冗談っぽく「いつでも曲書きますから言っておいてくださいよ」って

──今回、さくらしめじがコレサワさんに楽曲提供をお願いすることになった経緯は？

雅功　僕らはサプライズでスタッフさんに伝えられたんです。

コレサワ　そっか、サプライズだったんだ。そんな粋な感じで。私のレコーディングエンジニアさんがさくらしめじの曲を手がけたこともあって、スタジオにさくらしめじのCDが飾ってあったんです。「コレちゃんの曲よく聴いてるって言ってたよ」ってその方に聞いていたから、私は冗談っぽく「いつでも曲書きますから言っておいてくださいよ」って（笑）。そうしたら、本当につなげてくださって。

彪我　ホントにうれしかったです。

雅功　さくらしめじが結成されたのが中学1年生の頃だったんですけど、そのときに僕「いろんな音楽を聴こう」と思ってたくさん曲を聴いていて。その中でコレサワさんの曲を見つけたんです。そこからずっとファンだったんですけど、あの……すごい好きだったんで……。

コレサワ　ふふ。「好き」に理由はないもんね。わかるよ。

雅功　だから本当に今回のことはうれしかったです。最初にお会いしたときは、緊張しすぎて目も見れなかったんですよ。

コレサワ　ライブのときだったよね。観に来てくださって。

雅功　出てきた言葉がひと言「大好きです」でした……。

コレサワ　あはははは（笑）。私は「こんなかわいい子がどうして？」って思ってました。女の子の気持ちを歌うことが多いから女の子に「好き」って言ってもらうことは多かったけど、男の子にも「好き」って言ってもらえたことがうれしかったですね。

彪我　僕は雅功きっかけでコレサワさんのことを知ったんです。いろいろと曲を聴いていく中で、特に「SSW」を聴いたときに「なんて素敵な曲なんだろう！」って思って。アルバムとかもチェックして、どんどんハマっていきました。

雅功　僕ら練習する前にストレッチをするんですけど、そのときによく流してます。

──雅功さんのお気に入りの曲は？

雅功　難しいなあ……ホントに全部好きなんですけど、最近はよく「シュシュ」とかを聴いてます。

そろそろスパイスを入れてもいい年齢なのかな？と思って

──コレサワさんはさくらしめじに曲を作るにあたって、どうやって作業を進めていったんですか？

コレサワ　「歳下の男の子に歌ってほしい気持ちってどんな気持ちだろう？」って考えました。さくらしめじの曲を聴いてみると、けっこうかわいらしい曲が多い印象で。でもきっと彼らも大人になっていくだろうし、もうそろそろスパイスを入れてもいい年齢なのかな？と思って。なので、今回は失恋をテーマにした曲にしました。大人になっていく2人がこれからもずっと歌い続けてくれるような曲がいいなと思ったし……あとCDのジャケットを見て「ホントきれいな顔してるな」って。

さくらしめじ　あはははは（笑）。

コレサワ　さくらしめじのファンの子の気持ちを考えたとき、「この2人がこういう曲を歌ったらキュンキュンするな」って思ったんです。そんな意図もありましたね。

──なるほど。

コレサワ　だけど、そう！ 2人から来た要望がめちゃくちゃで。私、ちょっと苦情言いたいんですけど！

さくらしめじ　えー!?（笑）

コレサワ　2人がまったく違うテーマをオーダーしてきたんですよ。雅功くんは「音楽への気持ちを伝えたい」っていうリクエストなんですけど、彪我くんは「僕らはさくらしめじだから、きのこと恋愛を絡めた曲を」って（笑）。1つの意見にまとめてくれたらいいのに違うこと言うもんだから、もうすごい悩んで！「これは一旦無視しよう」と思いました。

さくらしめじ　あはははは！（笑）

コレサワ　結局きのこの要素は歌詞に入れられたんですけど、難しかったです（笑）。楽しかったですけどね。

雅功　僕ら今まで失恋ソングを歌ってこなかったんですよ。だからさくらしめじの初めての失恋ソングがコレサワさんの曲で、僕はそれがすごくうれしかったですし、何が一番テンション上がったかって……デモの音源を送っていただいたときに、コレサワさんが歌ってらっしゃるんですよ。

コレサワ　まあ、そうですよね。

雅功　どこのCDショップを探しても、コレサワさんの声で歌われてるこの曲のCDはないわけですよ。それに僕は一番……。

彪我　あはははは！（笑）

──完全にファンの人の発言ですね。

コレサワ　怖いですね（笑）。うれしいな、でも。

一層僕らのチームワークが必要だった

彪我　僕はこの曲を聴いたとき、失恋ソングだけどどこか勇気をもらえる曲だなと思いました。今までになかった、こんな素敵な歌が歌えるんだって感動しましたね。

雅功　全体を通して、どんどん盛り上がっていく感じがして。Dメロとかはそれほど盛り上がるアレンジではないんですけど、気持ちがたかぶる感じがあるんです。デモを聴いていて「どんなふうに歌おうかな？ 歌うの楽しみだな」って思っていました。

コレサワ　レコーディングはすんなり進みました？

雅功　Dメロがちょっと……。

コレサワ　掛け合いにしてくれてるもんね。

雅功　野音で初披露したときは2人一緒にDメロを歌ってたんです。だけど、掛け合いにしたほうが1行1行の歌詞が際立つんじゃないかな？とコレサワさんが提案してくださって、レコーディングでは変えました。少しでも伸ばしすぎたり、ちょっと早めに切り過ぎてしまったら意図したところと違ってきちゃうので、そこは一層僕らのチームワークが必要だったというか。相手の呼吸に合わせて歌うのは難しかったんですけど……。

コレサワ　確かに、ここの掛け合いはレコーディングブースで歌うと難しいかもね。息を合わせられるから、掛け合いはライブのほうがやりやすいんです。でも2人だからこそできる歌い方ってあるじゃないですか。そのよさがすごく出ていたから、掛け合いになってうれしかったです。