音楽ナタリー Power Push - さくらしめじ
まったり振り返る2015 しっかり歩む2016
ゆったりまったり、日に日に仲よく
──1年前の自分と今の自分を比べたとき、成長を感じるところはありますか?
雅功 いろんな曲を歌ってきて、発見もいろいろありました。初めて聴いた曲でも「この曲はこんな歌い方をしたらいいな」って考えられるようになったりして。そういうところは成長したのかな?って思います。あと、前は苦労しながらギターを弾いてた曲が、最近スムーズに弾けるようになったんです。そのときは「あ、ちょっとうまくなったかも?」って思えて、ずっと練習を続けていてよかったって思えました。
彪我 僕はハモりの付け方を自分で考えられるようになりました。「この曲はこういうハモがいいんじゃないかな?」って。あと、雅功さんが言ったように今までは弾けなかったギターのフレーズが弾けるようになったときは本当にうれしかったです。
──2人のチームワークについてはどうでしょう?
彪我 そうですね(雅功と目を合わせる)……。いつもいろんなお話をして、ゆったりまったり、日に日に仲よくなっているかなって思います!
──どんなお話をするんですか?
彪我 最近は、雅功さんがハマっているあの映画の話を……。
雅功 ああ! 僕最近「スター・ウォーズ」にハマってるんです。
彪我 その話をすっごいされます。
雅功 そんなにしてないよ?(笑)
彪我 そんなことないよ!「この乗り物の名前はなんとかって言うんだよ」とか、登場人物の関係性とかいろんな話をするから、雅功さんすごいなって思います。
雅功 僕、一度ハマったものは、どんどんいろんなことを知りたくなるんです。
彪我 カッコいいですよね、あの……ライトセーバーを振る人たち。
──ジェダイですか?
彪我 そう、ジェダイです(笑)。映画、絶対観に行きたいんです! 雅功さんから教えてもらった知識を駆使して観たいです。
雅功 絶対思ってないでしょ(笑)。
──ちなみに雅功さんの好きなキャラクターは?
雅功 ハン・ソロが一番好きです。素早く銃を出して、さっと撃つ感じが、もうすごくカッコいいなあと思って!
──……という感じで、彪我さんはいつも話を聞いてるんですね?
彪我 そうなんです!(笑)
雅功 (笑)。どうしても熱が入っちゃうんです。
──演奏しているときのチームワークはいかがですか?
彪我 最近は、2人の声の組み合わせがすごくいいなって思えるようになりました。ハモリで歌うところもとってもいいんですけど、ユニゾンで歌うところも、ローとハイがちゃんとあるからいい感じだなって。
──そう、新しいシングルの曲を聴いて思ったのですが、雅功さんすっかり声変わりしましたね。
雅功 そうなんです。声変わり、もうすぐで終わりそうです。声変わりって徐々に声が変化していくものだと思っていたんですけど、僕の場合急激に変わっていって、声が出にくくなってしまったんです。それが去年の春頃で、その時期は彪我さんにいろいろと迷惑をかけてしまったんですけど、彪我さんがたくさんフォローしてくれたからすごく助かりました。
強く思いながら歌ったら、気持ちがお客さんにも伝わる
──それではここからはニューシングルの話を。表題曲の1つ「はじまるきせつ」はどんなナンバーですか?
雅功 僕たちこれまで片思いの曲をたくさん歌ってきていますが、この曲も切ない初恋の曲です。季節の変わり目……例えば秋から冬になると、気付けば霜柱が立っていたり枯れ葉が落ちていたり、星空がきれいだったりしますよね。そんな、小さな季節の変わり目を見付けたときのような感じで、ある日突然「これが恋なんだ」って自分の気持ちの変化がわかった瞬間に、周りの世界が違って見えるよ、ということを歌っています。
──この曲を初めて聴いたときはどんなことを思いましたか?
彪我 すごくさわやかなメロディで、「いい曲だな」って思いました。
雅功 僕はギターのキメがたくさんあるところがいいなって思いました。切ない歌詞も好きです。
──曲の中で気に入っているポイントはありますか?
彪我 僕は「ドキドキしちゃう 仕方ないよね?」っていうところのメロディと、ギターのキメがすごく好きです。
雅功 僕は彪我さんと同じ「ドキドキしちゃう 仕方ないよね? 届けば嬉しいな 始まれ ラブストーリー」っていうところの歌詞が好きです。「始まれ ラブストーリー」っていう言葉に、この曲の主人公の男の子の気持ちが詰まってるなって。
──では、この曲を歌うときに気を付けていることは?
