先輩たちの背中を追いかけてスーパーレディに

──初期からグループにいた2人が後輩たちに伝えていきたいことはありますか？

水野　由結はスタッフさんも含めて先生とか仲間を信じていて、こんなに「心をひとつにする」ことを大事にしてるグループはほかに探してもないんじゃないかなって思うんです。あと卒業生たちもみんなさくら学院を気にかけてくれていて、卒業しても終わらない感じがこのグループならではのことなのかなって思います。

菊地　毎年グループを卒業する人がいるのでもちろん欠けてしまうこともたくさんあるんですけど、その中でも大事なものをきちんと残して前年度のさくら学院の色を引き継ぎながら、毎年度違う色を作っていくのはすごくすてきなことだなと思っています。

──菊地さんと水野さんは卒業生を3回送り出してきて、ついに自分たちの番がやってきますね。

菊地　来ると思ってなかった。

水野　うん。「あともう少しで卒業だね」って言いながらも、ちょっと人ごとみたいな感じだったよね。今でも嘘だったらいいなって思うし、あとちょっとでその日が来るなんて本当に信じられないです。でも今まで先輩たちがそうしてきたように、由結も先輩たちの背中を追いかけてスーパーレディを目指したいなと思います。

菊地　今は卒業生をあわせて19人なんですけど、そのみんなで1つのステージを作ってる感じがします。だから悲しいけど、楽しく卒業できたらいいなって思ってます。

──楽しく卒業できそうですか？

菊地　でもまだ実感ないなあ。実感がないというか、もうすぐ卒業だってことを信じたくないという気持ちが強いんですよね。正直今まで目をつぶってきたというか。あっという間に今年の卒業ソング「仰げば尊し ～from さくら学院 2014～」がリリースされてしまって、私たちにはさくら学院での時間がもうあまりないということをようやく感じるようになりました。でも卒業した次の日もみんなといつもの場所でレッスンができると思っちゃうところもあって。会えなくなることが一番寂しいです。

水野　由結は卒業が近いことをけっこう受け入れてます。去年までは在校生の立場でこれまでリリースしてきた卒業ソングの歌詞の意味を理解してたけど、今度は自分が卒業する側だからこういう意味にも置き換えられるんだなとか思いながら卒業ソングを聴けるようになってきて、やっともうすぐ卒業なんだって実感するようになりました。そう思えば思うほどライブやイベントの1回1回を大切にしなきゃいけないなっていう気持ちが強くなっています。でも先輩たちがたまにレッスンを観に来てくれて、「まだ覚えてるよ」って踊ってくれたりもするんですよ。だから由結は大人になっても新しい代のさくら学院のレッスンに顔を出して、応援し続けたいと思っています。

初代から受け継いできた“さくらの掟”

──今年のアルバム「さくら学院 2014年度 ～君に届け～」についても聞かせてください。今年発足したユニットの楽曲を筆頭にすごく2014年度のさくら学院らしい曲が詰まってますね。

水野　はい。2014年度のさくら学院がこのアルバムに表れてるなってすごく思います。

──中でも気に入ってる曲はありますか？

菊地　最愛は「君に届け」が好きですね。2014年度は「心をひとつにすること」の大変さに気付いた年で、父兄さんに伝えたい思いをうまく届けられないもどかしさがかなりあったんですよ。この曲には私たちの思いがギュッと詰まってるので大切に聴いてほしいです。

水野　由結はどれも捨てがたいんですけど、1曲を選ぶなら「さよなら、涙。」かな。私たちの曲でテディベアを父兄さんとか卒業生に例えた「マシュマロ色の君と」っていうのがあるんです。で、「さよなら、涙。」の歌詞にはノートが出てくるんです。このノートっていうのはメンバーみんなが持ってるレッスンノートのことで、1ページ目にさくら学院が代々受け継いできた“さくらの掟”が書いてあって。このノートを卒業生や父兄さんに例えた曲を作ってもらいました。

──さくらの掟ってどういうことが書いてあるものなんですか？

水野　「先生に言われたことは1回で直す」「絆を信じる」とか彩未ちゃんと、（三吉）彩花ちゃんと、あいりーん（松井愛莉）が作ってくれたものが本年度まで引き継がれてきています。最初に3人が作ってくれた掟にすぅちゃんの代、まり菜ちゃんたちの代が新しい掟を追加してくれて、毎年どんどん内容が多くなっていって。そういうふうにずっと引き継がれてきたさくらの掟に書いてあることを、今年度は再確認することがたくさんあったんです。だからこの曲は歴代の卒業生のことや支えてきてくれた父兄さんたちのことを思いながら歌ってるので、その思いが届いたらいいなって思ってます。

いい友だちに出会えてよかったなって思ってます

──菊地さんと水野さんは、卒業後どんなスーパーレディになりたいですか？

水野　それがね……。

菊地　悩むよね……。

──まだ悩み中ですか？

水野　でもなんか悩んでることがうれしいんですよ。さくら学院に入っていろんなことを経験したから「あ、これもやりたい！ こっちもやってみたい！」って思うようになったんです。でも今はさくら学院に夢中すぎてまだ全然考えられないというか、考えたくないというか……。卒業してからはさくら学院くらい夢中になれる何かを見つけたいです。そしてさくら学院で学んだことを胸に、見つけた夢に向かって一生懸命にがんばり続けるスーパーレディでいたいなって思います。

菊地　私もずっとさくら学院として活動してきたので、由結と同じでさくら学院がすべてでした。でも小さい頃から将来の夢は“スーパー最愛ちゃん”って決めてるので、それを貫きたい。まずは私に与えられたすぅちゃんと由結と一緒に進んでいくBABYMETALという道を一生懸命にがんばっていきたいです。いろんな方にさくら学院を知ってもらい続けられるように……そして、いつか菊地最愛として皆さんの前に戻ってこれたらいいなと思います。

──さくら学院入学時から、ずっと一緒だった2人がこの先別々の道を歩むこともあるかもしれないですね。

菊地　由結がいないとか信じられないです。

水野　考えられないね。本当にいつも一緒だもんね。泊まるときもいつも一緒。

菊地　夏なんて毎日会ってたよね。休みの日って、何したらいいのかわかんないんです。

水野　うん。朝から夜まで一緒にいることもあったし、去年の夏は家族よりも一緒にいたね。

菊地　うん。沈黙の気まずさとかもなくなっちゃった。朝なんて本当に2人とも不機嫌だし（笑）。

水野　そうだね。2人とも寝起きが悪いから。いい友だちに出会えてよかったなって思ってます。

──これからも2人はずっと友達ですね。仮に別の道に行くにしても。

菊地・水野　はい！