音楽ナタリー PowerPush - さくら学院
2014年度卒業生が届けたかった思い
田口華と野津友那乃は「ちゃおガール2009オーディション」の準グランプリ受賞者。そのためさくら学院転入時期は異なるものの、以前より仲がよかったという。おとなしい印象だった2人が菊地と水野不在の「TOKYO IDOL FESTIVAL」のステージを乗り越えた頃から、徐々にキャラクターを確立していったことは父兄の間でも話題を呼んでおり、秋には2人のキャラクターを生かしたグループ内ユニットが作られるほど。後輩たちを巻き込みながらグループの雰囲気を賑やかなものに変えていった彼女たちが、卒業を目前に控える今だから話せるその変化の理由を語ってくれた。
父兄さんに会えると本当に楽しくて
──田口さんは小等部6年のときに、磯野莉音さんと一緒に2011年にさくら学院に転入してきました。その頃のことは覚えてますか?
田口華 私は引っ込み思案な性格なので、アイドルに向いてないと思ってました。
──先日のタワレボ(参照:さくら学院、中等部3年が将来の夢語る)では、さくら学院に入る前からダンスや歌をやりたかったとおっしゃってましたが。
田口 人前に出るのは好きなんですけど、苦手なんです……。でも華と莉音が入ったときに最上級生だった(武藤)彩未ちゃんたちが優しくしてくれたおかげでさくらのみんなと仲よくなることができて、今ではさくら学院にいる時間が一番楽しいなって思えるようになりました。
──田口さんが入った頃はもうすでに10人が1年間積み上げてきたものがあって。そこに入っていくプレッシャーとかはありましたか?
田口 最初の頃はやっぱり彩未ちゃんたちが完璧すぎるなと思っていたので、絶対足を引っ張ることだけはしないようにってことばっかり考えてました。でもそういうことを考えれば考えるほど、頭の中がいっぱいになっちゃって……。始めの頃はそんな感じでした。
──なるほど。その1年後に野津さんが転入。さくら学院に入ったときどんな気持ちでしたか?
野津友那乃 最初はアイドルになれたっていうことが単純にうれしかったです。
──野津さんはもともとアイドル志望だったんですか?
野津 いや、アイドルになりたかったわけではなかったです。でもさくら学院ってすごく憧れの存在だったので、その一員になれることがすごくうれしかったんです。でもいざ入ってみたら自分が想像していた以上にレベルが高くて、ハードなレッスンにも全然付いていけなくて……。入った時期は違うけど、同い年の3人ができるのになんで自分はできないんだろうってすごく悩んだりしました。でも周りのみんながすごく支えてくれたし、ライブで父兄さんに会えると本当にそのつらさを忘れるぐらい楽しくて、ここまで続けてくることができました。
2人がいなかったからこそ成長できたことも
──今年度のさくら学院の大きなトピックとして「TOKYO IDOL FESTIVAL」のステージでのパフォーマンスが挙げられると思います。菊地さんと水野さんがBABYMETALの活動があってフルメンバーでの出場が叶わず、卒業生の堀内まり菜さんと飯田來麗さんが助っ人として登場するというイレギュラーなスタイルで乗り越えたこのステージは、今年度のさくら学院がグッと成長したタイミングだったように見えました。
野津 もあゆいのファンはすごくたくさんいることを知っているので、2人がいないライブに父兄さんたちが来てくれるのかなっていう不安がありました。
田口 ね。華と友那乃の2人で誰も来ないよとか言ってて(笑)。
野津 そうなんです。下級生みんなは「大丈夫だよ」って言ってくれたんですけど、どうしてもネガティブになっちゃってましたね。でも2人がいなかったからこそ成長できたことも多かったと感じています。
田口 2人がいないステージを経験して、最愛と由結に頼ってしまっていた部分があったなって実感しました。そこから私たちの中でもっともっとがんばらなくちゃっていう気持ちが生まれてきて。
──私、「TOKYO IDOL FESTIVAL」の直前にアップされた野津さんの日誌(参照:7月14日「HGS」 )で「悔しい」という文字を見かけたときにハッとしたんですよね。
野津 あの日誌を書いたときはもあゆいがベビメタとさくらの両立で忙しい中、同じ学年なのにさくら学院以外にやることがなくて全然2人と立場が違うっていうことに対して悔しい思いがあって。でも自分が同じ立場だったら2人みたいにBABYMETALとさくら学院の両方に力を注ぐことができたのかなって考えると、ちょっとそれは難しいなって。そういうふうに考えるようになってから、2人をもっと応援しなきゃという気持ちが増していきました。
田口 私はその頃まで「2人はいいな」とうらやましく思ってたんです。だけど2人がたくさん努力していたことを知っていたので、自然と応援したいという気持ちが強くなりました。
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- 目次
- 菊地最愛&水野由結 インタビュー
- 田口華&野津友那乃 インタビュー
- 日本中へ届け!初めてのライブ・ビューイング
- 「The Road to Graduation 2014 Final ~さくら学院 2014年度 卒業~」を終えて
- ニューアルバム「さくら学院 2014年度 ~君に届け~」 / 2015年3月25日発売 / UNIVERSAL J
- 初回限定盤 さ盤 [CD+DVD] / 4104円 / UPCH-9982
- 初回限定盤 く盤 [CD+DVD] / 4104円 / UPCH-9983
- 初回限定盤 ら盤 [CD+Blu-ray] / 4320円 / UPCH-9984
- 通常盤 [CD] / 3240円 / UPCH-2019
CD収録曲
- 目指せ!スーパーレディー -2014年度-
- アニマリズム
- ハートの地球(ほし)
- Spin in the Wind / プロレス同好会
- 天使と悪魔 / バトン部 Twinklestars
- ヒラリ!キラキラ☆ヤミヤミミュージアム / クッキング部 ミニパティ
- ピース de Check! / 購買部
- 宝物 / 中等部3年(菊地最愛、水野由結、田口華、野津友那乃)
- ご機嫌!Mr.トロピカロリー
- 仰げば尊し ~from さくら学院 2014~
- さよなら、涙。
- 君に届け
さ盤 DVD収録内容
- 「ハートの地球」Music Video
- さくら学院 学年末テスト2014
く盤 DVD収録内容
- 「アニマリズム」Music Video
- 奇妙な筒
ら盤 Blu-ray収録内容
- 「ハートの地球」Dance Video
- 「アニマリズム」Music Video
- 「仰げば尊し ~from さくら学院 2014~」Dance Video
さくら学院(サクラガクイン)
学校生活とクラブ活動をテーマにしたアイドルグループとして2010年4月に開校。成長期限定ユニットのため所属する小中学生のメンバーは義務教育終了とともにグループから卒業する決まりがある。2015年4月現在、中等部6名が所属している。2010年12月に「夢に向かって / Hello!IVY」でトイズファクトリーよりメジャーデビューを果たし、2011年12月にはユニバーサルJに移籍して「ベリシュビッッ」を発表。2014年度は、2014年10月にキャリア初のDVDシングル「ハートの地球」、2015年3月に2nd DVDシングル「仰げば尊し ~from さくら学院 2014~」、アルバム「さくら学院 2014年度 ~君に届け~」をリリースした。3月29日に行われた卒業式にて菊地最愛、水野由結、田口華、野津友那乃がグループを卒業した。
2015年4月1日更新