桜エビ~ず|12カ月連続リリースで確立したアイデンティティ

桜エビ~ず インタビュー

カッコいいってなんだろう

──桜エビ~ずは2017年6月に、従来のスターダストプロモーションのアイドルとは違い、メンバーカラーを設けずに「カッコいいアイドル」を目指すことを宣言しました(参照:桜エビ~ずがクールな黒衣装お披露目、「カッコいいアイドルを目指すこと」を宣言)。ここがグループにとって1つの転機になったと思いますが、当時このことについてどのように感じていましたか?

桜エビ~ず

水春 ホントにいきなりのことで。そもそも、それまでも別にかわいい路線ではなかったんですよ。「僕たち、どういう路線なんだろう……」と思ってて、やっと「桜エビ~ずってこんな感じなのか」と把握できてきたタイミングで発表されたから理解が追い付かなかったし、「事前に言ってよ!」と思いました(笑)。

──ワンマンライブ中にファンと同じタイミングで知らされたんですよね。

水春 そうなんですけど、桜エビ~ずの新しいロゴが描かれた幕が登場して、メンバーもお客さんもサプライズで知らされる予定だったのに、スタッフさんの手違いでリハーサルのときからその幕がステージ上に飾ってあったんですよ。

茜空 「これ何……?」って(笑)。

水春 そしたらスタッフさんが「ちょっと待ってて」って慌てだして、僕たちも「なんだろうな」と思いつつも見なかったことにして(笑)。とにかくその発表にはびっくりしましたね。

桜井美里 私はそれまでカッコいい表情やダンスが全然表現できなくて、いつもかわいく魅せることを目標にしていたから、発表を聞いて「カッコいいってなんだろう」「これからどう研究していけばいいんだろう」と悩んじゃいました。

川瀬あやめ 最近になって「カッコいいってこんな感じなのかな」とわかってきました。「カッコいいアイドル」宣言後に衣装のイメージも変わっていって、今やっと落ち着いてきた感じです。

──最年少メンバーである芹澤さんはどのように受け止めました?

芹澤もあ

芹澤もあ 最初の頃、衣装とかはどちらかと言うとかわいい系だったんですけど、それが急に変わって。私は2016年1月に加入して、その頃はまだ小学生で意思が強くなかったので、「あっ、変わるんだ」と素直に受け止めました。

──当時の桜エビ~ずはハロー!プロジェクトなど、ほかのスタダアイドルがあまり歌ってこなかった楽曲をカバーしていたことも特徴でしたが、そのことについてはどう思ってました?

 「あっ、またカバーするんだ」という感じで特になんとも(笑)。当時はオリジナル曲が少なくて、足りない分をカバーで補っていたので、スタッフさんに言われた曲をそのまま歌ってました。

桜井 チーフマネージャーの藤井(ユーイチ)校長が曲を選んでいました。なので、全部藤井さんの好きな曲です(笑)。

村星りじゅ 私たちが全然知らない曲もカバーさせていただいていました。

水春 正直、「なんで事務所の先輩の曲をカバーしないんだろう?」とは思ってました。

川瀬 やりたかった!

水春 桜エビ~ずはエビ中の妹分なので、最初の頃に僕たちのことを知ってファンになってくれた方はほとんどエビ中ファミリー(エビ中ファンの呼称)さんや、ももクロ(ももいろクローバーZ)さんとかほかのスタダアイドルを好きな人たちなんですよね。ライブで先輩の曲をカバーしたら盛り上がるのに、お客さんもあまり知らないような曲もやってたから、正直「なんで?」と思ってました。でも、そういう曲をやることが脱スターダストにつながっていたのかなと思うと、藤井さんは憎めないですね(笑)。

川瀬 私はそのおかげでハロプロさんが好きになりました!(笑)

桜エビ~ずの形ができ始めた12カ月連続リリース企画

──昨年6月に12カ月連続での新曲配信リリース企画がスタートして、桜エビ~ずのスタイルや路線がより明確になったように思います(参照:桜エビ~ず新衣装で「6月の花火」打ち上げる、12カ月連続新曲お披露目も決定)。この企画を通して、お客さんや周りの反応に変化を感じましたか?

芹澤 それまでライブに来てくれるお客さんはアイドルファンやスターダストのグループのファンの方が多かったんですけど、12カ月連続リリース企画をやり始めてから、そうじゃない方も来てくれるようになりました。

水春 ファンの方も安心したと思います。それまではグループの路線が完全に定まっているわけではなく、観てる方も「この子たちはどこに向かってるんだろうな」と不安に感じていただろうし。でも12カ月連続リリース企画をやったことで曲のテイストが固まって、桜エビ~ずの形ができ始めたことでお客さんも応援しやすくなったんじゃないかな。

──なるほど。12カ月連続で新曲を配信リリースすると聞いたときは、素直にどう思いました?

水春 「続かないっしょ!」って(笑)。

村星 途中で終わっちゃうんじゃないかなと思いました(笑)。

茜空

 同じくらいの時期に先輩のももクロさんも5カ月連続配信企画をやっていたし、わーすたさんも12カ月連続で新曲を発表していたので、埋もれちゃうんじゃないかと思ってました。「なんで同じ時期にやるんだよ!」って(笑)。

──でも、結果としてHave a Nice Day!の浅見北斗さんが提供した1曲目の「リンドバーグ」からファンの評判はよかったですね。

水春 それまでは歌詞の内容について特に深く考えずに歌っていたんですけど、僕たちももっと曲について考えなきゃいけないんだなと思うようになりました。前はアイドル的な歌詞の曲が多かったのに対し、配信リリースした曲は全体的に等身大の女の子を描いた歌詞が多くて。メンバー間で年齢差はあるものの、みんな表現しやすくなったと思います。曲のおかげでお客さんに僕たちの歌を評価してもらえるのは、めちゃくちゃうれしいですね。

──桜エビ~ずはレコーディング時に全メンバーが全部のパートを録り、制作陣があとで各パートを決めるオーディションのような制度を用いているそうですが、いつもレコーディングにはどういう心境で臨んでいるんですか?

 「好きなパート来い! ホントにお願いします!」という気持ち(笑)。

桜井 落ちサビとか、その曲の注目されるパートに対してはアピールしてますね。

川瀬 私はいつも目標を定めていて。もちろんどのパートもがんばるんですけど、歌いたい箇所を決めてレコーディングに挑んでいます。その結果を通して次もがんばろうという気持ちになるし、12カ月連続リリース企画が始まってからそういう目標を立てるようになって意識が変わりました。


2019年8月20日更新