「龍宮城が好き」という気持ちが僕の先を走ってくれている

──続いて、Rayさんの変化について教えてください。

冨田　RayとKENTと僕はEBiDANの研究生時代からの仲ですけど、その頃から比べてRayは見た目も中身も特に大人になったなと感じています。そして今こうして一緒に龍宮城のメンバーになってみて、音楽に関してもパフォーマンスに関しても、Rayにとってベストマッチした世界観なんだろうなとすごく感じるんです。レッスン中にちょっとした振りを作るときとかにもアイデアがたくさん出てくるし、心の底から龍宮城の音楽を楽しんでいる人だなと思います。

S　僕がRayに出会ったのは「0年0組」のときなんですけど、その当時と比べると、Rayは僕たち龍宮城メンバーに対して、気を緩めている瞬間を見せてくれるようになったなと思っていて。身を委ねてくれている感覚があるんですよね。レッスンがない日にも一番連絡をくれるメンバーなんですよ。

Ray　誰もちゃんと返してくれないけどね？ ひどくないですか？

Ray

一同　あはははは！

S　（笑）。とにかく本当に龍宮城が好きなんだなと思うし、相手を褒めることって照れくさかったりするけど、Rayは人のよかったところとかをちゃんと伝えてくれるんですよ。「今日の誰々、めっちゃカッコいいじゃん！」とか。

KEIGO　本当に人のことを褒めるんです！ 海外生活の経験があるからかもしれないけど、本当に褒める。

S　Rayは昔から舞台作品に触れてきたこともあって、舞台への思い入れが人一倍強くて。僕らが舞台（音楽劇「秘密を持った少年たち」）をやったときに、自分の弱さをメンバーに見せてくれる瞬間があったんです。そこでより一層、Rayが龍宮城に対して持ってくれている信頼を感じ取れたので、いい時間を過ごせたなと思います。

──それほど龍宮城が好きなんですね。

Ray　大好きです。この間ファンクラブ限定ライブをさせていただいたんですけど、そのときにアヴちゃん先生から「Rayさん、龍宮城でよかったね。ヌルい簡単な人生じゃない、心の底から叫べる場所があって」と声をかけていただいて、本当にそうだなって。僕はこのオーディションに落ちたら芸能界を辞めるつもりだったんですけど、もし龍宮城がなかったら今自分は何をしているかなと思ったら本当に怖い。侑暉くんも「ベストマッチ」と言ってくれたけど、それは自分でも本当にそう思っています。「こういう理由で好きなんだ」と説明ができない、感覚的な“好き”。メンバー全員大好きだし、やらせていただいている音楽も環境も大好きです。何をするにしても「龍宮城が好き」という気持ちが僕の先を走ってくれているからがんばれるっていう部分はあると思います。

心から音楽を愛している人、殻をさらに破ろうとしている人

KENT　ITARUについて言うと、龍宮城のこの独特な世界観を一番形として表しているのがITARUの存在だと思います。それは見た目やオーラもそうなんですけど、心の部分が特に。ITARUがこれまで積み上げてきたものがあるからこそ、“ITARUらしさ”がしっかりある。自分が今のITARUと同じ年齢になったとき、果たして僕はITARUと同じ場所までいけるのかな？と考えて不安になる瞬間があるほど、ITARUは考えて悩んで、この独特な世界観やオーラを手に入れたんじゃないかなって。それが本当にすごいと思います。

Ray　ITARUはもともと音楽が好きだったと思うけど、龍宮城になってさらに音楽が好きになったんじゃないかな。というのも、自分たちのライブ映像や新しいミュージックビデオをずーっと観ているんですよ。怖いくらいにずっと。心から音楽を愛している人なんだなと思うし、幅広いジャンルから吸収しようとしているから、探求心もずっと変わらずに伸び続けている。ITARUのそういうところが龍宮城の音楽を体現してくれていると思うし、発せられる歌声にもどんどん深みが出ているんじゃないかなと思っています。

ITARU　龍宮城のメンバーになる以前は、自分の手の届く範囲の音楽で満足して、自分から新しい音楽を探しに行くことをしていなかったんです。そこはもっと勉強していかなければと思ったので、この1年で積極的に新しい音楽を聴くようになりましたね。それと、去年は短所をなくすことに意識を置いていたので、今年は自分の長所をもっといろんな形でアウトプットする機会があればいいのかなと思っています。

ITARU

──では最後、Sさんの変化について聞かせてください。

齋木　Sに対して僕が最近感じているのは、自分の殻をさらに破ろうとしているのかなということ。歌いやすい歌い方、踊りやすい踊り方から抜け出そうとしている。そういう姿を見ていると、自分を高めて磨いていく力がすごくあるなと思います。紡ぐ言葉も「Sはこういうことを考えているんだ」と度肝を抜かれることばかりで。自分を磨く力と発想力がすごい。

KENT　Sは好きなことに一直線だなって、近くにいると感じます。歌もダンスも、あとはファッションも、Sはセンスを褒められることが多いけど、それって好きなことにまっすぐで、ちゃんと努力できるからこその評価なんじゃないなかと思っていて。あとSは、自分の弱さを理解しているからこそ、自分自身と戦える強さがあるんじゃないかなと僕は思っています。

──Sさん自身、自分の枠を脱却したい気持ちがある？

S　僕にはもともとすごく憧れていたものがあったんです。でもそれは龍宮城のコンセプトは違うもので。龍宮城のコンセプトに対する疑いや不安は最初から一切なかったけれど、デビューしてからの数カ月は“もともと求めていたもの”を捨てきれない自分もどこかにいました。そういう話をアヴちゃん先生とさせてもらうタイミングがあったんですけど、そのときに先生は「憧れの存在を捨てる必要はまったくないし、そこから得られるものもたくさんある」と言ってくださって。そんな中で龍宮城の活動を続けていったとき、自分以外の6人がそれぞれにもっているすごさを日々感じるようになった。もともと憧れていた、欲しかったもの以上に、今はこの6人から刺激を受けて吸収することが、自分にとって一番の成長材料だと気付きました。今僕は、龍宮城が一番カッコいいと思っている。それが答えなんです。