Runny Noizeが初のミニアルバム「We are Runny Noize」を9月に発表した。
メンバーであるすざき(Vo, G)とけんと(Vo, G)はお笑いコンビ・ラニーノーズとしても活動を行っている。2人はミュージシャンからキャリアをスタートし、一時期はバンド活動のためカナダに移住するなど、音楽に対して常に並々ならぬ情熱を注ぎ続けてきた。彼らは何故バンドとお笑い芸人を両立するに至ったのか? 音楽ナタリーではすざき、けんと、てつや(B)、こだま(Dr)のメンバー全員にインタビューを行った。
取材・文 / 阿刀“DA”大志 撮影 / 後藤壮太郎
「PUNKSPRING」のTシャツを着てたから握手
──お笑い芸人がバンドをやっていることで、周りから何か言われるようなことはありますか?
すざき(Vo, G) 正直ありますね。「どっちやねん!」とか、よく言われます。
けんと(Vo, G) でも、思ってたよりは悪く言われないですね。いろんな芸人さんから何か言われるんやろうなと思ってたたら、皆さん「いいんちゃう?」って。
すざき どちらかと言うと、関係者以外の方がいろいろ言ってるんじゃないですかね。
──関係者からすると、芸の幅が広いのはいいことだと。
けんと そうですね。今の時代、自分の得意なものを生かしていろいろやっている芸人のほうが多いんで、同業者からの批判は聞かないですね。
──二足のわらじで活動していることがいい武器になってるんですね。でも、お笑い芸人が音楽を始めるパターンは多いですけど、すざきさんとけんとさんの場合はバンド結成が先ということで、まずはバンド結成のいきさつから聞かせてください。
けんと 僕とすざきは大学が一緒で、初めて学校で会ったときに2人共同じ「PUNKSPRING」のTシャツを着てたんで握手したんですよ(笑)。それで仲よくなっていった感じです。その後、それぞれ違うバンドで活動を始めて。
すざき だけど僕のバンドはメンバーが抜けたりして、活動を続けられなくなって。
けんと その話を聞いて僕もバンドを抜けて、すざきを誘ってRunny Noizeを結成しました。
メロコアきっかけでつながる4人
──2人のルーツはパンク?
すざき はい。でも、どちらかと言うとけんとは洋楽寄りで、僕は日本のメロコアが好きで、お互いの好きなバンドをオススメし合ってました。
けんと 僕がバンドをやりたいと思ったきっかけはSum 41で、そこからポップパンクが好きになって、NOFXとかも聴くようになってからさらにパンクにハマっていきましたね。
すざき 僕は高校のときからよくライブハウスにも通ってたんですけど、そこでELLEGARDENにハマって自分でもバンドをやってみたいと思うようになりました。
──てつやさんとこだまさんは?
てつや(B) 僕ももともとメロコア大好きっ子やったんですけど、2人とは違って主にPIZZA OF DEATHのバンドを聴いてたんです。それで自分でもメロコアのバンドをやるようになったんですけど、そこからファンクにドハマりして、今もこのバンドと掛け持ちでファンクバンドをやってます。
こだま(Dr) 僕は最初Slipknotをきっかけにメタルがすごく好きになったんですけど、けんとが中学のツレやったんで、最初にけんとと組んだバンドではメロコアをやってました。
けんと そう、Sum 41のコピーをやってました。だけどこだまが方向性の違いで「抜けたい」って言ってきて(笑)。そのあと、さっき話したように僕はすざきとRunny Noizeを始めたんですけど、前のベースとドラムが抜けて2人になってしまったんです。その頃、同じ専門学校に通ってたてつやとこだまが一緒にバンドをやっていて、僕らを企画に呼んでくれたんですよ。そのときにベースとドラムがいないことを伝えたら、「じゃあ、サポートでやったるわ!」って言ってくれて、結局そのまま加入してくれました。
──へえー!
てつや 違うよ! 「サポートで入ってくれ」って言うから、「いや、正式メンバーになる!」って言ったんや。
──どうしていきなり正式メンバーになろうと?
てつや ずっとサポートメンバーでバンドをやるのは嫌じゃないですか。それに、サポートでやるよりも正式メンバーとして参加するほうがバンドもカッコよくなると思ったんで。
けんと ひさしぶりのメロコアが楽しかったんちゃうん?
てつや (即答で)めちゃくちゃ楽しかったな! 俺もメロコアやりたくてたまらんかったんやろな。ファンクはファンクで楽しいんやけど。
──Runny Noizeに加入することについてどう考えてました?
てつや 面白いんじゃないかなあと思ってましたね。2人とは15年ぐらいの付き合いで気を遣うこともないし、こだまとも10年ぐらいの付き合いなんで。
ホームシックでメンバーが帰国
──途中から参加したとはいえ、すでに関係性はばっちりだったんですね。時間はさかのぼりますけど、てつやさんとこだまさんが加入する前、すざきさんとけんとさんはバンドをやるためにカナダに1年間住んでたんですよね?
けんと はい。バンドをやること以外にも、海外に住んでみたい、環境を変えたいっていうのもデカかったですね。でも、周りにはめっちゃ反対されて。
──そうでしょうね。
けんと 対バンしてたバンドとかライブハウスの人に、「絶対に失敗するから止めとけ!」って。実際、カナダに行って2週間でベーシストとドラマーがホームシックで日本に帰っちゃったんですよ(笑)。しかも、すざきと僕の2人だけでカナダにいる間に、日本で一緒に対バンしてたバンドはみんなレーベルに入ったり、CDをリリースしたりして、結局みんなの予想通りに僕らだけ大失敗してるっていう(笑)。
一同 (笑)
けんと しかも、1年経って日本に帰ってきたと思ったら芸人になってよしもとに入って、意味わからんことになってるっていう(笑)。
すざき 何がしたいんだ(笑)。
けんと でも今、こういう形で音楽をやれているんで、僕たちとしては間違ってなかったと思ってるんですけどね。
次のページ »
けんと、カナダでお笑い芸人に目覚める
- Runny Noize「We are Runny Noize」
- 2017年9月27日発売 / よしもとアール・アンド・シー
-
[CD]
2000円 / YRCN-95285
- 収録曲
-
- Successor
- Unsung Hero
- Runny Nose
- Nine Deadly Sins
- The Plan to be poor
- Bunny
- This is
- Runny Noize(ラニーノイズ)
- お笑いコンビ・ラニーノーズのすざき(Vo, G)、けんと(Vo, G)をメンバーに擁するメロコアバンド。2008年にすざきを中心に結成され、2009年にはカナダに移住。翌2010年に帰国し、2013年にすざき、けんと、てつや(B)、こだま(Dr)の現体制となった。ラニーノーズとしての活動はバンドと平行する形で2012年にスタートしている。楽曲は西海岸系メロディックパンクを基調としたサウンドを特徴とし、2017年に配信シングル「Bunny」「Successor -Old Mix-」を発表。同年9月にはバンドにとって初のミニアルバムとなる「We are Runny Noize」をリリースした。