音楽ナタリー Power Push - 最終少女ひかさ「最期のゲージュツ」特集 但野正和(Vo, G)×あいみょん
ハングリー精神あふれる“終われない”2人
最近は対バンの機会が多い、最終少女ひかさとあいみょん。2人は2015年3月に最終少女ひかさがシングル「いぎありわっしょい」を、あいみょんがシングル「貴方解剖純愛歌~死ね~」をリリースしたことをきっかけに出会ったという。何より、放送禁止ワードギリギリの過激な歌詞表現と、ポップなメロディという強烈フックを持つ音楽性は、バンドとシンガーソングライターという違いはあれど、互いに意識せずにはいられなかったのだろう。
音楽ナタリーでは最終少女ひかさが1stミニアルバム「最期のゲージュツ」を完成させたことにちなみ、但野正和(Vo, G)とあいみょんの対談を実施。何かと共通項も多い2人の会話は、和やかなムードながら互いの制作の核心部分に迫る貴重なものとなった。
取材・文 / 上野三樹 撮影 / 寺沢美遊
衣装協力(但野正和)/ SALABA
ひかさが9位であいみょんが10位
──あいみょんさんが「貴方解剖純愛歌~死ね~」をリリースしたのと、最終少女ひかさが「いぎありわっしょい」をリリースしたのが2015年の3月で、同時期だったんですね。
但野正和(Vo, G / 最終少女ひかさ) そうです。しかも同じ日にリリースだったんで、それであいみょんのことを知ったんです。
あいみょん 私はリリースの前にYouTubeで「いぎありわっしょい」を聞いて、「このバンドめっちゃ好きやな」と思ってCDを買いに行きました。そしたらあとでインディーズチャートを見たらひかさが9位で私が10位(笑)。「あれ、貢献しちゃった!」と思いました。
但野 その1枚の差だったかもしれないね(笑)。僕らはそれまで札幌限定でしかリリースをしてなくて、初めての全国流通でのシングルだったので、「ほかに誰が出すんだろう?」っていうのを偵察してたらあいみょんがいて。「『貴方解剖純愛歌~死ね~』ってタイトル、ヤバ!」と思ってYouTubeを見たんですけど。
──運命的な出会いだったんですね。
但野 僕はあいみょんのYouTubeの再生回数に嫉妬してました(笑)。でも、あいみょんはよく言われてると思うけど、俺は別にメンヘラだとか思わなかったですよ。
あいみょん え、あれ見てメンヘラと思わなかったですか?
但野 うん。本当のメンヘラの人だったらあんなふうに歌にできないと思ったんですよ。歌詞があまりにも客観的だし、曲もよくできてるから。すごい人だなと思いましたね。
あいみょん 私、自分で最近よく言ってるんですよ「メンヘラじゃないです」って(笑)。どうしてもそういうふうに見られちゃうので。
全然友達がいない
──実際にお二人がお会いしたのはいつだったんですか?
但野 サーキットイベントとかでしたっけ? 「MINAMI WHEEL 2015」とか。
あいみょん そうそう。「ひかさが出るんや」って知って、「サインもらいに行く!」って思ったんだけど、買ったCDを忘れちゃって。
但野 そのときは「あいみょんが観に来てたよ」ってあとで言われただけで会ってないかも。そのあとに1回どこかで挨拶したことあった気がするけど、どこだったかな。
──なんだか曖昧ですね(笑)。実際に会ったときの第一印象とかないんですか?
但野 誰に会ってもサラッとしたもんなのかもしれないですね。
あいみょん 但野さんはサラッとしてますよね。人見知りではないにせよ、緊張しいなんかな?
但野 そうですね。話とかは器用にできるときもあるんだけど、友達があんまりいなくて。あいみょんは友達多いですか?
あいみょん 全然いないです(笑)。高校も途中で辞めたりしてるし、兵庫から東京に出てきたからこともあって一気に友達おらんくなっちゃって。だから6人くらいかな、いるほうかな?
但野 僕は全然友達いないんですよね。だから人と会っててもなんかサラッとしちゃうっていうか。しかも、あいみょんとは同じリリース時期だったし、サーキットで競演してますから。キャッキャできない感じはありますよね。好きでも、好きって言っちゃダメみたいなところありますよね(笑)。
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収録曲
- A.N.Z.N
- ハルシオン
- レイラ
- Rolling Lonely review
- 半分人間
- ロリータ
- さよなら最終少女
収録曲
- 愛を伝えたいだとか
- ハッピー
- MIO
ツアー情報
最終少女ひかさ「GEKOKUJO! -2017巣立ち-」
- 2017年5月14日(日)大阪府 Shangri-La(ワンマンライブ)
- 2017年5月16日(火)香川県 高松TOONICE
- 2017年5月17日(水)広島県 CAVE-BE
- 2017年5月19日(金)福岡県 public space 四次元(ワンマンライブ)
- 2017年6月9日(金)東京都 UNIT(ワンマンライブ)
- 2017年6月11日(日)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL(ワンマンライブ)
- 2017年6月23日(金)北海道 Sound Lab mole(ワンマンライブ)
最終少女ひかさ(サイシュウショウジョヒカサ)
2013年結成。北海道札幌市在住の但野正和(Vo)、ダシュンキ(G)、ラモネス(Key)、KOTA(B)、イワノユウ(Dr)からなる5人組バンド。2015年3月にタワーレコード限定のシングル「いぎありわっしょい」を、2016年4月に初のフルアルバム「グッドバイ」をリリースした。2017年3月には新作ミニアルバム「最期のゲージュツ」を発売した。
あいみょん
兵庫県西宮市出身のシンガーソングライター。歌手に夢見ていた祖母や音響関係の仕事に就いている父の影響で音楽に触れて育ち、中学時代にソングライティングを始める。2015年3月に発表したタワーレコード限定シングル「貴方解剖純愛歌~死ね~」など、センセーショナルな世界観の楽曲でSNSを中心に話題を集め、同年「tamago」「憎まれっ子世に憚る」という2枚のミニアルバムを発表した。2016年11月に1stシングル「生きていたんだよな」でワーナーミュージック内のレーベルunBORDEよりメジャーデビュー。2017年5月にはメジャー2ndシングル「愛を伝えたいだとか」をリリースする。