彪我 歌詞のイメージを頭の中に想像しながら歌ってます。コードが変わるたびに、頭の中のイメージも少しずつ変えるように意識して。
雅功 この曲に込められたいろんな気持ちを強く思いながら歌ったら、気持ちがお客さんにも伝わるって信じているので、まず第一に自分が主人公の気持ちを理解した上で歌うっていうことを心がけていますね。
──そうなんですね。この歌詞の気持ち、共感できますか?
彪我 例えば「どんなこと話せばいいの?」とか、戸惑いがある感じは自分と似ているなあって思います。
雅功 僕は「ちょっとまだ僕にはわからない 恥ずかしくて もどかしくて 時間がかかりそう」っていう歌詞に共感できます。もし同じ状況になったら、僕もきっとそう思うんじゃないかなって思います。
これからも一緒にいよう
──もう1つの表題曲「さんきゅう」は、さくらしめじ結成当時からずっと歌っている曲ですね。
彪我 はい。みんなそれぞれ不安なこととかもあると思うんですけど、それは仕方ないこととして、今を楽しんで生きていこうよっていうメッセージが詰まった曲です。
──さくらしめじのユニット名が発表された2014年11月の「星男祭」で2人がこの曲を披露したときは、彪我さんが感極まって涙したシーンが印象的でした。
彪我 そうなんです(笑)。あのときはサプライズで「さくらしめじ」というユニット名が決まって、1stシングル「いくじなし / きのうのゆめ」のリリースが決まったことも告げられて本当に驚いて、うれしくて。そうしたら、「さんきゅう」の「これからも一緒にいよう」っていう歌詞が、さくらしめじとして雅功さんと“これからも一緒にいよう”っていうメッセージのような気がして、ぐっときちゃいました。
──2人の関係を歌っている曲のようにも受け取れますよね。この曲の歌詞は、さくらしめじとしての2人の思いと重なるところがありますか?
雅功・彪我 そうですね。
雅功 まだ僕らさくらしめじとして1年過ごしただけなので、不安なこともあるんですけど、彪我さんと一緒ならがんばれるって思うので、この曲は感情移入しちゃいます。
──ちなみに、歌詞の中に「10年後の自分に 何色が似合うのかなんて 想像もできないよ」と出てきますけど、自分ではなく10年後のお互いの姿ってイメージできますか?
雅功 10年後っていったら、23歳……。想像が付かないです(笑)。
彪我 雅功さんは今と変わらず優しい人になっているんじゃないかなと思います。いつも笑ってるような、近くにいるとほんわかするような。
雅功 それだったら彪我さんもそうだよ。一緒にいるだけで楽しい人のままだと思う。
──では、さくらしめじの10年後の姿は?
彪我 老若男女に愛されるような、誰もがさくらしめじのことを知っているようなアーティストになっていたいなって思います。
雅功 そうですね。これからどんどん、僕らのことを知らない人にさくらしめじを知ってもらって、「好きなアーティストは?」っていう質問に「さくらしめじです」って答えてもらえるような存在になりたいです。
次のページ » 卵かけごはんが大好き過ぎて
- ニューシングル「はじまるきせつ / さんきゅう」 / 2016年1月13日発売 / SDR
- あさばん [CD] / 1200円 / ZXRC-1051
- よるばん [CD] / 1200円 / ZXRC-1052
あさばん収録曲
- はじまるきせつ
- さんきゅう
- てぃーけーじー
よるばん収録曲
- はじまるきせつ
- さんきゅう
- まよなかぴくにっく
さくらしめじ
田中雅功、髙田彪我によるフォークデュオ。2014年6月にガク&ヒョウガとしてユニットを結成し、8月にお披露目ライブを行った。埼玉・大宮駅前でストリートライブを重ねて経験を積み、11月に東京・日本青年館で行われたEBiDAN 39 & KiDSの単独公演に出演。この公演でユニット名が「さくらしめじ」になったことが発表される。また同日にライブ会場限定で1stシングル「いくじなし / きのうのゆめ」の販売がスタート。2015年3月に同作が全国流通盤としてリリースされる。6月には2ndシングル「きみでした / せきがえのかみさま」を発表。またこの年の夏には全国を回るフリーライブツアー「さくらしめじニッポン列島菌活の旅~広げよう“きのこの輪”~」を実施する。さらに12月には初のワンマンライブを東京・IMA HALLにて開催。2016年1月に3rdシングル「はじまるきせつ / さんきゅう」をリリースする。