そうなんですか? これまでのSalleyの作品を聴いていると、全然そんな気がしませんけど。
うらら アップテンポな曲を先にリリースしたのでそういうイメージを持っていただいていると思うんですけど、自分の中ではバラードのほうが似合うというか、むしろバラードしか歌えないと思っていたくらいで。「あたしをみつけて」を聴いたときはメロディラインもすごい美しくて、これは大事にしなくちゃと思いました。
──この曲はメロディと歌詞の言葉とうららさんの声がすごくマッチしていますよね。聴きながらとても安らかな気持ちになれるというか。
うらら 言葉が前に出すぎず、聴いていて言葉が引っかからないようにっていうのは意識しました。優しいメロディなので、自分の主張を伝えるというよりも歌として残る作品にしたいと思って。でも歌詞をよくよく聴くと「あっ、そんなこと言ってるんだ」っていう。
──確かに歌詞を読むと、純愛なのかストーカーなのかっていう(笑)。意見が真っ二つに分かれそうですよね。
うらら そうですね、ストーカーのイメージでは書いてないんですけど(笑)。でも、恋愛において「愛してるからほかには何もいらない」とか「あなたさえいればいい」って、リアルじゃないと思うんです。本当の恋愛ってやっぱりどこかで見返りを求めたりとか、自分だけのモノであってほしいっていう気持ちがあったりするんじゃないかなって。
──みんな本音ではそう思っているけど、口にして言わないだけというか。
うらら カッコつけて言わなかったり。そういう本音をきれいな形で美しく聞こえるように言うっていうのがこの曲のテーマですね。本当は束縛したい気持ちとか見返りを求めちゃう気持ちがあるんだけど素直に伝えられない女の子が聴いて、うまいこと消化できたらいいなって。
上口 僕はうららが歌ってるのを聴いても、束縛したいとかそういう思いは全然感じ取れてなくて、ただ「こんな人いたらいいなあ」とか「うらやましいなあ」って思いで聴いていましたね。この曲に限らずインタビューでうららの口から説明があって初めて歌詞に込められた思いに気付くことがよくあります。
──それくらいのスタンスが2人にとってちょうどいいのかもしれないですね。うららさんの書く歌詞って、物事の表面だけをなぞるんじゃなくて、そこから一歩踏み込んでいる印象があるんですがいかがでしょう?
うらら 人間観察が好きだからですかね。この間もずっとファミレスで隣のカップルの話を聞いていて……(笑)。
──へえ。
うらら 2人いたらその2人の関係性とかを考えたり、「この人、本当はこう言いたいんだろうけど、そう言ったら相手がムッとするからこう言ってるんだろうな」とか想像したり。そういう遊びをずっとしています(笑)。
- ニューアルバム「フューシャ」/ 2014年4月9日発売 / Victor Entertainment
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / VIZL-649
- 通常盤 [CD] 3240円 / VICL-64145
-
CD収録曲
- その先の景色を(album mix)
- Agreed Greed
- green
- カラフル
- リセットの呪文
- fuchsia
- 赤い靴
- 青い鳥
- プレゼント
- 愛の言葉(album mix)
- 各駅停車
- あたしをみつけて
- My little girl
初回限定盤DVD 収録内容
- Salley Diary 2012-2014
- MUSIC VIDEO
(赤い靴 / green / その先の景色を / あたしをみつけて) - LIVE (Live at SHIBUYA CLUB QUATTRO on December 30, 2013)
(赤い靴 / Down by the Salley Gardens / その先の景色を / green)
-
iTunes Storeにて配信中!
- Salley「Live Tour 2014 Spring」
-
- 2014年4月18日(金)
愛知県 名古屋CLUB QUATTRO - 2014年4月20日(日)
大阪府 梅田CLUB QUATTRO - 2014年4月26日(土)
東京都 LIQUIDROOM ebisu
- 2014年4月18日(金)
Salley(さりー)
大阪出身のうらら(Vo)と福井出身の上口浩平(G)により2012年に結成された男女デュオ。2013年5月にフジテレビ系アニメ「トリコ」のエンディングテーマ「赤い靴」でデビュー。透き通るようなうららの歌声と哀愁を帯びたロックサウンドで描くオリジナルの世界観が話題になり、同作は「2013上半期USEN HITランキング」のJ-POP部門で1位に輝いた。その後「green」「その先の景色を」「あたしをみつけて」と3枚のシングルをリリースし、4月9日に1stアルバム「フューシャ」を発表。4月18日から4月26日にかけて初のワンマンライブとなる東名阪ツアーを実施する。